診療部の活動

old new
       >  >>

2021年5月18日

症例検討会 2例

1 30歳台 x日SARS-CoV-2 PCR陽性 x+1日CTで肺炎なし、自宅療養。x+6日夜間咳出現。x+7日CTで肺炎あり。入院。同日ベクルリー、デカドロン開始。

2 70歳台 高熱で受診。肺CTで右上葉に空洞を伴う透過性低下領域あり。喀痰抗酸菌検査陰性、肺胞洗浄液細胞診陰性、クラミドフィラニューモニエIgG 著増、IgM陰性 オーム病クラミジアの再罹患による肺化膿症と考えた。LVFXで皮膚発赤し、マクロライド系の効果も弱く、CRPは高値継続しレントゲン所見改善なく一度はHCUに移動した。モキシフロキサシンを内服し慎重に経過を見ていたところ20日目に肺レントゲン所見が改善した。

CT lung abcess

2021年5月14日抄読会

Efficacy of NVX-CoV2373 Covid-19 Vaccine against the B.1.351 Variant

N Engl J Med. 2021 May 5;384(20):1899-1909

NVX-CoV2373ワクチン 組み換えバキュロウイルス系(host 昆虫細胞)で産生されたSARS-CoV-2のスパイクの(組み換え)たんぱく質とMatrix-M1アジュバントで構成された。対象は18-84歳のHIV - 及び + の参加者だった。参加者は2群に無作為に分けられた。対照は偽ワクチン接種の参加者だった。参加者は割り当てを知らされていない一方で、ワクチン施行者は割り当てを知っていた。ワクチンの効果は(1-RR)×100(%)で表現した(RRはワクチン接種群の相対危険率)。ワクチンの効果はHIV-で60.1%だった。41検体の塩基配列を解析し、38件がB1.351変異だった。事後解析でB1.351変異に対するワクチンの効果は51.0%だった。接種による重篤な有害事象はまれであった。

山中伸弥(氏)による新型コロナウイルス情報発信

新型コロナウイルス変異株が有するSpikeタンパク質E484K変異

2021年5月11日

症例検討会 2例

成人症例 1ヶ月前からの足のしびれに加え、受診日の発熱および右上腕から肩にかけての疼痛で受診。CRP、ALP、補正Ca高値、貧血。MRIでTh10の破壊と脊柱管に増殖するmassあり。みぎ上腕骨は炎症性変化。骨シンチTh10骨腫瘍疑い、みぎ上腕骨骨髄炎疑い、副甲状腺ホルモンwholeおよびインタクト高値、副甲状腺関連蛋白陰性。異所性副甲状腺腫瘍を疑い副甲状腺シンチを実施したが信号を認めず。骨髄炎に対して抗生剤投与6週間実施してみぎ肩の疼痛改善。高カルシウム血症は対症療法(ビスホスホネート剤)で改善。骨髄穿刺はクローンの増殖を認めず。入院日および1ヶ月後のIg分画でIgGがやや上昇しIgMが減少し、Th10に限局した形質細胞腫を疑っており、他院にてFDGPETを撮影予定。Th10の腫瘍は他院にて照射予定。FDGPETがTh10に陽性であれば、症候性骨髄腫の間接的な診断根拠としてよいか。

成人症例 みぎ胸痛で受診。わずかに心電図でST上昇、白血球数(12000)が増加。CRP 0だった。翌日症状が不変にて再受診。ECG不変、造影CTで胸部から腹部に異常を認めず。血液検査で白血球数増加(20000)、CRP 6.73。感染症を最も強く疑い抗生剤治療しながら血液培養結果を待っている。画像上は感染のフォーカスがはっきりしない。画像でフォーカスがはっきりしない感染巣についてあるいは感染症以外の診断について討論。

2021年5月7日抄読会

Effect of Continued Weekly Subcutaneous Semaglutide vs Placebo on Weight Loss Maintenance in Adults With Overweight or Obesity: The STEP 4 Randomized Clinical Trial

JAMA. 325(14):1414-1425.

2021年4月30日抄読会

Dose/Schedule-Adjusted Rd-R vs Continuous Rd for elderly, intermediate-fit, newly diagnosed multiple myeloma patients

Blood MARCH 19, 2021

2021年4月27日

症例検討会 1例

80歳台男性 不応性ITP疑い。レボレード、ステロイド無効。

2021年4月23日抄読会

Azithromycin in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial

Lancet. 2021 Feb 13;397(10274):605-612.

2021年4月20日

症例検討会 1例
20代男性、ウイルス肺炎と診断されて入院。入院時SpO2 98%。入院2日目SpO2 95%となりデキサメサゾン追加。入院5日目酸素投与開始しCT撮影。肺炎像の拡大を認め重症化を危惧し転院。

2021年4月16日抄読会

Diabetes Mellitus and Sepsis: A Challenging Association
Shock. 2017 Mar;47(3):276-287.

2021年4月13日

50歳台 男性 両側ふくらはぎに張る感じが出現し、歩行困難現れた。自己免疫疾患のスクリーニングでMPOーANCAが強陽性だった。神経内科と腎臓内科にコンサルテーションを行い、顕微鏡的血管炎と診断された。
60歳台 女性 TP 9.1 Alb 3.0とガンマグロブリン血症にて受診された。頭蓋骨に打ち抜き像を認め症候性骨髄腫と診断された。

2021年4月9日抄読会

20-Year Follow-up of Statins in Children with Familial Hypercholesterolemia
N Engl J Med. 2019 Oct 17;381(16):1547-1556

2021年4月6日

症例検討会 2例
1 40代男性 左背部痛で受診。受診する10日前からひだり下腿に疼痛を感じ、時々腫脹することがあった。胸部CTで左肺下葉に胸膜に接する炎症像を認め肺炎胸膜炎と診断されて抗生剤内服開始。7日後CRP不変、左下腿に腫脹を認め、CTで左膝窩から左鼠頚にDVT認めた。また“肺炎”の領域の肺動脈にも造影欠損を認めた。CRP上昇、胸痛、および炎症像は肺動脈血栓症、同領域の出血性壊死による変化と理解した。血栓形成の機序として抗リン脂質抗体の関与およびプロテインS活性の低下が示唆されている。

2 80歳台男性 両側胸水で受診し、肺炎の診断にて入院した。全身検索でひだり大腰筋の肥大を認めまた同部位のガス像も認められた。腸腰筋膿瘍に合併した、あるいは腸腰筋膿瘍を合併した肺炎として抗生剤治療中である。併発したDICで血小板減少も認められるため膿瘍の排出を断念した。腰痛による不穏に対処が困難だったがデクスメデトミジンにてRAS0にて管理可能になった。

2021年3月30日

症例検討会 1例

80歳代 既往歴CKD、甲状腺機能低下症。 肺炎で紹介。喀痰培養及びレジオネラ、肺炎球菌抗原陰性。両側肺に器質化陰影と気管支透亮像あり。セフェム系抗生物質で治療している間に呼吸状態が増悪し、器質化肺炎の可能性を考慮してステロイドを投与したところ改善した。現在器質化肺炎として治療を継続している。問題は治療中に両下肢に利尿剤に反応しない圧痕の残る浮腫があらわれたこと。浮腫に対するステロイドの関与について討議した。結論 心機能の評価、低アルブミン血症の評価、下肢の血行動態の評価のためスクリーニング検査を行い、そのうえでステロイドの有害事象を考慮する。

2021年3月26日抄読会

Proton Pump Inhibitor-Related Gastric Mucosal Changes

Gut Liver. 2020 Apr 27. doi: 10.5009/gnl20036.

2021年3月23日

症例検討会 2例
1 50代閉塞性黄疸で来院。肝門部に腫瘤、十二指腸粘膜に浸潤性腫瘍。FDG-PETで肝門部高信号。十二指腸生検で結果得られず。経皮的に肝生検実施。DLBCLと診断された。
2 3月9日の症例。肝生検で扁平上皮がんと診断された。肝内胆管原発の扁平上皮がんが最も強く疑われている。

2021年3月19日抄読会

Efficacy and Safety of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine
N Engl J Med. 2021 Feb 4;384(5):403-416

2021年3月16日

症例検討会 2例
1 70歳台 呼吸困難で救急搬送されてきた。既往歴 糖尿病と気管支喘息。xp両側下肺野中心に透過性低下。CTで胸水、両側上葉気管支拡張、両側下葉気管支狭窄 喘息の治療後急性心不全と診断。心臓カテーテル検査で3枝に狭窄病変を認めた。A病院に冠動脈バイパス手術のため転院。
無題2

2 フォンヴィルブランド病(紹介)
白血球 5.67 10*3/uL、赤血球 4.24 10*6/μL、ヘモグロビン 12.5 g/dL、ヘマトクリット 38.8 %、血小板 150 10*3/uL、PT(秒) 12.7 sec.、APTT(秒) 40.6 sec.、フィブリノーゲン濃度 267.6 mg/dL、FDP-Dダイマー 0.2 ug/mL、血漿FDP 1.0 ug/mL、第8因子活性 38.0 %、フォンウ`ィレブランド因子活 31.0 %、第8因子様抗原定量 39.0 %

2021年3月12日抄読会

Association of Minimal Residual Disease With Superior Survival Outcomes in Patients With Multiple Myeloma: A Meta-analysis
JAMA Oncol. 2017 Jan 1;3(1):28-35

2021年3月9日

症例検討会 1例
成人症例 悪寒・咳が1か月続き受診。胸部レントゲン撮影異常なし、血液検査でγGTP 93、ALP 493、LDH 248とやや上昇。胸部単純CT撮影にて偶然肝臓にSOL認め、腹部の単純造影CT撮影を実施。肝膿瘍、胆管癌等の鑑別中。

3

2021年3月5日抄読会

Part 3: Adult Basic and Advanced Life Support: 2020 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care
Circulation. 2020 Oct 20;142(16_suppl_2):S366-S468.
1

2

3

4

5

6

7

8

10

11

2021年3月2日

症例検討会 2例
1a 既往歴 高血圧 自家用車を運転中に後方から追突されて救急搬送された。左手足の麻痺あり、頚椎精査異常なし。診断 右被殻出血。 事故後の高血圧で発症したと思われた。
2b 80歳代、トイレで足を滑らせて転倒しその後トイレの戸と壁の間に挟まれた状態で発見された。軽度右片麻痺あり。 左被殻出血。 脳出血後の転倒と思われた。

3 40歳代 PCKで通院中。トルハプタン治療中断中。 頻脈で受診。心房細動あり。48時間以上経過していた。ワーファリン内服とアミオダロン内服。PT-INR 31、消化管出血などを認めた。ケイツー大量に投与したがPT-INR 4程度。PCKに多発肝嚢胞が多発。肝予備能が乏しい状況でアミオダロン、ワーファリンの異化が遅れた(CYP3A4)ことによる急性肝不全。肝移植目的に転院。

2021年2月26日抄読会

Clinical management for other iatrogenic immunodeficiency-associated lymphoproliferative disorders
J Clin Exp Hematop. 2019;59(2):72-92

2021年2月19日抄読会

Comparison of Lemborexant With Placebo and Zolpidem Tartrate Extended Release for the Treatment of Older Adults With Insomnia Disorder: A Phase 3 Randomized Clinical Trial
JAMA Netw Open. 2019 Dec 2;2(12):e1918254.

2021年2月16日

症例検討会 2例
1 70歳代 受診2W前呼吸苦で紹介元に入院。CTで心嚢に液体貯留し軽静脈に血栓認められた。ワーファリン治療行われたが症状増悪しショック状態で他院より搬送されてきた。血圧低下は増悪した心タンポナーデによるものだった。CTでは心嚢液貯留以外に縦隔リンパ節腫脹、肺門リンパ節腫脹も認めた。血液検査でLDH 9290、AST 9687、PT-INR 30.7。血清CEA、血清SCC 陽性。心嚢穿刺で心嚢液600mLを採取した。ビタミンKの大量投与で出血傾向改善し、心タンポナーデが解除されるとAST、ALTは速やかに低下した。心嚢液細胞診でClassV、扁平上皮癌が認められ、呼吸器外科に転科。

2 70歳代 下腿浮腫を主訴に地域の総合病院を来院し白血球数、血小板数増加より血液疾患が疑われて当院に紹介されてきた。白血球数65000/uL、Hb 10.1、Plt 82.7。脾腫++、リンパ節触れず、血液像好塩基球7%、芽球0%、NAPスコア正常だった。PMF、ET、PVなどの鑑別中。FISH BCR-ABL(-)

2021年2月12日抄読会

Clonal hematopoiesis in human aging and disease
Science. 2019 Nov 1;366(6465)

2021年2月9日

症例検討会 2例
1 70代 女性 心肺停止状態で搬送されてきた。ERCP乳頭筋切開術後、人工透析患者。フサンで透析実施中にショック状態となり当院に搬送された。フサンのアナフィラキシーショックと思われ、蘇生に成功したが、ドパミンに不応性で血圧コントロール困難。βーブロッカー内服によるものと考えらえてグルカゴンを3mg注射して血圧が安定した。

2 成人症例 呼吸困難で近医を受診し白血球数低下と好中球数低下を指摘されて血液内科を紹介された。末梢血に2%異常細胞あり。骨髄にCD22、CD38、CD19、CD20陽性の以上細胞を認めALLと診断。Ph染色体陰性。化学療法中。

2021年2月5日抄読会

Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia
N Engl J Med. 2021 Jan 7;384(1):20-30.

2021年2月2日

症例検討会 1例
細菌性肺炎、たこつぼ心筋症、SIADH合併

2021年1月22日抄読会

Bleeding with Apixaban and Dalteparin in Patients with Cancer-Associated Venous Thromboembolism: Results from the Caravaggio Study
Thromb Haemost. 2020 Nov 17. doi: 10.1055

2021年1月19日

症例検討会 3例
1 90歳女性 両側胸水でご紹介 ECG LVH UCG LVH EF 71% BUN 52.6 Cre 5.3 UA 10.1 両側水腎症   膀胱がんによる腎後性腎不全
2 93歳男性 心電図陰性T on V3-6 LAD狭窄
3 69歳女性 RAで10年以上MTX内服 発熱で受診。胸壁に腫瘤あり。政権でMTX関連ML。MTXを休薬して改善を待つ。

2021年1月15日抄読会

Efficacy and Safety of Dapagliflozin in Heart Failure With Reduced Ejection Fraction According to Age: Insights From DAPA-HF
Circulation. 2020 Jan 14;141(2):100-111.

2021年1月12日

症例検討会 1例
成人男性 下腿潰瘍で他院に入院していた患者。入院中にしばしば失神があらわれるようになっていた。心電図にS1Q3T3パターンを認めた。当院に転院し造影CTと肺拡散シンチを実施して肺動脈血栓症と診断された。

2021年1月8日抄読会

Comparison of the characteristics, morbidity, and mortality of COVID-19 and seasonal influenza: a nationwide, population-based retrospective cohort study
Lancet Respir Med. 2020 Dec 17;S2213-2600(20)30527-0.

2021年1月5日

症例検討会 2例
1 成人 歩容が異常であると家族に指摘されて受診。バイタルをチェックし37.9℃。感染症をスクリーニングし、尿中に多数の白血球を確認。臀部に壊死組織から広がる発赤を認めた。1か月ほど前に転倒して石が臀部に1cmほど刺さり医療機関を受診せずに消毒していたらしかった。CTで皮下に広がるガス像を認め壊死性筋膜炎と診断した。切開し腐敗臭を発生する膿を排出し入院。

2 成人症例 側胸部痛で来院したマントル細胞リンパ腫。CD5 CD10 サイクリンD陽性 消化管病変あり。

2020年12月25日抄読会

Once-Weekly Insulin for Type 2 Diabetes without Previous Insulin Treatment
N Engl J Med. 2020 Nov 26;383(22):2107-2116.

2020年12月22日

症例検討会 1例
成人女性 大動脈基部の拡大によるARと診断され(Marfan Syndrome?)大動脈弁置換術を勧められ、大動脈の一部と大動脈弁を生体弁に置換=大動脈基部置換術(Bentall手術)が実施された。手術の3ヶ月後胸部から背部にかけて痛みを訴えて当院救急外来を受診。胸部xpで肺門部を中心のうっ血、血液検査でLDH、CPKの上昇。
ECG変化。

2020年12月18日抄読会

Carfilzomib, dexamethasone, and daratumumab versus carfilzomib and dexamethasone for patients with relapsed or refractory multiple myeloma (CANDOR): results from a randomised, multicentre, open-label, phase 3 study
Lancet. 2020 Jul 18;396(10245):186-197.

多発性骨髄腫の治療はレナリドミドをベースにした長期的投与がファーストラインとなっている。bortezomibやレナリドミドに効果を示さなくなった患者が増えてきたため、レナリドミドの長期投与で現れる副作用があるため、これらより再発あるいは治療抵抗性の骨髄腫に対する治療に選択の幅が求められるようになった。daratumumabとプロテアソーム阻害剤を組み合わせた治療効果はCASTOR試験第3相で示された(daratumumabのアームとしたbortezomib+dexa)。またENDEAVOR試験の第3相でcarfilzomibはbortezomibをしのぐ効果を示した。MMY1001試験1b相でcarfilzomibとdaratumumabの併用療法の安全性は確認された(対象は再発または不応性患者)。ここに示すのはCANDOR第3相試験で、再発または不応性患者を対象にcarfilzomib-dexamethasone-daratumumab(KdD)とcarfilzomib-dexamethasone(Kd)との効果を比較したものである。

carfilzomib(商品名カイプロリス)=選択的プロテアソームインヒビター。20Sプロテアソームのbeta5サブユニットに不可逆的に結合しユビキチン化タンパク質が分解されるのを阻害して、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する。

daratumumab=αCD38モノクローナル抗体:CDC活性、ADCC活性、ADCP活性、アポトーシス誘導などの作用を示す。CDC活性:daratumumab(商品名ダラザレックス)のFc領域に保体が結合することにより膜傷害複合体が形成され、腫瘍細胞が破壊される。ADCC活性:NK細胞などのエフェクター細胞とdaratumumabが結合することにより、エフェクター細胞が活性化され腫瘍細胞を攻撃。ADCP活性:daratumumabのFc領域にマクロファージが結合し腫瘍細胞が貪食される。apoptosis:腫瘍細胞に結合したdaratumumabのFc領域相互の架橋形成によりプログラム死が誘導される。

患者 再発あるいは薬剤不応性になってしまった北米、欧州、豪州、アジアの患者466名。満たすべき条件:1-3の前治療を受けており、少なくとも1度はPR以上の効果を認めたこと。他。
介入 アーム
KdD群 carfilzomib 1,2,8,9,15,16日、28日/サイクル、56mg/m^2、1サイクルのd1,2のみ20mg/m^2、daratumumab 16mg/kg 8週、1週目のみ8mg/kg2回。dexamethasone 20mg40mg/週。
Kd群 carfilzomib 1,2,8,9,15,16日、28日/サイクル、56mg/m^2、1サイクルのd1,2のみ20mg/m^2、1週目のみ8mg/kg2回。dexamethasone 20mg40mg/週。
結果 KdD群は観察期間中にPFSの中央値に至らなかった(=50%以上の人が進行を認めなかった)一方Kd群は15.8か月でハザード比は0.63。95%CIは0.46-0.85。

2020年12月15日

症例検討会 1例
成人症例 他院で10月大動脈弁閉鎖不全にて内視鏡下開胸大動脈弁置換術施行された。入院時胃に粘膜下腫瘍が疑われた。12月腫瘍の精査のため他院受診し上部消化管内視鏡検査を予定だったが発熱を指摘されて当院を受診し入院。肺野に網状影、胸水を認めた。抗生剤治療後貧血出現し上部消化管内視鏡検査を実施した。大湾に潰瘍を認め生検し膿の噴出を認めた。精査のため造影CTを実施して胃壁膿瘍、縦郭膿瘍、縦隔血腫が明らかになった。胃壁膿瘍及び肺野の網状影は縦郭膿瘍の血行播種により形成された感染巣かもしれない。

gif

ct

2020年12月11日抄読会

Effects of Sotagliflozin Added to Insulin in Patients with Type 1 Diabetes
N Engl J Med. 2017 Dec 14;377(24):2337-2348

2020年12月8日

症例検討会 1例
糖尿病通院治療中、喫煙者。 息苦しいと電話相談あり、翌日受診した。レントゲン検査肺門中心の放射状陰影、心電図 前壁誘導でST上昇。血液検査CPK正常値、TpnI上昇。 エコーで全般に心筋の運動低下、心室瘤形成。冠動脈造影で左前下行枝、右冠動脈に狭窄を認めた。CTで冠動脈の石灰化を認めた。心筋梗塞後の心不全と診断され治療中。

2020年12月4日抄読会

Therapeutic Management of Patients with COVID-19

Remdesivir for the Treatment of Covid-19 – Final Report
N Engl J Med. 2020 Nov 5;383(19):1813-1826

2020年12月1日

症例検討会 2例

1.成人症例 既往歴 糖尿病、慢性腎不全で透析を受けている。 午前3時に心肺停止で発見されて救急搬送された。蘇生後のECG所見

高カリウム血症によるwideQRS 透析にて改善。

2・成人症例 関節リウマチ、慢性リンパ性白血病p53部分欠損、イブルチニブ~BR

通院中にそけいリンパ節腫脹。同部位の針生検でDLBCLと診断。
リヒター症候群:リヒター症候群(Richter syndrome, RS)は,慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫症例において,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)またはホジキンリンパ腫と病理組織学的に診断される。

2020年11月27日抄読会

Long-term effects of intensive glucose lowering on cardiovascular outcomes
N Engl J Med. 2011 Mar 3;364(9):818-28.

2020年11月24日

症例検討会 1例
80歳台 症例 方向不能にて受診。近医及び病院で搬送を断られて当院を受診。左大腿動脈の拍動弱かった。心電図でQT延長を認め、血液所見で血清カリウム値が1.74mEq/Lだったため緊急入院となった。芍薬甘草湯内服しており偽性アルドステロン症と診断された。

連絡 今後の診療に役立つと思われるCOVID-19国内ガイドライン・手引きについて

2020 年 9 月 9 日 日本版敗血症診療ガイドライン 2020(J-SSCG2020)特別編

(新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き 第3版)9月4日掲載 (令和2年9月4日厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部 事務連絡)

(2020年8月13日) 一般社団法人 日本感染症学会 COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 6 版

2020年11月17日

症例検討会 1例
血糖1178の成人症例。嘔吐で受診した近医より腸閉塞疑いで当院外科に紹介された。血液検査で血糖1178mg/dLおよびケトアシドーシスを認め内科に紹介され入院した。入院時CTで腹腔動脈の輪郭が不明瞭にて炎症あるいは同部位の解離が疑われた。
後日造影CT検査で腹腔動脈の血流は正常だった。 抗GAD抗体、IA-2抗体陰性だった。1型糖尿病あるいはインスリンの分泌不良を伴う2型糖尿病の鑑別中である。

2020年11月20日抄読会

Effectiveness of clindamycin and intravenous immunoglobulin, and risk of disease in contacts, in invasive group a streptococcal infections
Clin Infect Dis. 2014 Aug 1;59(3):358-65.
方法
2002年3月1日から2004年8月31日まで、オーストラリアのビクトリア州でiGAS(侵襲性A群連鎖球菌)感染症の積極的かつ前向きな州全体のサーベイランスを実施した(人口調査によると、サーベイランス対象の人口は490万人)。63の研究所、45の病院、および一般開業医のネットワークを確立した。集中治療室または200床以上の収容能力(2001年はn = 45)を備えた病院からの退院データセットを、ICD-10コードについて3か月ごとに確認した。すべての患者の詳細な臨床データを医師から、および/または医療記録のレビューによって収集した。
結果
重度のiGAS感染症(連鎖球菌毒素性ショック症候群、壊死性筋膜炎、敗血症性ショック、またはショックを伴うGAS蜂巣炎)の84例を特定した。クリンダマイシン治療を受けた患者は、受けていない患者よりも重症でだったが死亡率は低かった(15%対39%;オッズ比[OR]、0.28; 95%信頼区間[CI] 、. 10-.80)。同時にIVIG治療を受けたグループにおいても、クリンダマイシン治療を受けた患者は、致死率が低かった(7%)。死亡率の調整オッズ比の点推定値は、クリンダマイシン治療を受けた患者(0.31; 95%CI、.09-1.12)およびクリンダマイシンとIVIG治療を受けた患者(0.12; 95%CI、.01-1.29)ではクリンダマイシン治療を受けていない患者と比較して低かった。3つのiGAS感染の確認症例は家庭の接触で発生した。接触者がiGAS感染を発症する率は、ビクトリア州の全体の発生率の2011(95%CI、413-5929)倍だった。
結語
クリンダマイシン治療が重度のiGAS感染症の患者の死亡率を大幅に低下させ、IVIGとの同時治療によって更に効果が高まる可能性がある。発端者から1か月以内は家庭の接触者間でiGAS疾患が伝播するリスクが劇的に高いと思われ、抗生物質投与による予防が役立つかもしれない。

2020年11月13日抄読会

Dabigatran for Prevention of Stroke after Embolic Stroke of Undetermined Source(ESUS)
N Engl J Med. 2019 May 16;380(20):1906-1917.
脳梗塞の20-30%が原因不明である(*)。ガイドラインでは潜在性脳梗塞の二次予防には抗血小板薬が推奨されている。抗凝固御薬はAFなど心源性因子のある患者の脳梗塞発症率を低下させる。
RE-SPECT ESUSは国際的な二重盲検並行群間無作為化試験である。
対象
 60歳以上、・過去3ヶ月にESUSがある。・血管危険因子があれば過去6ヶ月以内にESUSがある。
 18歳から59歳で血管危険因子がある。・過去3ヶ月以内にESUSがある。
 ESUSの定義・ラクナ梗塞ではない。・50%以上の狭窄を示す動脈硬化はない。・6分以上続くAFがない。・特定の塞せん源がない。
介入
 ■ダビガトラン群 150mgx2/日 or 75歳以上&腎障害 110mgx2/日
 ■アスピリン群 100mg/日
主要評価項目 脳卒中再発 イベント発生までの時間
 安全性に関して ・大出血・臨床的に関連する非大出血(→入院、外科的介入、試験薬の変更、中断中止に至る出血)
結果
 登録 5390人が割り当てられた。36.9%が女性だった。中央値44日、NIHSS 1
 効果 ハザード比はダビガトランの薬効を示しているが有意差が出ない。
 安全性 臨床的に関係のある小出血あるいは大出血にて薬害が示され、有意差があった。
 卵円孔開存の患者では再発性脳卒中が一定数起きたが、2群間に差はなかった。
考察
 本試験ではESUSのリスクに対するダビガトランとアスピリンの効果に有意差は見られなかった。
 再発性脳卒中の発生率はダビガトラン群→4.1%、に対してアスピリン群→4.8%だった。大出血は2群間で類似していた。一方臨床的に関連のある小出血はダビガトラン群で多かった。仮設はESUSは塞栓症なら抗凝固薬のほうが効果的か?長期モニタリングなどするとAF検出率は1年10-15%である。左房内血栓をきたしやすいESUS患者に限定した抗凝固療法の優位性に対する試験が進行中。

* 脳梗塞の病型分類 TOAST分類
1 小血管病変(ラクナ)、2 大血管アテローム硬化、3 心源性脳塞栓、4 その他の原因、5 分類不能(潜因性脳梗塞:Cryptogenic stroke)

2020年11月10日

症例検討会 2例
1 成人症例 息苦しさを訴えて受診。既往歴 甲状腺機能低下症。受診2日前に主訴出現。家で倒れているところをケアマネが発見し家族に通報。受診時心陰影の拡大を認め、心臓超音波検査で心タンポナーデを認めた。心嚢より血清体液を認めた。体液は97%がリンパ球。

2 成人症例 FL治療奏功後の通院中 主訴 右腰背部から臀部にかけて疼痛が現れて受診。大腰筋に近接する新規腫瘍を認めた。FLの再発と思われたが化学療法耐性だった。大腰筋病変を針生検してDLBCLと診断された。

2020年11月6日抄読会

Influenza in immunosuppressed populations: a review of infection frequency, morbidity, mortality, and vaccine responses
Lancet Infect Dis. 2009 Aug;9(8):493-504. doi: 10.1016/S1473-3099(09)70175-6.
USAではインフルエンザで225000人以上が毎年入院しおよそ36000人が死亡する。免疫力が低下した患者にワクチン接種が勧められるけれど、免疫障害によりワクチンの効果は十分ではない。免疫力が低下した患者にワクチン政策を広く知ってもらうために、HIV患者、臓器移植患者、骨髄移植患者、化学療法患者、人工透析患者そしてステロイドを投与されている患者のインフルエンザウイルスへの感染に関する論文とワクチン接種に関する論文を再評価した。
<HIV/AIDS> インフルエンザ感染症はHIVの患者においても主要な呼吸器疾患である。抗体とT細胞がウイルスを防御するために重要な働きをするためHIV感染者はインフルエンザ感染が重症化しやすく、治癒までに時間がかかりがちである。HIVに対する大量抗ウイルス剤投与(HAART)により入院率は53%減少した。しかしアフリカでは抗HIV薬を使用している感染者は10%未満である。ワクチン接種で免疫反応を賦活することによりCD4陽性T細胞でHIV役はの増幅が盛んになる。CD4陽性T細胞数に変化は見られないのにHIVの血清中のRNAが数週間一時的に増加する。HIV感染者へのインフルエンザワクチンの接種は安全な医療だが、HIVウイルスが増加することによりT細胞の機能が衰え、その結果ワクチンの効果は減ってしまう。CD4陽性細胞の少ない感染者あるいはAIDS患者はワクチン接種後の抗体産生能力が衰えていると2-3の研究データは示した。HIV感染者のインフルエンザワクチンの効果はCD4細胞数よりもHIVのRNA量に(負の)相関が強いと報じていた。

2020年10月30日抄読会

HPV ワクチン接種と浸潤性子宮頸癌のリスク
N Engl J Med 2020; 383 : 1340 – 8

子宮頸部高度異形成の予防における 4 価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの効能と効果は,これまでに示されてきた.しかし,4 価 HPV ワクチン接種と接種後の浸潤性子宮頸癌のリスクとの関連を示すデータはない.スウェーデンの人口統計と保健に関する全国規模の登録を用いて,2006~17 年に経時的に登録された 10~30 歳の女児・女性集団のうち,1,672,983 人を対象に追跡した.追跡調査時の年齢,暦年,居住県,親の特性(学歴,世帯所得,母親の出生国,母親の病歴など)で調整し,HPV ワクチン接種と浸潤性子宮頸癌のリスクとの関連を評価した.研究期間中,女児・女性の子宮頸癌を 31 歳の誕生日まで評価した.子宮頸癌は,4 価 HPV ワクチンの接種を受けた 19 人,ワクチン接種を受けなかった 538 人で診断された.子宮頸癌の累積発生率は,ワクチン接種を受けた女性では 100,000 人あたり 47 件,受けなかった女性では 100,000 人あたり 94 件であった.追跡調査時の年齢で補正すると,ワクチン接種集団の非接種集団に対する発生率比は 0.51(95%信頼区間 [CI] 0.32~0.82)であった.他の共変量でさらに補正すると,発生率比は 0.37(95% CI 0.21~0.57)であった.すべての共変量で補正すると,発生率比は,ワクチン接種を 17 歳になる前に受けた女性で 0.12(95% CI 0.00~0.34),17~30 歳で受けた女性で 0.47(95% CI 0.27~0.75)であった.スウェーデンの 10~30 歳の女児・女性において,4 価 HPV ワクチン接種は,人口レベルでの浸潤性子宮頸癌のリスクが大幅に低いことと関連した.(スウェーデン戦略研究財団ほかから研究助成を受けた.)
https://www.nejm.jp/abstract/vol383.p1340

2020年10月27日

症例検討会 2例
1 成人 T2DM 高脂血症を近医で治療中
人間ドックで平低Tを認め当院受診した。
心エコーでLVHを認めた。
負荷心電図でST低下を認めた。
心臓カテーテル検査で右および左冠動脈に狭窄を認めた。
DM治療にグリメピリドが使用されており、冠動脈硬化を速めたと考えられた。
DM治療の変更を促し高血圧治療開始してバイパス手術

2 成人 高血圧、糖尿病、S状結腸癌、早期胃がん
食欲不振で来院、意識が少しぼんやりしている印象。
肝障害、血清ビリルビン高値。血清クレアチニン高値、血小板数90000/uL、アンモニア軽度上昇。
CT 肝腫大 頭部CT異常なし
ステロイドパルス、CHBF等を実施したが改善なく死亡。
オートプシーの結果 神経内分泌がん 肝転移

2020年10月23日抄読会

Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease
N Engl J Med. 2020 Oct 8;383(15):1436-1446.
CKD患者は世界全体で約7億人と推測される。CKDの進行はQOLを低下させるためそれを予防することは重要であり、また簡単な検査で腎機能の低下をモニターすることは可能である。しかし最近まではCKD患者の腎機能を維持するために有効な薬剤はACEとARBsしか知られていなかった。
SGL2インヒビターは糖と結合したヘモグロビンを減らす効果があり、さらに腎機能を保つ良い効果もあることがT2DM患者によるリサーチで示された。この薬剤は血糖が降下させる効能とは別の腎機能を保護する作用があることは知られていないが、もしかしたらそのナトリウムイオンの排泄と浸透圧利尿効果により糸球体の浸透圧差を下げ、腎機能を保護するかもしれない。もしそのような効果があるならばT2DMではないCKD患者でもSGL2インヒビターが腎機能の増悪を防ぐかもしれない。T2DMのグループあるいはT2DMではないグループそれぞれのCKD患者においてダパグリフロジンの長期投与による安全性と腎保護効果を解析する試験を計画した。
体表面積1.73m2あたり25〜75 ml/分のGFRと尿中アルブミン対クレアチニン比200-5000の参加者4304人をダパグリフロジン(1日1回10mg)またはプラセボランダムに割り当てた。50%以上のGFRの持続的な低下、末期腎不全、または腎または心血管の原因による死亡を主要転帰とした。
ダパグリフロジンの有意な有効性により独立データ監視委員会は試験の中止を勧告した。そのとき介入から2.4年経過(中央値)しており、主要転帰がダパグリフロジン群2152人中197人(9.2%)、プラセボ群2152人中312人(14.5%)で発生していた(HR 0.61; 95%CI 0.51〜0.72; P <0.001)。50%以上のGFRの持続的な低下、末期腎不全、または腎または心血管の原因による死亡は HR 0.56; 95%CI 0.45〜0.68; P <0.001。心血管あるいは心不全による入院中の死亡は HR 0.71; 95%CI 0.55〜0.92; P =0.009。ダパグリフロジン群の4.7%、プラセボ群の6.8%が死亡した。T2DMのある参加者とT2DMのない参加者で類似したダパグリフロジンの効果を認めた。

2020年10月20日

症例検討会 2例
1 成人症例 言動がおかしいと夫が気づき受診。受診6ヶ月前に胸痛で救急搬送されてAMIと診断されてPCIが行われ、その後再閉塞予防のためDAPT(double anti-platelet therapy)実施されていた。既存症にT2DMあり。
受診の1ヶ月前に転倒し頭部を打撲したことがあった。 DAPTにて脳出血が疑われ、CT撮影し慢性硬膜下血腫と診断された。 虚血患者にSU剤が投与されていたが、虚血性心疾患患者にはSU剤を避けるべきであるとすでに確立されている。

2 成人症例 貧血で受診。MCV高値、LDH高値  VitB12欠乏性巨赤芽球性貧血。

2020年10月16日

ACP勉強会

ACPの判例を読む

東海大学安楽死事件

川崎協同病院事件

2020年10月16日抄読会

Should we treat fever in critically ill patients? A summary of the current evidence from three randomized controlled trials
Einstein (Sao Paulo). Oct-Dec 2014;12(4):518-23.

 

Phase I/II study of COVID-19 RNA vaccine BNT162b1 in adults
Nature. 2020 Oct;586(7830):589-593.
BNT162b1 :SARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質の三量体化受容体結合ドメイン(RBD)をコードするヌクレオシドと脂質とがナノ粒子を形成した修飾mRNA型ワクチンである。
参加者45人(76人から選出した19−54歳の健康な被験者)を12人×3(10ug、30ug、100ug)の投与群と9人のプラセボ群に割り当てた。
局所および全身の副反応は用量依存的に発生したが、重症度は軽度から中等度であり、一過性だった。用量100μgの接種は1回目のワクチン接種後の反応性も免疫原性も、30ugの1回目の接種に増加傾向なかったため2回目の接種を行わなかった。
血清中のRBD結合IgG濃度およびSARS-CoV-2中和力価は、1回目の接種用量を増すことで、および2回目の接種を行うことで増加した。コロナPCR陽性後の少なくとも14日間は血清の幾何平均中和力価は1.9〜4.6(U/mL)に達した。この結果より、このワクチン候補の評価を裏付けていると思われた。

Immunogenicity of BNT162b1.

Immunogenicity of BNT162b1.

 

Safety and Immunogenicity of Two RNA-Based Covid-19 Vaccine Candidates
N Engl J Med. 2020 Oct 14;NEJMoa2027906.
対新型コロナmRNAワクチンの候補BNT162b1 とBNT162b2の比較
BNT162b1 SARS-CoV-2受容体結合ドメインにT4フィブリチンフォールドンドメインのコードを追加したmRNA 三量体化された糖タンパク質を発現し免疫原性を高めることが予想される。
BNT162b2 SARS-CoV-2スパイク全体の配列に2箇所プロリン変異を加えることにより結合する前の形態を維持して中和抗体が反応すべきウイルスにとても類似した物質を発現すると予想される。

Immunogenicity of BNT162b1 and BNT162b2.

Immunogenicity of BNT162b1 and BNT162b2.

 

2020年10月13日

症例検討会 2例 多枝病変 と 多枝スパスム による下壁病変

1 脳梗塞、腰椎圧迫骨折 心房細動にてアミオダロン、ワーファリン内服中だった。夜間トイレで失神で倒れた。血圧低下した状態で搬送されてきた。 CPK 903, ABUM 25,Cre 1.06, Hb 6.5
心電図 II III aVf ST上昇 I ST低下 冠動脈造影 LAD 90%狭窄、ニトログリセリン注入 改善見られず。 IABP挿入し血圧が上昇すると狭窄消失。 ニトログリセリンの効果の遅延。
胸壁の血腫増悪。VitK投与と輸血。  その後カリウム上昇。 ロケルマ投与。

2 既往歴 心源性脳塞栓の患者 入浴後心窩部痛で救急搬送。救急室にてVT から心呼吸停止。胸骨圧迫と人工呼吸をして心臓カテーテル実施。
心電図 II III aVf ST上昇 I ST低下 冠動脈造影 LAD造影で右冠動脈に側副血行あり。右冠動脈にステントを置いて治療終了。

2020年10月9日抄読会

Oral ixazomib maintenance following autologous stem cell transplantation (TOURMALINE-MM3): a double-blind, randomised, placebo-controlled phase 3 trial
Lancet. 2019 Jan 19;393(10168):253-264.

2020年10月6日

症例検討会 3例
1(症例2との対照として提示)
成人 息子が受験で心配。胸痛出現。にて救急搬送 心エコー心尖部動き悪い。CPK800くらい
たこつぼ心筋症


成人 胸痛 トロポニンI 3099 CPK 正常 心電図 ST上昇 心筋シンチ 心尖部 心室中隔にシグナル欠損あり
こちらは心筋梗塞


成人 本態性血小板血症 16年
腹水および脾腫出現 腹水 漏出性
門脈MRIで血栓示されず。胸水なし。
肝臓への細胞浸潤による門脈圧亢進と考えられる。

2020年10月2日抄読会

Effects of Intensive Blood Pressure Treatment on Orthostatic Hypotension : A Systematic Review and Individual Participant-based Meta-analysis
Ann Intern Med. 2020 Sep 10. doi: 10.7326/M20-4298

2020年9月29日

症例検討会 2例

成人男性 糖尿病 高血圧 脳梗塞後遺症
皮疹があらわれて皮膚科を受診し、足背動脈の拍動が弱いと指摘された。血清Cre 1.65
心電図CRBBB 左軸偏位 ASO疑いABI実施。両下肢で血圧低下。MRIで下肢動脈 閉塞なし 腹部MRIで腸骨動脈の描出が淡く、造影CTで下大静脈の閉塞を認めた。 →レリッヒ症候群 下肢萎縮と陰萎


成人男性 マントル細胞リンパ腫でEPOCH~BR療法後f/u中 構語障害(GCS 4-4-6)で精査
MRI CTでmass認めず。髄液浸潤あり。

2020年9月25日抄読会

Phase 1-2 Trial of a SARS-CoV-2 Recombinant Spike Protein Nanoparticle Vaccine
N Engl J Med. 2020 Sep 2. doi: 10.1056/NEJMoa2026920

2020年9月18日抄読会

Effect of mammographic screening from age 40 years on breast cancer mortality (UK Age trial): final results of a randomised, controlled trial
Lancet Oncol. 2020 Sep;21(9):1165-1172

2020年9月15日

症例検討会 3例
1 PCK(polycystic kidney)の大量サムスカ療法
2 PCK
3 心窩部痛、黒色便で紹介された成人症例 ALL

2020年9月11日抄読会

Clonal Hematopoiesis and Risk of Atherosclerotic Cardiovascular Disease
N Engl J Med. 2017 Jul 13;377(2):111-121

2020年9月8日

症例検討会 2例
1 成人症例 ドックで撮影したCT異常陰影を指摘された。
2 成人症例 心房細動の精査のため紹介された。

2020年9月4日抄読会

Safety, Tolerability, and Efficacy of Viltolarsen in Boys With Duchenne Muscular Dystrophy Amenable to Exon 53 Skipping: A Phase 2 Randomized Clinical Trial
JAMA Neurol. 2020 May 26;77(8):1-10. doi: 10.1001/jamaneurol.2020.1264.
Duchenne Muscular Dystrophy = DMD の遺伝子治療(アンチセンスオリゴヌクレオチドによるエクソンスキップ法) 第2相試験
対象患者 DMDの患者(4〜9歳のDMD患者)17人の参加者
介入 エクソン53スキップ=新規アンチセンスオリゴヌクレオチドであるviltolarsenを40 mg / kg(低用量)または80 mg / kg(高用量)を週1回の静脈内注入。20週間のオープンラベル治療。

エクソンスキップ(参照URL: https://www.terumozaidan.or.jp/labo/interview/24/04.html 

 

一次アウトカム 安全性、忍容性、ウエスタンブロットで測定した新規ジストロフィンタンパク質産生
二次アウトカム ジストロフィンmRNAとタンパク質産生、臨床的な筋力と機能の評価

16人のDMDの少年は平均年齢は7.4(SD=1.8)歳でした。20〜24週間の治療後、両方の用量コホートで有意な誘発性ジストロフィン産生が見られた、忍容性は良好で、治験薬の減量、中断、または中止が必要な有害事象はなく深刻な有害事象も死亡もなかった。

16人の参加者全員が、仰臥位から立ち上がるまでの時間(viltolarsen:-0.19 s; control:0.66 s)を含むテストで有意な改善を示した。

キャプチャ

2

2020年9月1日

症例検討会 2例
1 成人症例 50歳台男性 同期で受診 Af頻拍。ワソラン、サンリズムで頻拍発作改善した。新機能良好。その後もHR90台。 TSH受容体抗体陽性。
甲状腺機能亢進症
2 成人症例 後頸部の痛み LN腫脹 アトピー性皮膚炎 両側LN腫脹 CRP 14 ALT AST 上昇
 EBV-VCAIgM上昇  EBV感染症

2020年8月26日

症例検討会 3例
1 成人症例 1ヶ月ほど前から咳。近医でLVFX内服などされたが改善なく発熱あり。受診。CTで両肺上葉に境界不明瞭な肺間質の炎症初見を認めた。末梢血で好酸球が60%
慢性好酸球性肺炎と診断された。
2 成人症例 ゴルフ中の胸痛 V2-3-4でST低下、LADの90%狭窄
3 成人症例 V2-3-4のT陰転 LMT狭窄を認め、内きょう動脈から側副血行路が発達していた。

2020年8月21日抄読会

Elemental diets may reduce the risk of aspiration pneumonia in bedridden gastrostomy-fed patients
Am J Gastroenterol. 2013 May;108(5):804-10.

2020年8月19日

症例検討会 1例
成人症例。頻拍で受診。心電図PSVT。βーブロッカー処方された。
2週後息切れと頻拍で再受診。
ECG テント状T波。 P波消失、徐脈。から心不全。
高カリウム血症改善後Pは出現。

2020年8月14日抄読会

An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2 – Preliminary Report
N Engl J Med. 2020 Jul 14;NEJMoa2022483.

COVID-19向けに臨床試験が行われているワクチン
ウイルスベクターワクチン 英国 P3、中国 P2
不活化ワクチン 中国 P3
mRNAワクチン 米国 P1-P3、ドイツ P2-3
DNAワクチン 米国 P1-2 日本 P1-2
組み換えタンパク 米国 P1-2

mRNA-1273は宿主ACE2に結合するCOVID-19のS(spike)タンパク質のS-2P抗原をコードする。4脂質からなるナノ粒子はmRNA-1273と脂肪が一定の割合で配合された。注射液1mLあたりmRNA-1273を0.5mgを含有する。そのワクチンの第1相試験。

有害事象として疲労、悪寒、頭痛、筋肉痛、注射部位の痛みを認めた。
全身有害事象は2回目のワクチン接種後、最高用量で認められた。250μg用量群の3人の参加者(21%)が1つ以上の重篤な有害事象を認めた。全検者にαS-2P抗体タイターの上昇を認め2度の接種後中和反応も検出された。

2020年8月11日

症例検討会 1例
成人症例 高血圧 高尿酸血症でf/uしていた。6月全身倦怠感と息切れが出現。胸部レントゲン検査で胸水を認めた。
血清Alp2366、がんの骨転移、肺転移を疑い腫瘍検索。PSA高値。原発病変の小さな前立腺がんの全身播種と診断された。
ゴナックス、ビカルタミドを投与されて8月7日胸水消失。

2020年8月7日抄読会

Estimating lifetime benefits of comprehensive disease-modifying pharmacological therapies in patients with heart failure with reduced ejection fraction: a comparative analysis of three randomised controlled trials
Lancet. 2020 Jul 11;396(10244):121-128.

方法 3つのRCT試験(EMPHASIS-HF (n=2737), PARADIGM-HF (n=8399), and DAPA-HF (n=4744))を間接的に比較

対象 EFの低い心不全

介入 包括的薬理学的治療(comprehensive disease-modifying pharmacological therapy) (ARNI, β blocker, MRA, and ・SGLT2 inhibitor)は
・mineralocorticoid receptor antagonists [MRAs] or angiotensin receptor-neprilysin inhibitors [ARNIs]
・sodium/glucose cotransporter 2 [SGLT2] inhibitors
の3剤をすでに確立された心不全(conventional therapy)、
・angiotensin-converting enzyme (ACE) inhibitors or angiotensin receptor blockers (ARBs)
・β blockersの組み合わせに加える(あるいは交換する)治療。

対照 ACE inhibitors or ARBs + β blockers。

主要エンドポイントは心血管死、心不全で最初に入院の複合である。これらのエンドポイントを個別に評価し、全死因死亡率について評価した。

包括的薬理学的治療はconventional therapyに対して
主要エンドポイントのハザード比(HR)0.38 [95%CI 0・30-0・47]
心血管死のみ HR 0・50 [0・37-0・67]
心不全のみの入院 HR 0・32 [0・24-0・43]
全死因による死 HR 0・53 [95%CI 0・40-0・70]だった。

包括的薬理学的治療は(80歳の場合)2.7年、(55歳の場合)8.3年、conventional therapy患者の心血管死や、心不全の最初の入院を先延ばしすると予想された。
包括的薬理学的治療は(80歳の場合)1.4年、(55歳の場合)6.3年conventional therapy患者の生存期間を延ばすと予想された。

2020年8月4日

症例検討会 3例
1 成人症例 入浴後の胸痛

2 成人症例 咽頭痛

3 成人症例 血小板減少

2020年7月29日

1 成人症例 急性心筋梗塞、PCI後当院でも心不全の治療(ACE阻害剤等内服)でf/uされていた。
徐脈で紹介、救急外来に受診した。
3

接合部調律とテント状T

 

 

4

高カリウム血症。緊急透析後P波出現

 

2 成人症例 COPDウルティブロ内服治療中、膀胱がん自然経過、高カリウム血症でアーガメイトゼリー処方されていた。
喘鳴を訴えて受診。
CTで両側水腎症 膀胱がんの浸潤による尿管閉塞と腎後性腎不全

3 成人症例 整形術後の患者 術後2日目に意識障害で内科コール
黄疸と口臭より肝性脳症と診断した。
3日目に貧血が進行。血液所見は
GOT 24 U/L、GPT 18 U/L、LDH 258 U/L、ALP 434 U/L、γGTP 114 U/L、T-Bil 1.34 mg/dL、D-Bil 0.58 mg/dL、尿素窒素 62.7 mg/dL、クレアチニン 1.25 mg/dL、ナトリウム 135.0 mEq/L、カリウム 5.23 mEq/L、クロール 108.1 mEq/L、カルシウム 7.4 mg/dL、血清鉄 45 ug/dL、血糖 221 mg/dL、eGFR 48.63 、個別eGFR 53.97 、推算CCR 75.50 、HBs抗原 (-) 、HCV抗体 (-) 、HBs抗原(EIA) 、HBs抗原(HQ) 0.001 IU/mL、HCV抗体(EIA) 0.20 S/C、フェリチン 276.0 ng/mL、
白血球 6.98 10*3/uL、赤血球 2.47 10^6/uL、ヘモグロビン 8.4 g/dL、ヘマトクリット 24.7 %、MCV 100.0 fl、MCH 34.0 Pg、MCHC 34.0 g/dL、血小板 215 10^3/uL、血液像% 、NEUT% 65.8 %、LYMPH% 17.6 %、MONO% 14.2 %、EO% 2.1 %、BASO% 0.3 %、IG% 0.7 %
Hbは1週間前から3ほど低下、白血球数と血小板は変わらず。高カリウム血症、BUNの上昇。
大酒家でアルコール性乾燥買いを指摘されていたらしい。排便は術後認めていない。

上部消化管出血の疑い診断のうえ上部消化管内視鏡検査を実施して食道静脈瘤からの出血を認めた。

5

#非代償性アルコール性肝硬変
#食道静脈瘤
#食道静脈瘤破裂
#肝性脳症 血液の消化、異化による
#高カリウム血症 血液の消化、異化による

2020年7月31日 抄読会

Dexamethasone in Hospitalized Patients with Covid-19 — Preliminary Report
July 17, 2020 DOI: 10.1056/NEJMoa2021436

2020年7月21日

症例検討会 2例
1 成人症例 高血圧 甲状腺がん既往あり
下を向いたときに顔と全身が痛くなって紹介医を受診して来院。
心電図 陰性Ton V3-6

721-1-300
エコー 前縦隔に液体と血栓

721-2-300
→ 大動脈解離

2 成人症例 高血圧と糖尿病
下肢の冷感で紹介医を受診。左膝窩よりも遠位で動脈性の拍動を認めず紹介。
心電図 心房細動 造影CT 左大腿動脈閉塞

721-3-300

 

3 20200630の症例2
吐血2日後血痰あり、仮性瘤破裂を認め緊急手術となった。大動脈弓部置換術、食堂抜去、食道瘻造設、腸瘻造設、大胸筋皮弁、広背筋皮弁採取が行われた。

2020年7月17日抄読会

Intravascular Complications of Central Venous Catheterization by Insertion Site
N Engl J Med. 2015 Sep 24;373(13):1220-9.

中心静脈カテーテルの挿入部位による合併症の解析。
対象と介入:多施設RCT試験、成人、集中治療室(ICU)の患者 非トンネル中心静脈カテーテル法を鎖骨下静脈、頸静脈、大腿静脈の3群にランダムに割り当てた。
結果:3027人の患者に計3471本のカテーテルが挿入された。鎖骨下、頸静脈、大腿静脈の群でそれぞれ8、20、および22の主要な有害事象があった(1000カテーテル日あたり1.5、3.6、および4.6; P = 0.02)。ペアワイズ比較では、プライマリアウトカムのリスクは、大腿静脈群では鎖骨下群よりも有意に高かった(ハザード比、3.5; 95%信頼区間[CI]、1.5〜7.8; P = 0.003)。
胸腔ドレーン挿入を要とする気胸は、鎖骨下静脈挿入の13(1.5%)および頸静脈挿入の4(0.5%)に発生した。
結論:この試験では、鎖骨下静脈カテーテル法は、頸静脈または大腿静脈カテーテル法よりも、血流感染および血栓症のリスクが低く、気胸のリスクが高い。

2020年7月14日

症例検討会 2例

1 成人症例 高血圧フォロー中の患者。息苦しさを主訴に近医から紹介。関節リウマチでPSL、オルミエント、MTXで治療中だった。ECG変化なし、D-dimer 8.8(上昇)、UCG TR gradient 52、推定右室圧 60、PaO2 53,PaCO” 30
造影CTでみぎ肺動脈上葉枝が閉塞 肺血流シンチも一致して欠損
2 成人症例 全身浮腫で受診 タバコ40本
ECG 右軸変異、移行帯は時計方向回転、心エコー右室拡張。肺気腫あり。D-dimer1.7 PaO2 54
肺血流シンチ欠損なし、造影CT 血栓なし 肺気腫様
肺気腫による肺高血圧症なのか?

2020年7月10日抄読会

Multisystem Inflammatory Syndrome in U.S. Children and Adolescents
N Engl J Med. 2020 Jun 29;NEJMoa2021680. doi: 10.1056/NEJMoa2021680
対象 2020年3-5月に入院した患者で 入院を要する重篤さ、21歳未満、発熱、炎症データ、標的臓器2つ以上、SARS-CoV-2の6つに適合した患者をMIS-Cと定めた。
結果 186名MIS-Cと診断。22名は3/16から4/15、164名は4/16から5/20でMIS-CのピークはCOVID-19がピークアウトしてからだった。COVID-19がMIS-Cに移行する平均期間は25日、年齢は8.3歳
Discussion 大多数(70%)がSAS-CoV2検査陽性、心血管系の合併症は多く、半数が血管作動薬を使用され12分の1の患者が冠動脈瘤を発症した。帆tン度ICU管理が必要になり、20%が呼吸器管理下に治療された。症例の3分の1が川崎病様だったが60%は診断基準を満たさず。川崎病患者は5歳未満が多かった。MIS-Cを呈する例は心臓超音波検査が重要。
<参考資料提示>The Official Website of the City of New Yorkよりそのまま転載
小児多臓器系炎症性症候群(MIS-C)は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関連した新たな健康状態で、ニューヨーク市(NYC)やその他地域の子どもたちに現れています。同症候群は以前は小児多系統炎症症候群または PMIS と呼ばれていました。
MIS-C は川崎病や毒素性ショック症候群のような重症な炎症性疾患に似ています。MIS-C に罹患した小児は心臓その他臓器の疾患を抱え、病院で医療を受ける必要があります。
MIS-C はまれな疾患ですが、この症候群に羅漢した小児は重症になる可能性があるため、保護者は即座に助けを得ることができるようにその兆候や症状を認識することが重要です。
ほとんどの子どもは発熱(華氏 100.4 度または摂氏 38.0 度以上)とその他症状が数日間続きます。
その他一般的に報告されている症状には次があります。
• 易怒性または活動の低下
• 説明できないような腹痛
• 下痢
• 嘔吐
• 発疹
• 結膜炎(赤目またはピンク目)
• 食欲不振
• 赤くひび割れた唇またはイチゴのように凹凸のある舌
• 手足の腫れ(赤く腫れる場合もある)

2020年7月7日

症例検討会 4例
1 80代 両下肢のむくみで紹介。最近家族が脳梗塞で入院。
 心電図徐々に陰性T 特に前胸部誘導
 CPK 249 BNP 710 心エコー心尖部の動きが悪い 診断たこつぼ心筋症
2 40代 動悸で受診 既往歴高血圧 家族歴 突然死あり
 AR様心雑音あり、心エコーで大動脈弁の逆流と大動脈弁輪口径の著しい拡張あり。マルファン症候群
3 成人症例 発熱と頚部と頭部の疼痛あり。
 NSAIDSで自然に軽快。環軸じん帯の偽痛風。
4 80代症例 左下肢蜂窩織炎で入院。
 GOT上昇、GPT上昇、γGTP上昇、CRP30台
 培養陰性、MEPMやVCM無効。
 PSL内服で著しく改善。胸部CTで間質影が出現し消失。呼吸器内科ではリンパ増殖性疾患の可能性を指摘されており精査中。

2020年7月3日抄読会

A Randomized, Controlled Trial of Liraglutide for Adolescents With Obesity
N Engl J Med.2020 May 28;382(22):2117-2128. doi: 10.1056/NEJMoa1916038.
P:肥満対策の生活指導を行っても改めない12歳から18歳未満の肥満青年
EC:56週間の治療と26週間の追跡期間からなるRCT リラグルチド(3.0 mg)またはプラセボを1日1回皮下投与。
O:5%以上BMIが減少したのは、リラグルチド群の113人中51人、プラセボ群の105人中20人だった。中止後、リラグルチドの方がプラセボよりもBMI標準偏差スコアの大幅な増加が見られた。

A Randomized, Controlled Trial of 3.0 Mg of Liraglutide in Weight Management
N Engl J Med.2015 Jul 2;373(1):11-22.
Liraglutideの肥満に対する効果を検証したRCS
P:糖尿病(T2DM)が除外された、BMI30以上の患者3731人
EC:56週間 二重盲検 リラグルチドを 3.0 mg 1日1回皮下注射あるいはプラセボの投与。
O:56週後、リラグルチド群は平均8.4±7.3 kgの体重が減量、プラセボ群は平均2.8±6.5 kg 両群の差は95%信頼区間で5.6 kgと算定された。

2020年6月30日

症例検討会 2例
1 成人 高血圧 高脂血症糖尿病のある男性 左室肥大が進行するため紹介
 心電図心房細動、左脚前枝ブロック、前胸部誘導でQS
 エコー 左心室壁肥厚
 骨シンチ(ピロリン酸)心筋に取り込みあり
 十二指腸生検でアミロイド沈着   心アミロイドーシス疑い。

2 成人 吐血で入院。
 胃がん胃切除術後。1年前に胸部大動脈瘤手術あり。1か月前にも発熱にて入院。精査の結果、明らかな診断がつかず、ただセフェム系抗生剤に反応する感染であること、CTで明らかな感染巣は、人工血管周囲を除き認められなかった。入院後撮影したCTで縦隔炎と診断。大学病院に移送した。

2020年6月26日抄読会

Treatment of Hemophagocytic Lymphohistiocytosis With Cyclophosphamide, Vincristine, and Prednisone
Swiss Med Wkly.2012 Feb 3;142:w13512. doi: 10.4414/smw.2012.13512.
血球貪食性リンパ組織球症(HLH)と診断された15例が登録され、COPレジメンで治療された。15人のうち2人は自己免疫疾患関連HLH(13.3%)、2/15はリンパ腫関連HLH(13.3%)、7/15は感染関連HLH(IAHLH)(46.7%)、残りの4 / 15人は明らかな基礎疾患がなかった(26.7%)。
完全奏効(CR) 7/15例(46.7%)、部分奏効(PR) 5/15例(33.3%)。
72.5週間の平均追跡調査で、1年全生存率は66.7%と算出された。
病因間で、COPに対する反応・感度は異なった。費用効果の高い化学療法としてのCOは、IAHLH、自己免疫疾患関連HLH、および集中治療を要さないHLHに有効であろう。

2020年6月24日

症例検討会 3例
1 成人男子 直腸GIST治療中。左肺結節影を指摘されて受診。FDG-PET検査で大動脈周囲リンパ節及び腸間膜リンパ節腫大。MLを除外するため開腹生検を実施した。病理診断はadenocarcinoma。原発不明の状態。
2 アミオダロン内服中の成人症例 甲状腺機能、肺機能、肝機能それぞれのf/uに関すること
3 甲状腺機能低下症、MDSにてf/u中の患者 徐脈が顕著になり受診。 3枝ブロック

2020年6月19日抄読会

Continuous Versus Intermittent Infusion of Vancomycin and the Risk of Acute Kidney Injury in Critically Ill Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis
Crit Care Med. 2020 Jun;48(6):912-918

2020年6月16日

症例検討会 2例
1 成人症例 婦人科よりピル処方されていた。右肩胃の疼痛で受診。同部位に浮腫と発赤を認めた。下肢静脈エコーで静脈内にもやもやエコー認めた。Dダイマー経度上昇(2.1)。リクシアナ内服開始してDダイマー値改善したが静脈エコー所見改善せず。APS除外の検査を。
2 成人症例 右肩の痛みで救急搬送された。搬送中救急車内の心電図でST上昇を認めた。院内ではSTは気繊維戻っていた。心臓カテーテルでLADにエルゴ負荷実施。陽性。冠攣縮性狭心症。

2020年6月12日抄読会

COVID-19 Mortality in Patients With Cancer on Chemotherapy or Other Anticancer Treatments: A Prospective Cohort Study
Lancet.2020 May 28;S0140-6736(20)31173-9

Clinical Impact of COVID-19 on Patients With Cancer (CCC19): A Cohort Study
Lancet.2020 May 28;S0140-6736(20)31187-9

2020年6月9日

症例検討会 1例
成人症例 主訴 けいれん 嘔吐 体温40.4℃、部屋で倒れていた。酸素10Lマスクで投与してSpO2 95%
胸部CT 無気肺、胸水 造影CTで大血管の閉塞等認めず。心電図 正常。抗生剤投与、酸素投与したが入院後まもなく心停止。

入院時の血液培養3セットからすべてG群溶連菌検出。
保健所に届け出。

2020年6月5日抄読会

Pulmonary Vascular Endothelialitis, Thrombosis, and Angiogenesis in Covid-19
N Engl J Med.2020 May 21. doi: 10.1056/NEJMoa2015432.

2020年6月2日

症例検討会 1例
成人症例 30年間T2DM内服治療。(DPP4,SGL2阻害剤)。1か月に10kg体重減少した。DMコントロール悪化。背部痛現れた。血中Cペプチド正常範囲。CTで膵腫瘍疑い。MRIで主膵管途絶。ERCPで細胞診中。
CA19-9 180(37未満)

2020年5月27日

症例検討会 1例
成人 心窩部痛嘔吐が表れて、翌日首から背中にかけての激痛出現し救急搬送されて受診した。意識清明、麻痺なし、血圧192/108、心電図異常なし、胸部レントゲン異常なし。
造影CT実施。

診断 胸髄クモ膜下出血

2020年5月29日抄読会

Single-Dose Gene-Replacement Therapy for Spinal Muscular Atrophy
N Engl J Med. 2017 Nov 2;377(18):1713-1722

2020年5月22日抄読会

Fever With Thrombocytopenia Associated With a Novel Bunyavirus in China
N Engl J Med. 2011 Apr 21;364(16):1523-32.

2020年5月20日

症例検討会 1例
成人症例 激しい運動後5回嘔吐、腹痛で受診。体温37.6℃、BUN 25, Cre 2.5, WBC 15000。翌日CPK WNL, Cre 4.92, BUA 2.3
腎性低尿酸血症(RHUC)の疑い。 RHUC URAT1、GLUT9の変異を認める患者に起こることが知られており、運動後に発症することがある。腎性低尿酸血症診療ガイドラインより

2020年5月13日

症例検討会 1例

倦怠感を主訴に受診し下顎リンパ節腫瘤を指摘された成人症例。リンパ節生検でAITLと診断。その後貧血発症。AITLにしばしば認められる自己免疫性の溶血と考えられた。

2020年5月15日抄読会

Confirmed efficacy of etoposide and dexamethasone in HLH treatment: long-term results of the cooperative HLH-2004 study.
Blood. 2017 Dec 21;130(25):2728-2738.

2020年5月8日抄読会

Association of Use of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors and Angiotensin II Receptor Blockers With Testing Positive for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19).
JAMA Cardiol. 2020 May 5. doi: 10.1001/jamacardio.2020.1855

2020年5月1日抄読会

Avadomide monotherapy in relapsed/refractory DLBCL: safety, efficacy, and a predictive gene classifier.
Blood. 2020 Mar 26;135(13):996-1007

2020年4月24日抄読会

Effectiveness of convalescent plasma therapy in severe COVID-19 patients.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2020 Apr 6

2020年4月22日

症例検討会 3例
ふらつきで受診した成人患者 SIADH
非定型抗酸菌症治療中に発症した低ナトリウム血症 SIADH
偶然Plt増多が発見された成人 原発性骨髄線維症

2020年4月18日抄読会

Epidemiology of COVID-19 Among Children in China.
Pediatrics. 2020 Mar 16. pii: e20200702.

2020年4月15日

症例検討会 ウイルス性肺炎の3例
成人症例 全身倦怠感と味覚障害
成人症例 発熱と悪寒
成人症例 悪寒

2020年4月10日抄読会

Slowing Progression of Cardiovascular Calcification With SNF472 in Patients on Hemodialysis: Results of a Randomized Phase 2b Study.
Circulation. 2020 Mar 3;141(9):728-739.

2020年4月8日

症例検討会 2例
1 肺高血圧症
2 グロビン異常症

2020年4月3日抄読会

A Trial of Lopinavir-Ritonavir in Adults Hospitalized with Severe Covid-19.
N Engl J Med. 2020 Mar 18. doi: 10.1056

2020年4月1日

症例検討会 1例
階段から転落して救急搬送された成人女性。骨折なし。血液検査K2.18mEq/L、AST 87、ALT 88
高脂血症、甲状腺機能低下症、慢性肝炎を指摘され近医でチラーヂンS、フェノフィブラート、グリチルリチンを処方されていた。
心電図 U波
などから低カリウム血症⇒RonT⇒Torsades de Pointesとなり階段で失神したと推測された。
肝障害はフェノフィブラートを中止して改善した。薬剤性肝障害と考えた。
低カリウム血症はグリチルリチンの副作用=偽性アルドステロン症と考えられたが薬剤を中止しても低カリウム血症は改善せず、他の原因を検査中。

2020年3月27日抄読会

Association of glucose-lowering medications with cardiovascular outcomes: an umbrella review and evidence map.
Lancet Diabetes Endocrinol. 2020 Mar;8(3):192-205

2020年3月26日

番外編 天気が良い時の山の写真をアップします。
021

 
008s

007s

2020年3月20日春分の日

休日。山に登ってみた。
山の天候は荒れていたため登山者は少なく私を含めて5人ほどだった。
9:00に中仙寺を出発し11:40分に経ヶ岳8合目についた。冷たい西風に頭はしんと冴えて気持ちよく、展望はなく、お茶を一口飲んで一気に下山した。

KC3Z0002

2020/3/20 2170m

2020年3月18日

症例検討会 2例
1 徐脈頻脈症候群でベプリコールを内服していた成人患者。2月28日発熱。3月3日血痰にて受診。CT撮影
318b
COVID-19は否定された 薬剤性肺炎

2 発熱・咳で時間外外来を受診した成人患者。CT撮影
318a
COVID-19は否定された ウイルス性肺炎

2020年3月13日抄読会

Changing treatment paradigms for patients with plasma cell myeloma: impact upon immune determinants of infection.
Blood Rev. 2014 Mar;28(2):75-86.
このレビューでは、形質細胞骨髄腫(PCM)患者の経時的な免疫機能に対する患者、疾患、および治療因子の影響を議論し、これらの患者で臨床的に見られる感染症の発生率および病因と免疫不全を相関について説明し、予防措置とPCM患者の感染プロファイリングに臨床面で役立つツールの可能性について述べている。

2020年3月11日

症例検討会 2例
1 夜座ってテレビを見ていたら背部痛と下肢の脱力が現れて受診した成人。解離性大動脈瘤
2 痙攣重積で入院した成人患者の肺炎。

2020年3月6日抄読会

Clinical Characteristics of Coronavirus Disease 2019 in China
DOI: 10.1056/NEJMoa2002032

コロナウイルス病2019(Covid-19)が武漢市に出現し、中国全土に急速に広まった。罹患患者の臨床的特徴に関するデータが求められている状況である。2020年1月29日まで中国本土の552の病院から実験室で確認されたCovid-19の患者1099人に関するデータを示す。
潜伏期間の中央値は4日間。患者の年齢の中央値は47歳。患者の0.9%は15歳未満。41.9%が女性。入院患者の88.7%に発熱、67.8%に咳症状。悪心または嘔吐および下痢はまれ。全体の23.7%に少なくとも1つの共存する病気があった。入院時に行われた975のCTスキャンの86.2%が異常で、最も多かったパターンはすりガラス様透過性低下だった。入院時、患者の83.2%にリンパ球減少症、36.2%に血小板減少症、33.7%に白血球減少症が認められた。患者の58.0%は抗生物質の静脈内投与療法を受け、35.8%はオセルタミビル療法を受けた。酸素療法は41.3%で、人工呼吸器は6.1%で実施された。機械的換気は重症疾患の患者で開始され、非侵襲的換気32.4%、侵襲的換気14.5%だった。全身のグルココルチコイドは204人の患者(18.6%)に投与され、重篤な疾患を有する患者の割合は非重症疾患よりも高かった(44.5%対13.7%)。これら204人の患者のうち、33人がICUに入院し、17人が侵襲的換気を受け、5人が死亡した。体外膜酸素化は重度の疾患を有する5人の患者(0.5%)で実施された。
入院期間の中央値は12.0日(平均12.8日)。入院中91.1%の患者は肺炎と診断され、続いてARDS(3.4%)ショック(1.1%)と診断された。重度の病気をもつ患者は、そうでない患者よりも高率に肺炎と診断された(99.4%対89.5%)。

2020年2月28日抄読会

Ivabradine and outcomes in chronic heart failure (SHIFT): a randomised placebo-controlled study.
Lancet. 2010 Sep 11;376(9744):875-85
慢性心不全は多くの先進国の人口の約2-3%に影響を与える。過去20年で大幅に改善された既存の治療法でさえ予後はかなり悪い。標準的な薬物治療には、β遮断薬およびレニン-アンジオテンシンアルドステロン系(RAAS)拮抗薬が含まれる。βブロッカーは、RAAS拮抗薬単独療法よりも罹患率と死亡率を低下させた。慢性心不全を管理するときにこれらの薬剤を追加する利点は、左室リモデリングを改善することと突然死を減らすことである。これらの利点は少なくとも心拍数を低下させる特性に関係していると思われる。心拍数の減少は慢性心不全の改善では特に重要であり、心筋のエネルギー欠乏の影響を減らすことはその一つである。ただし、β遮断薬には心拍数に対する減衰効果に加えて心筋収縮性への影響など心臓に望ましくない作用もある。安静時心拍数が上昇することは心血管死の危険因子である。冠動脈疾患と左室機能不全のある患者群において安静時心拍数70bpm未満と比較して、70bpm以上の患者は心血管死のリスクが34%増加し、心不全の入院率が53%増加した。一方心拍数を低下させることは治療経過の改善と関連している。しかしβ遮断薬で治療されたほとんどの患者では心拍数が増加したままであるため新しい治療戦略が求められている。
イバブラジンは、洞房結節におけるIf電流の特異的阻害剤である。正常の心臓で行われた研究によると、治療範囲の濃度では、イバブラジンは心血管系の他のチャネルに作用しないことが示唆されている。β遮断薬と異なり、イバブラジンは心収縮障害の患者でも心筋の収縮と心室内伝導に影響を与えない。SHIFTと名付けたこのトライアルは慢性心不全および心収縮障害の患者に対してガイドラインに基づいた治療に加えてイバブラジンを使用すると心血管疾患の予後、症状および生活の質を改善しうるか解析したものである。
6505人の患者(3241イバブラジン、3264プラセボ)。
プログラムは計画どおりに完了し、2010年3月31日にフォローアップが終了した。フォローアップ期間の中央値は22.9(IQR 18-28)か月。
追跡不可能になった3人と同意を撤回した131人を除いて、すべての患者の状態を研究終了時に確認した。
割り当てられた二つのグループはバランスが取れていた。
平均年齢は60.4歳、参加者の性別、白人89%など。平均心拍数は79.9(SD 9.6)bpmで、平均左室駆出率は29.0%(SD 5.1)。
心不全は、4418(68%)の患者で虚血性疾患だった。
患者はNYHAクラスII、IIIまたはIVに均等に配分された。
RAAS拮抗薬は5923人(91%)の患者に使用され、5820人(89%)のβブロッカーが含まれていた。βブロッカーの患者3181人(56%)は、欧州心臓学会ガイドラインで定義された目標用量の少なくとも50%で治療された。患者が目標用量を受けていなかった主たる理由は、低血圧と疲労だった。慢性閉塞性肺疾患または喘息、低血圧、またはその他の理由により685人(11%)の参加者がβブロッカーの投与を受けていなかった。
イバブラジンで治療された患者の平均投与量は、28日(滴定終了時)に1日2回6.4(SD 1.6)mg、1年に1日2回6.5(SD 1.6)mgだった。28日目においてはイバブラジン投与患者の心拍数は、前治療よりも平均15.4(SD 10.7)bpm低下した。プラセボ群の変化より修正しするとイバブラジンによる純減量は10.9(95%CI 10.4~11.4)bpmだった。 1年で、心拍数の減少はプラセボに対して補正された9.1(95%CI 8.5~9.7)bpmであり、研究終了時には8.1(95%CI 7.5~8.7)bpmだった。
心血管系の死亡または心不全悪化による入院は、プラセボ群の937(29%)対イバブラジン投与患者の793(24%)(ハザード比(HR)0.82、95%CI 0.75~0.90、p <0.0001)。ハザードの非比例性の証拠はなかった(p = 0.83)。心血管死は、イバブラジン群では有意な差を認めなかったが(p = 0.128)、心不全による死亡は有意に減少した(HR 0.74、95%CI 0.58~0.94、p = 0.014)。全死因はグループ間で差はなかったが(p = 0.092)、全死因入院は大幅に減少した(HR 0.89、95%CI 0.82~0.96、p = 0.003)。心臓突然死(心血管死の48%)を含む、他の原因別の死亡に違いはなかった。
イバブラジンに関連する主要エンドポイントの減少は、ベースライン心拍数(相互作用のp値= 0.029)を除いて、事前に形成したサブグループで共通していた。ベースラインの心拍数が中央値77bpmを超えるサブグループで治療効果の有意なエビデンスを認めた。わずかではあるがNYHAクラスの有意な改善があり、最後に記録された値では、プラセボの患者の776(24%)に対してイバブラジンの患者の887(28%)が改善した(p = 0.001)。
βブロッカーを推奨日用量の少なくとも50%を受けている患者のサブグループでは、心拍数は28日までに平均15.5(SD 10.7)bpm低下した。このサブグループではイバブラジンは心不全の悪化に対する入院を19%減少させた(HR 0.81、95%CI 0.67~0.97 、p = 0.021)。
イバブラジンに割り当てられた患者では682(21%)、プラセボを投与された患者では605(19%)の離脱があった(HR 1.14、95%CI 1.02~1.27、p = 0.017)。しかし、重篤な有害事象は、プラセボ群よりもイバブラジン群で低率で発生した(p = 0.025;表4)。症候性および無症候性の徐脈は、プラセボを服用している患者よりもイバブラジン群で多かった(両方ともp <0.0001)。徐脈により、イバブラジンの患者48人(1%)とプラセボ群の患者10人(<1%)が試験から離脱した。βブロッカーの目標用量の少なくとも半分を受けているイバブラジン患者1577人のサブグループでは、この理由で21人(1%)が離脱した。イバブラジンの既知の視覚症状は、薬を服用している患者の89(3%)で発生したが、対応する発見はプラセボ治療患者7人(<1%)で報告された(p <0.0001)。

2020年2月26日

症例検討会 2例

1 成人症例 沖縄旅行後数週間後に胸痛現れて受診し肺炎と診断された。1週後再度胸痛現れた。 異型狭心症。

2 成人症例 下腹部痛で受診した。CTで大動脈周囲と頸部にLNを認めた。生検でadenocarcinomaと診断された。上部下部消化管内視鏡は正常で、原発を探索中。

2020年2月21日抄読会

Impact of last lenalidomide dose, duration, and IMiD-free interval in patients with myeloma treated with pomalidomide/dexamethasone.
Blood Adv. 2019 Dec 10;3(23):4095-4103.

異なるレナリドミド用量でPFS、OS、RRに有意差なし
過去のレナリドミド機関が長くレナリドミドフリー期間が長いほどPd療法の結果が改善。

形質細胞クローンの増殖を本態とした多発性骨髄腫(MM)は依然として不治の病であり、その特徴として一様ではない再発形式があること、そのため異なる治療法を必要とすることがある。いかなる再発も寛解期間の短縮と関連しており、いかなる治療法にも実施後に耐性が発生します。生物学的なデータの蓄積されるにつれ、治療に対する感度や耐性が異なるサブクローン存在することがわかり、クローンの変遷こそが、病気の進行と治療の変更につながる重要なパラメーターとして特定されている。たとえばレナリドマイドを組み合わせたさまざまな治療において、クローンがレナリドマイドに耐性を獲得し発展させる特徴を把握し、再発後の治療を選択することが重要になっている。
これまでにない細胞増殖シグナルの伝達路を攻撃する薬剤、あるいは有効性をさらに改善した治療法がた。ポマリドマイドは、レナリドマイドおよびサリドマイドよりも免疫調節および抗骨髄腫活性を高めると想定されている第2世代の免疫調節性イミド薬(IMiD)であり、これとデキサメタゾンを組み合わせたPd療法はレナリドマイドにもボルテゾミブにも治療効果を認めなかった患者の標準的な治療レジメンである。それまでの研究は、以前の治療やレナリドマイドまたはボルテゾミブに対する耐性があるかどうかに関係なく、Pdに効果があると指摘してきた。最近のランダム化研究では、レナリドマイドに対する耐性が異なる患者でPdに何を組み合わせれば良い効果が得られるのかについて不明のままレナリドマイド抵抗性の患者または再発の患者に対してPdバックボーンへの3番目の薬剤の追加が検討されている(例えば、レナリドマイドに対する耐性が低用量または全用量のいずれで起きたのか、二次耐性(いちど効果を示してから耐性となった)、レナリドマイドベースの治療直後、またはレナリドマイドを含まない期間後、または進行がレナリドマイド療法の短期または長期に続いたかどうか、それぞれのケースでPdに何を組み合わせれば良い効果が得られるのか検討せぬまま)。この研究はデキサメタゾンを併用したポマリドミドのダブレットで均一に治療された患者におけるこれらの因子の重要性を調査たものである。

2020年2月19日

症例検討会 1例
1 腹痛で受診した成人患者。右骨盤腔内にmass(CT)。婦人科腫瘍が疑われ、膀胱に浸潤していた部分の生検で粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)と診断された。BR療法が選択された。

2020年2月14日抄読会

Dexamethasone treatment for the acute respiratory distress syndrome: a multicentre, randomised controlled trial.
Lancet Respir Med. 2020 Feb 7. pii: S2213-2600(19)30417-5.

背景:急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対して効果が保証された特定の薬物治療法はない。コルチコステロイドもARDSにおける有効性について議論の余地がある。デキサメタゾンは肺および全身の炎症を改善し機械的換気期間および死亡率の減少をもたらす可能性があり、この論文はARDSにおけるデキサメタゾンの効果を評価することを目的とした。
方法:スペインの他施設におけるRCTで対象は中等度から重度のARDS患者(脳死、末期疾患、またはコルチコステロイドまたは免疫抑制薬の投与を受けている患者は除外)。基準に適合した患者はコンピューターでランダムにデキサメタゾンによる即時治療または継続的な集中治療(コントロールグループ)に割り当てられ治療を受けた。デキサメタゾン群の患者は、1日目から5日目まで1日1回20mgの静脈内投与を受け、6日目から10日目まで1日1回10mgに減量された。両群の患者は肺保護人工換気で換気された。試行のすべての段階で割り当てがわからないようにされた。主要なエンドポイントは、割り当てられた日から28日目までの生存および機械的換気のない日数として定義した。2次的エンドポイントは、無作為化60日後の全死因だった。すべての分析は、治療企図解析に従って行った。
結果:2013年3月28日から2018年12月31日までに277人の患者を登録し、デキサメタゾングループに139人、対照グループに138人の患者を無作為に割り当てた。計画されたサンプルサイズの88%(277/314)以上を登録した後、登録率が低かったため、この試験はデータ安全監視委員会によって中止された。人工呼吸器を使用しない日数の平均は、デキサメタゾン群のほうが対照群よりも高かった(群間差4.8日[95%CI 2.57~7.03]; p<0.0001)。60日目に、デキサメタゾン群の29人(21%)の患者と対照群の50人(36%)の患者が死亡した(群間差-15・3%[-25.9~-4.9]; p0.0047)。有害事象の割合はキサメタゾン群と対照群で有意差はなかった。最も一般的な有害事象は、ICUでの高血糖(デキサメタゾン群の105 [76%]患者 vs 対照群の97[70%]患者)、ICUの新しい感染症(肺炎または敗血症など)、33[24%] vs 35[25%])、気圧外傷(14[10%] vs 10[7%])。
結論:デキサメタゾンの早期投与により、中等度から重度のARDSが確定した患者の機械的換気の期間と全体的な死亡率を減らすことができる。

2020年2月12日

症例検討会 3例
1 成人症例、高血圧、高脂血症、冠動脈疾患治療中に起動症状が出現し2週間後労作時呼吸困難で受診。診断インフルエンザに合併したARDSの疑い。
2 成人症例 心アミロイドーシス
3 鼠経リンパ節生検でAITL (angioimmunoblastic T-cell lymphoma)と診断され、1コースCHOP後に頚部LNも増殖した。FDG-PETで生検近傍のLNに強いシグナルを認めず、頚部LNに強いシグナルを認め再生検実施した。染色体解析でt(14,18)を認め、FL(follicular lymphoma)と診断した。

2020年2月7日抄読会

Epidemiological and clinical characteristics of 99 cases of 2019 novel coronavirus pneumonia in Wuhan, China: a descriptive study.
Lancet. 2020 Jan 30. pii: S0140-6736(20)30211-7

2020年2月5日

症例検討会 2例
1 成人症例 およそ18年間CML治療中。分子遺伝学的奏功が失われた。
2 発熱で診断が困難な成人症例。紹介元で抗生剤投与されて1W経過、当院に入院して1W抗生剤治療、血清に肝逸脱酵素の上昇あり抗生剤を中止して約1W。培養、CTにて発熱源を同定できない状態での提示。 

2020年1月31日抄読会

Inhibition of B Cell Receptor Signaling by Ibrutinib in Primary Central Nervous System Lymphoma
Cancer Cell. 2017 Jun 12; 31(6): 833–843
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のサブタイプである原発性中枢神経系リンパ腫(PCNSL)は、メトトレキサートベースのレジメンで治癒率が40%未満と悪い。これは治療後一定期間をおいてから再発することがしばしばだからだ。BCRサブユニットCD79BおよびToll-like受容体アダプタータンパク質MYD88の2つの遺伝子変異がPCNSL細胞にはある。これらの遺伝子変異によりBCRシグナルが持続的に活性化し、DLBCL腫瘍の活動しているB細胞(ABC)が生存可能になると想像される。これと同様にPCNSLの場合も(BCRシグナル)の刺激を腫瘍細胞が受け続けると考えられる。イブルチニブはBCRシグナル伝達系の下流にあるNF-κBタンパク質の活性化を阻害するブルトンチロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤である。イブルチニブはCD79B変異体とMYD88変異体(特にL265P)とをもつ腫瘍にいて再発/難治性DLBCLに顕著な臨床活性を示す。これらよりCD79Bおよび/またはMYD88 L265P変異があるPCNSLでもイブルチニブは著明な抗腫瘍活性を示すと仮説を立てた。
イブルチニブ単剤療法では再発/難治性ABC DLBCL患者の生存期間の中央値は10.3ヶ月と短い。中枢神経系に入る化学療法剤を併用すればイブルチニブのPCNSLに対する有効性が増強される可能性に着目した。イブルチニブと併用する薬剤にドキソルビシンを含めなかった。なぜならばドキソルビシンは血液脳関門を通過しないと考えられているからだ。一方ドキソルビシンのリポソーム製剤は、この障害を克服し、PCNSLの治療にイブルチニブと組み合わせるのに有望な薬剤と考える。標準化学療法によるアポトーシス作用に拮抗するNF-κB経路をイブルチニブが阻害するためイブルチニブと化学療法薬の併用は合理的である。さらにin vitroにおいてもイブルチニブが化学療法剤と相乗作用を示すことがDLBCLのABCで確かめられている。著者らはイブルチニブがPCNSLで、単剤および化学療法の双方で臨床効果を引き起こす仮説を確かめるためin vitro、in vivoにおける対象薬剤の薬効動態を解析することから始まり18名の患者をエントリーした臨床試験まで実施した。

2020年1月29日

症例検討会 4例
1 成人 頻拍で紹介された。発作時の心電図は
1
頻拍がないときは
2

2 成人 10日前から胸痛にて緊急受診。喫煙25本25年、糖尿病あり。
B1

3 呼吸不全と浮腫 脳梗塞後遺症にて胃瘻にて栄養摂取していた。糖尿病の増悪で入院したが3日前から喘鳴が現れ、SpO2が低下したため心電図検査実施。
C2
(参考)喘鳴の20日前
C1

4 以前より洞不全症候群と診断されており下腿むくみで紹介され受診した成人。胸部レ線で心胸郭比拡大あり、心電図と超音波検査実施された。
D1
D2
a0128d

1 PAT 発作性心房頻拍
2 下壁梗塞
3 陳旧性心筋梗塞
4 心アミロイドーシス

2020年1月24日抄読会

Efficacy and safety of ibrutinib in Japanese patients with relapsed or refractory mantle cell lymphoma.
Cancer Sci. 2016 Dec;107(12):1785-1790.
マントル細胞リンパ腫(MCL)は、完治させることが難しいB細胞性非ホジキンリンパ腫の一病型であり、化学療法に対する反応が悪く、再発率が高い。MCLの特徴であるt(11; 14)(q13; q32)相互転座はサイクリンD1の過剰発現を引き起こす。日本ではマントル細胞リンパ腫は悪性リンパ腫全体の約2〜3%を占めるに過ぎないまれな病型である。条件を満たせば造血幹細胞移植を併用した大量化学療法が選択される治療である。しかし、MCL患者の大半は高齢であり(診断時の年齢の中央値65歳)、集中治療アプローチの対象外である。さらに高い死亡率とともに再発が多いことが知られる。再発時には、救援療法に対する反応の質と忍容性は前線の治療よりも劣る。ボルテゾミブ、ベンダムスチン、フルダラビンは日本で再発または難治性MCLの治療に承認され有効性が示されているが、その高い毒性による有害事象が懸念される。
イブルチニブは、1回以上前治療を受けたMCL患者に、米国FDAおよび欧州医療機関によって承認された。欧州、南米、韓国、台湾で実施された再発MCL患者に対するフェーズIIおよびフェーズIIIの研究の結果によりイブルチニブの良好な有効性と安全性を示された。MCL患者を含む再発または難治性B細胞悪性腫瘍の日本人患者で実施された第I相試験は、イブルチニブの許容される有効性および安全性を示した。
この第II相試験は、再発または難治性MCLの日本人患者におけるイブルチニブの有効性と安全性を評価するために実施された。
病理学的にMCLと確認されていること、PSが0-1であること、MCLの治療を受けたことがあること、測定可能な病変があること、20歳以上であること、これらを満たした日本人患者を対象とした。日本の11施設で行われた他施設研究である。対照のない1アームの第2相試験である。病気の進行、容認できない有害事象の発生、試験終了のいずれかまでイブルチニブ560 mgを1日1回投与した。この研究の主要エンドポイントは、独立評価機関で評価されたoverall response rate(ORR)であり二次エンドポイントは、duration of response(DOR)、time to response(TTR)、progression free survival(PFS)、overall survivalおよびイブルチニブの安全性だった。
対象 19名中16名がイブルチニブの治療を受けた。治療期間 中央値は6.5ヶ月。ORR(CRあるいはPR)は14名(90%CI 65.6-97.7)、TTRは1.8ヶ月、DORとPFSは算出できなかった。
全ての患者がなんらかの有害事象を経験した。主な有害事象は下痢および口内炎(n = 6)、血小板数の減少(n = 5)、および貧血(n = 4)だった。グレード3以上の有害事象は貧血、白血球増加、好中球減少、およびリンパ球数の増加だった。

2020年1月22日

症例検討会 2例
1 レイノー症状と貧血で紹介された成人患者。レイノー症状はすでに紹介もとで寒冷凝集素症と診断されていた。血清LDH値上昇、ハプトグロビン低下、網状赤血球数増加などより溶血性貧血の合併、血清IgGκλの偏り(κ>>>λ)よりクローン細胞の増殖が示唆された。骨髄検査でCD20、CD5、CD23陽性のB-CLL(SLL)と診断され治療中。
4

2 糖尿病と発作性心房細動で通院していた成人患者。DOACを処方されていたが近頃動悸が激しくなり受診。AFと診断された。経食道エコーで心耳に血栓を認め数日血栓を溶解しDCにて洞性調律にもどった。
b
6
5

2020年1月17日抄読会

Randomized Trial of Three Anticonvulsant Medications for Status Epilepticus.
N Engl J Med. 2019 Nov 28;381(22):2103-2113
背景:てんかん発作の初期治療はベンゾジアゼピン(BZD)だが、1/3はBEに抵抗性である。このタイプのてんかん重積状態については十分な解析がされていない。BEの次に使われる薬剤はレベチラセタム(LEV)、フォスフェニトイン(fPHT)、バルプロ酸(VPA)の3剤である。早く発作を収束させれば心臓呼吸器合併症、ICU入院、死亡のリスクを減少させられる。臨床ガイドラインは早期に発作をコントロールする必要があることが必要だと指摘しているが、薬剤の優劣、選択を評価できる完全な無作為試験は実施されておらず言及もない。
方法:アメリカの救急に関係する多施設の共同研究であり無作為化、二重盲検化された試験であり、NIHとFDAの基盤研究である。57の施設が参加した(18施設は小児のみ、26施設は成人のみ、13施設は双方を対象)。対象は2歳以上であり、5分以上の痙攣に対してBZDを使用して5分以上経過しても痙攣が続いている患者。これらの対象から外傷、血糖異常、心停止、無酸素後、妊婦、収監者は除外し、さらにBZD以外を使用した患者、挿管後の患者、アレルギー、代謝障害、肝臓腎臓の機能障害を除外した。3剤はそれぞれ所定の速度で10分間で注射された。アームはLEV、fPTH、VPA濃度と用量はLEV 50mg/mL 60mg/kg、fPTH 16.6mg/mL 20mg/kg、VPA 33.33mg/mL 40mg/kg。薬剤(救急チームはどれかわからない)は10分で注射を中止し20分経過しても発作が続くときはレスキューは各施設で60分間で主要アウトカム(明らかな発作の欠如、抗けいれん薬を追加しなくても薬物注入開始後60分までに意識レベルが改善すること)を達成後は試験薬剤のマスクを解除してもよいがそれ以前に盲検を断念した場合はスタディから離脱とした。主要アウトカムは上記の通り。二次アウトカムは痙攣消失時間、ICU入院、入院期間。各薬物が最も効果的または最も効果的でなかった事後確率を計算した。安全性アウトカムには、生命を脅かす低血圧または不整脈、気管内挿管、発作の再発、および死亡だった。
結果:合計384人の患者が登録され、LEV(145人の患者)、fPTH(118)、またはVPA(121)を無作為に割り当てた。2回目のてんかん重積状態のエピソードを持つ患者の再登録ではランダム化の16の追加インスタンスを占めた。1つの薬物が優れているか劣っているのを見つけることは相当のケースが必要と予測されたため400例で中止した。登録患者のうち、10%が心因性発作を起こしていると判断された。てんかん重積状態の停止と60分での意識レベルの改善の主な結果は、LEVに割り当てられた68人の患者(47%; 95%の信頼できる間隔、39〜55)、fPTHに割り当てられた53人の患者(45%; 95%信頼できる間隔、36〜54)、およびVPAに割り当てられた56人の患者(46%; 95%の信頼できる間隔、38〜55)。各薬剤が最も効果的であった事後確率は、それぞれ0.41、0.24、0.35だった。数値的に、fPTH群では低血圧と挿管のエピソードが多く発生し、LEV群では他の群よりも多くの死亡が発生したが、これらの差は有意ではなかった。
結論:BZD不応性けいれん性てんかん重積の状況では、抗けいれん薬であるLEV、fPTH、およびVPAはそれぞれ約半数の患者で発作の停止と60分以内の覚醒をもたらし、3薬は同様の有害事象の発生率と関連していた。

2020年1月15日

症例検討会 1例
成人患者 ベンダムスチンを含む化学療法によりマントル細胞リンパ腫(MCL)治療し造影CT検査で病変の消失を確認していた。聴力低下を訴えるようになり、約3週後に意識障害で緊急入院した。脊髄液を採取しCD20陽性、Igκ/λ比の著しいリンパ球群を認めMCLのCNS再発と診断。MTX大量化学療法後、BTK阻害薬を含む化学療法中。

2020年1月10日抄読会

Brentuximab vedotin with chemotherapy for CD30-positive peripheral T-cell lymphoma (ECHELON-2): a global, double-blind, randomised, phase 3 trial.
Lancet. 2019 Jan 19;393(10168):229-240.
背景:第1相試験で期待できる活性を示したブレンツキシマブベドチンを基本にして安全管理のもとECHELON-2試験を開始した。ECHELON-2試験はCD30陽性末梢T細胞リンパ腫の治療のためのシクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン(A + CHP)とシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンの有効性と安全性を比較する試験である。
方法:ECHELON-2は、二重盲検、二重ダミー、無作為化、プラセボ対照、active comparator(同系統の薬または同等の適応をもつ薬同士の比較する)第3相試験である。対象は未治療のCD30陽性末梢T細胞リンパ腫(全身性未分化大細胞リンパ腫の75%を対象とする)、比較はビンクリスチン及びその偽薬、ブレンツキシマブベドチンおよびその偽薬にんてシクロホスファミド750mg/m2およびドキソルビシン50mg/m2を各サイクルの1日目に静脈内投与し、プレドニゾン100mgを各サイクルの1日目から5日目に1日1回経口投与した。主要エンドポイントは無増悪生存期間だった。
結果:2013年1月24日から2016年11月7日までに、601人の患者が適格性について評価され、そのうち452人の患者が登録された。226人がA + CHPグループとCHOPグループの両方に無作為に割り当てられた。無増悪生存期間の中央値は、A + CHPグループでは48か月(95%CI 35.2-評価不可)、CHOPグループでは20.8か月(12.7-47.6)(ハザード比0.71 [95%CI 0.54-0.93]、p = 0.0110)。発熱性好中球減少症(A + CHPグループで41 [18%]患者、CHOPグループで33 [15%])および末梢神経障害(A + CHPグループで117 [52%]およびCHOPグループの124 [55%]は、グループ間で類似していた。致命的な有害事象は、A + CHPグループでは7人(3%)、CHOPグループでは9人(4%)に発生した。
解釈:CD30陽性末梢T細胞リンパ腫患者のA + CHPによる治療は、CHOPよりも優れており、無増悪生存期間と管理可能な安全性プロファイルを備えた全生存期間の大幅な改善が示された。

2020年1月7日

症例検討会 2例
1 成人患者 失神で救急搬送された。SpO2低下、CRP15、白血球数増、胸部単純CTの浸潤影より「肺炎」と診断されてその治療のため入院。入院後数日で酸素投与不要となり呼吸回数正常化した。「肺炎」治癒後進行する高次脳機能障害精査とADL改善のためリハビリテーションを実施していた。リハビリ中に全身倦怠感を訴えるようになりSpO2、血圧、脈拍、体温に異常認めず経過観察していた。倦怠感現れてから数日後、排便直後に血圧低下し数分後に心肺停止となった。
蘇生処置虚しく死亡。Ai実施 血液検査FDP Dダイマ上昇、血小板数正常、頭部CT異常なし、胸腹部CT 肺動脈径増大より肺動脈血栓症を排便前後に発症したと考えた。入院時のエピソードも肺動脈血栓症に関連したもと考えられた。
2 腹痛で受診、回盲部に潰瘍を伴う腫瘤による狭窄を認めた。生検よりDLBCLと診断されて、化学療法による同部位に穿孔が生じる恐れがあり開腹+回盲部切除を行ってから化学療法を実施した。

2019年12月27日抄読会

Diagnosis of Pulmonary Embolism with d-Dimer Adjusted to Clinical Probability.
N Engl J Med. 2019 Nov 28;381(22):2125-2134

2019年12月25日

症例検討会 3例
1 体重増加と顔面浮腫で循環器内科受診。ECG、UCG WNL、BUN31、Cre2.9。腎盂拡張。腎後性腎不全⇒子宮がん

2 労作性息切れで受診。MCV上昇を呈する汎血球減少。脂肪髄。精査中。

3 無痛性顎下腫瘍。顎下腺と周辺リンパ節の腫脹あり。血清IgG4上昇と顎下腺にIgG4+の形質細胞浸潤。IgG4関連疾患。

2019年12月13日抄読会

Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction.
N Engl J Med. 2019 Nov 21;381(21):1995-2008.

2019年12月20日抄読会

Partial Oral versus Intravenous Antibiotic Treatment of Endocarditis.
N Engl J Med. 2019 Jan 31;380(5):415-424.

2019年12月18日

症例検討会 2例
1 不明熱および左肩関節の疼痛を認めた成人 入院後1W経過して左胸鎖関節の後ろに膿瘍を形成した。血液培養でMSSAが発育した。CTで気泡を認め嫌気性菌の可能性を考慮してCLDMで治療を始めた。縦隔炎に進展するリスクを考慮して観血的に膿瘍を開くことを考慮している。

2 先天的にVII因子欠乏があった成人 左アキレス腱断裂で入院したが出血が収まらなかった。心房細動でリクシアナを内服していた。VII因子とX因子を同時に抑えたことによる出血傾向と思われるがリクシアナを中止すべきか討論。

2019年12月11日

症例検討会 4例

1 慢性頭痛を持病としていた方。後頭部頭痛を訴え受診 血圧176/103、麻痺なし。頭部CT異常なし、念のためMRI撮影し椎骨動脈解離→入院。
2 心雑音、むくみ、息切れで紹介された。レントゲン撮影で心不全と診断された。経食道エコーで僧房弁前尖の検索断裂と診断。
3 ふらつきで近医より紹介された患者。母が溶血性貧血既往あり。Hb6.9、Ret低下。血液に赤芽球と幼若球あり。骨髄検査ほぼ正常。後日網状赤血球数10倍に増加。遺伝球状赤血球症患者の(ウイルス感染による)一過性赤芽球癆と診断中。
4 不明熱の患者 左肩、ひだり胸鎖関節痛、同部位の発赤と腫脹あり。CRP20以上。既往にRAあり。MRA疑い。

2019年12月6日抄読会

A Randomized Trial of E-Cigarettes versus Nicotine-Replacement Therapy.
N Engl J Med. 2019 Feb 14;380(7):629-637

バックグラウンド:
禁煙を志し電子タバコを使用することは日常的であるが、すでに効果が認められたニコチン製品と比較すると有効性に関する証拠は少ない。
方法:
英国国民保健サービスの禁煙サービスに参加する成人を対象に、次の2軍に分けた。
1群 ニコチン代替群 各自選択したニコチン代替製品を(製品の組み合わせも良いとして)最大3か月間提供される群
2群 電子タバコ群 電子タバコスターターパック(第2世代の詰め替え可能な電子タバコにニコチン18 mg/ml入りのe-リキッド1ボトル)を提供されて、好みの風味と濃度のe-リキッドを追加購入することを勧められた群。
治療には、毎週の行動支援が最短でも4週間行われた。主要アウトカムは1年間の禁煙であり、最終受診時に生化学的に検証した。追跡不可能な参加者あるいは生化学的検証を行えなかった参加者は、禁煙していないとみなした。副次的アウトカムは、参加者が報告した製品の使用と呼吸器症状とした。
結果:
合計886人の参加者が無作為化された。ニコチン代替群の9.9%と比較して、1年間の禁煙率は電子タバコ群で18.0%だった(相対リスク、1.83; 95%信頼区間[CI]、1.30〜2.58; P <0.001)。 禁煙を1年間行った参加者のうち、電子タバコ群の人は、ニコチン代替群の人よりも割り当てられた製品を52週間使用した比率が高かった(80%[63/79人の参加者]対9%[ 44人の参加者])。全体的に、喉または口への刺激は、電子タバコ群で頻繁に報告され(65.3%、ニコチン代替群で51.2%)、吐き気は、ニコチン置換群で頻繁に報告された(37.9%、対31.3%電子タバコグループ)。両群ともにベースラインから52週までの咳および痰の発生頻度は低下したが、電子タバコ群はニコチン代替群よりもその発生頻度は低下した。(咳の相対リスク、0.8; 95%CI、0.6〜0.9、痰の相対リスク、0.7 ; 95%CI、0.6〜0.9)。喘鳴または息切れの発生率に有意な差はなかった。 結論: 行動支援を行う場合、電子タバコはニコチン代替療法よりも禁煙に効果的だった。

2019年12月4日

症例検討会 2例
1 無顆粒球症 肺がん治療後の間質性肺炎にステロイドパルスとスルバシリン、ダイフェンなどで治療。7か月後顆粒球40に低下。薬剤性顆粒球減少、発熱性顆粒球減少、自己免疫性顆粒球減少(全治療にチェックポイント阻害剤使用)を鑑別。
2 みぎ下腹部痛を主訴として来院した。回盲部に粘膜の発赤、潰瘍、粘膜下の腫瘍。DLBCLと診断された。 

2019年11月29日抄読会

Gilteritinib or Chemotherapy for Relapsed or Refractory FLT3-Mutated AML.
N Engl J Med. 2019 Oct 31;381(18):1728-1740

背景 FMS様チロシンキナーゼ3遺伝子(FLT3)の変異を伴う難治性急性骨髄性白血病(AML)あるいはその再発にサルベージ療法が奏功することはまれだ。ギルテリチニブは、再発性または難治性のFLT3変異AMLに単剤活性を有し、強力かつ選択的な効果を示す経口投与のFLT3阻害剤だ。
方法 この第3相試験では、対象は再発または難治性のFLT3変異AMLの成人とし、比較のためギルテリチニブ(1日120mgの投与量)群とサルベージ化学療法群に2:1の割合でランダムに割り付た。主要エンドポイントは、全生存率およおび完全(または部分的)な血液学的回復を伴う完全寛解を示す患者の割合の二つだった。二次エンドポイントは、イベントフリー生存率(EFS 再発もなく寛解に至った生存患者の割合)および完全寛解を示した患者の割合だった。
結果 247名がギルテリチニブ群に対して124人がサルベージ化学療法群として登録された。OS中間値は9.3月 vs. 5.6月と明らかにギルテリチニブ群が長かった。、死亡のハザード比は0.64(95%CI 0.49-0.83)。EFS中間値は2.8月 vs. 0.7月と明らかにギルテリチニブ群が長かった。、死亡のハザード比は0.79(95%CI 0.58-1.09)。血液学的に回復を認め、CRに至った患者の比率はギルテリチニブ群とサルベージ化学療法群においてそれぞれ34.0% vs. 15.3%であり、risk differenceは18.6%(95%CI 9.8-27.4)、CR率はそれぞれ21.1%対10.5%、risk differenceは10.6%(95%CI 2.8-18.4)。治療期間の変更を余儀なくされた患者の解析でグレード3以上の有害事象の頻度はギルテリチニブ群が少なく、ギルテリチニブ群で高頻度に認められたGrade3以上の有害事象は好中球減少性発熱、貧血、血小板減少だった。
結論 ギルテリチニブはサルベージ化学療法と比較するとFLT3遺伝子変異のある再発または不応性AML患者の生存期間を延長させ、寛解率を改善する。

2019年11月27日

症例検討会 3例
1 食思不振と腰痛で受診した。高血圧と白内障と緑内障の既往歴。
受診時39度の体温上昇、ラボデータCRP20mg/dL。CTで両側に肺炎を認め血液培養からMSSAが検出された。その後の抗生剤の反応が悪かった。 膿瘍形成の除外、心エコーで所見のない感染性心内膜炎の除外のため造影CTと経食エコーへ
2 8月に胸痛あり、帰宅。11月にふたたび胸痛で受診。急性冠症候群。
3 背部痛で救急搬送された患者。血圧200/90.血圧の左右差を認めCTで胸部大動脈の解離を疑わせる所見があり降圧を主体の治療で経過を見ていたが翌朝血圧が低下した。肺化膿症、敗血症性ショックと診断。

2019年11月22日抄読会

Evaluation of Long-term Risk of Epilepsy, Psychiatric Disorders, and Mortality Among Children With Recurrent Febrile Seizures: A National Cohort Study in Denmark.
JAMA Pediatr. 2019 Oct 7. doi: 10.1001/jamapediatrics.2019.3343
再発性熱性けいれんを有する小児におけるてんかん、精神障害、および死亡の長期リスクの評価
デンマークの全国コホート研究
熱性けいれんは3か月から5歳の子どもの2%-5%発症する一般的な疾患である。一般的に良性とみなされるが、熱性けいれんのある子どもは再発性熱性けいれんを経験する可能性が高く、てんかんや一部の精神障害のリスクが高くなる。
再発性熱性けいれんのリスクファクター:
①最初の熱性けいれん発症の年齢が若い、②熱性けいれんの家族歴、③発症時の比較的低い発熱、④けいれん前の短期間の発熱
しかし、熱性けいれんの再発が子どもの神経学的・精神的な発達や死亡率にどのような影響を与えるかは不明です。本研究の目的は、大きな全国的なデンマークの人口ベースのコホートを用いて再発性熱性けいれんのリスクを推定することと、再発性熱性けいれんとてんかん、精神疾患、および死亡との間に長期フオローアップでの関連が存在するかどうかを調査することである。
結果
210万3232人の子供(102万4049人【48.7%」の女児)のコホートでは、3か月から5歳までの間に熱性けいれんと診断された7万5593人の小児(3.6%)を特定しました。
熱性けいれん:
・男児(5歳での累積発生率:3.9%; 95%Cl. 3.9%-4.0%)
・女児(5歳での累積発生率:3.3%; 95%CI. 3.2%-3.3%)
21%の相対リスク差(HR. 1.21; 95%Cl. 1.19-1.22)
症例の年齢分布は男女間でほぼ同じ。Fig.1)
熱性けいれんの年齢別リスクは、16か月(中央値、16.7か月、12.5-24.0か月)でピークに達し、6万8737人の小児(90.9%)が3歳前に最初の熱性けいれんを発症した。
熱性けいれんの累積発生率は研究期間中に増加しましたが、入院に限定した場合、累積発生率は1990年以降安定していました(Fig.2)。
再発性熱性けいれんのリスク
少なくとも1回の熱性けいれんを経験した7万5593人の子どもは、再発リスクが高かった。
再発性熱性けいれんの累積リスク:
・最初の熱性けいれん後:22.7%(95%Cl、22.4%-23.0%)
・2回目の熱性けいれん後:35.6%(95%Cl、34.9%-36.3%)
・3回目の熱性けいれん後:43.5%(95%Cl. 42.3%-44.7%) (Table.1)
再発リスクは、男の子と女の子でほぼ同じでした。
2歳になる前に発症すると再発のリスクが高かった(supple:eTablel)
・2歳前に最初の熱性けいれんを起こした再発リスク:26.4%(95%CI. 26.0%-26.7%)
・2歳以降に熱性けいれん発症した小児の再発リスク:11.8%(95%Cl. 11.3%-12.3%)
・2歳前に発症して3回入院している場合の再発リスク:61.3%(95%Cl.59.3%-63.1%)
長期的な結果のリスク
てんかんのリスクは熱性けいれんによる入院の数とともに増加しました。
30年累積発生率:(Table.1)
・出生時:2.2%(95%Cl、2.1%-2.2%)
・最初の熱性けいれん後:6.4%(95%CI.6.2%-6.6%)
・2回目の熱性けいれん後:10.8%(95%CI.10.2%-11.3%)
・3回目の熱性けいれん後15.8%(95%CI.14.6%-16.9%)
熱性けいれん後にてんかんと診断されるリスクは、男の子と女の子でほぼ同じ。
3回目の熱性けいれん後のてんかんのリスクは、女児で16.3%(95%CI. 14.6%-18.0%)、男児で15.4%(95%CI. 14.0%-17・0%)でした(Fig.3)。
さまざまな年齢でのてんかんのリスクを検討すると、てんかんのリスクは若い年齢で特に高いが、数十年後でも持続することがわかりました(例:3回以上の発作があった25-29歳、HR、4.57; 2.45-8.51) (Table.2)。すべての年齢(30歳以上を除く)で、てんかんと診断されるリスクは熱性けいれんの数とともに増加しました。小児期の熱性けいれんは、後年の精神障害のより高いリスクとも関連していた(Table.1)。
全体では、精神障害の入院の30年リスクは17.2%(95%Cl、17.2%-17.3%)でした。
・少なくとも1回の熱性けいれんがあると、リスクは21.4%(95%Cl 21.0%-21.9%)
・入院が少なくとも2回以上あると25.0%(95%CI. 24.0%-26.1%)
・入院が3回以上ある子どものサブグループでは29.1%(95%Cl 27.2%-31.0%)
てんかんを調整した後でも、精神障害の相対リスクは上昇しました。例えば、精神障害のリスクなし児に比べ3回以上の熱性けいれんを有する児ではリスクが高かった(HR 1.44; 95%CI. 1.35-1.53) (supple: eTable2)。
死亡率は、熱性けいれんに関連した入院の数とともに増加しました。
・出生時、死亡の30年累積リスクは1.0% (95%CI、0.9%-1 .0%)
・最初の熱性けいれん後、1.2% (95%Cl. 1.0%-1.3%)
・2回目:1.4% (95%CI. 1.2%-1.8%)
・3回目:1.9% (95%CI. 1.4%-2.7%)とさらに増加しました。
ただし、この過剰リスクは、てんかんを調整したときに相対リスク推定値が減衰したため、付随するてんかんによって説明されるように見えました。たとえば、3回以上の熱性けいれんの場合、てんかんの調整を行った場合、HRは2.21(95%CI. 1.69-2.91)から0.91 (95%CI 0.69-1.20)に減少しました(supple:eTable2)。
1995年以降に生まれた子供に研究集団を制限した場合(すなわち、外来患者の接触が含まれる場合)、再発性熱性けいれんのリスク(3.9; 95%CI. 3.9-4.0)は1977年から2011年に生まれた子どもの全体的なコホート(3.6; 95%Cl. 3.6から3.6)と比較してわずかに高いことがわかりました(supple:eTable 3)。さらに、再発性熱性けいれん後のてんかんおよび死亡の累積リスクはコホート全体よりもやや低く、精神障害の累積リスクは高かった(20年累積発生率、14.7; 95%CI. 14.6-1 4.8対9.4; 95%CI. 9.4-9.5) (supple:eTable 3)。
Discussion
この人口ベースの200万人以上の子どもを対象としたコホート研究では、熱性けいれんの病歴が、特に幼児期に再発性熱性けいれんをり患した子どもの間で、てんかんのリスク増加と関連していることがわかりました。30年の経過観察時の精神障害と死亡率も、熱性けいれんによる入院の数とともに増加しましたが、熱性けいれんと診断された後にてんかんを発症した子どもを調整すると死亡率との関連性はなくなりました。
再発のリスクは、最初の熱性けいれん後22.7%であり、追加の熱性けいれん後ではさらに高いことがわかりました。すべての子どもが最初のエピソード後に入院するわけではないため、再発リスクの推定値は保守的である可能性が高い。以前の研究と一致して熱性けいれんの発症年齢が再発リスクと関連していることがわかりました。
熱性けいれんのほとんどは、発作後の続発症なしに成人になりますが、常にてんかんのリスク増加と関連しています。てんかんのリスクは、2回以上の熱性けいれんで特に高くなりました。
我々の知見は、てんかんのリスクが4回までに限定した熱性けいれんで2.48倍(95%CI. 1.68から3.65)に増加した英国の研究の結果と一致している。
台湾からの最近のコホート研究でのてんかんの9年累積発生率は、1回の熱性けいれんの小児で3.3%. 2回以上の熱性けいれんの小児で9.2%であったのに対し、熱性けいれんのない比較コホートでは0.5%でした。これらの推定値は私たちの調査からの9年間の推定値と一致しています(Fig.2)。てんかんのリスクは、熱性けいれん後の最初の9年後でも増加し続けたが、相対的な増加は時間の経過とともに顕著ではなくなったことが観察された。ある以前の研究では、熱性けいれん後のてんかんのリスクは、既存の神経発達症を共存している子どもで特に高いことが示されました。別の研究は、複雑型の熱性けいれんがその後のてんかんのリスクとより強く関連していることを示唆しました。これらの所見は、熱性けいれん後のてんかんのリスクは、主に遺伝的素因のある熱性けいれんの子どものサブセットまたはより重度の熱性けいれんを経験する子供のサブセット(例えば、複数の再発または複雑な熱性けいれんを伴う)に関連している可能性があることを示唆しています。
また、熱性けいれんのある子供、特に複数の熱性けいれんのある子供のグループでは、精神障害のリスクが高いこともわかりました。精神医学的併存疾患はてんかんのある人によく見られますが、てんかんを発症しなかった熱性けいれんのある子どもでもリスクは高くなりました。以前の研究では、熱性けいれんのある子どもは広範囲の精神障害を発症するリスクが高いことが示されています。特に、熱性けいれんの数との関連は、気分障害、人格障害、および統合失調症および関連障害を含む、いくつかの異なる疾患を横切って実証されています。本研究では、精神障害を発症する30年のリスクは一般集団で17.2%であったが、対応するリスクは、2回以上の熱性けいれんのある子どもでは25.0%、3回の熱性けいれんのある子どもでは29.1%であることがわかった。ただし、これらの推定値には、二次医療での治療が必要な精神障害のある人のみが含まれます。したがって保守的な推定値である可能性が最も高い。この増加した発生が再発熱性けいれんに直接関連しているかどうか、またはその増加がいくつかの一般的な潜在的リスク要因(例えば、遺伝的感受性)を反映しているかどうかは不明です。
この研究では、熱性けいれんのある子どものグループ全体で30年死亡率は増加しませんでした。再発性熱性けいれんを経験している小児のサブグループでのみ死亡リスクがわずかに上昇しましたが、この過剰リスクはてんかんを発症した小児に限定されていました。このグループでさえ、全体的な死亡率は低く、これは以前の調査結果と一致しています。熱性けいれんの小児における長期死亡率の研究は、複雑型熱性けいれん後の最初の2年間の間に小さな超過死亡を発見しました。デンマーク国立患者登録簿から複雑型の熱性けいれんのある子どもを特定することはできませんでしたが、再発性熱性けいれんのある子どもと複雑型熱性けいれんのある子どもは、熱性けいれんを持つ子どもの同じサブコホートの一部を形成する可能性があります。

男児での熱性けいれんのリスクの増加は以前に報告されている。本研究では、男児は女児よりすべての年齢で熱性けいれんのリスクが高いことがわかりましたが、この性差は再発けいれんのリスクやその後の精神医学的および神経学的な罹患率または死亡率を含めた、熱性けいれんの予後とは関連していないようです。男児が女児に比べて熱性けいれんを起こす可能性が高い理由は明らかではありません。男児は、発作に対するより高い潜在的感受性を持っているかもしれません。またはより気道感染症を起こしやすいかもしれません。呼吸器感染症は、小児期の発熱の最も一般的な原因のいくつかであり、男児が女児よりも頻繁に発熱を経験する場合は調査結果を説明するかもしれません。男児は女児と比較して、入院につながるより頻繁またはより重度の熱性けいれんを起こすこともあるかもしれません。しかし、熱性けいれんに関する登録簿からの臨床情報はありませんでした(例、時間、局在性、両側性または全身性発作また病気のエピソード中のけいれんの回数)。
Strengths
国の登録簿に基づいており、研究期間を通じてデンマークで生まれたすべての子どもの完全なフォローアップを保証します。このアプローチにより、相対リスクではなく特定の結果の絶対リスクを記述する累積発生率を推定することができたため、臨床的観点から有用です。30年間の追跡調査のデータを使用して、熱性けいれんに関連する神経学的および精神医学的罹患率の長期リスクを評価できた。
Limitations
熱性けいれんの発生に関する情報は完全に登録ベースでした。デンマーク国立患者登録簿の熱性けいれん診断は、陽性的中率は93%(95%CI. 89%-96%)、登録の網羅性は72%(95%CI. 66%-76%)と報告されています。したがって熱性けいれんを持つすべての子どものデータを取得していない可能性があるため、再発リスクの推定値はやや保守的かもしれません。さらに、熱性けいれんの登録は外来患者および救急部門の連絡先が1995年に変更されました。再発性熱性けいれん後のてんかんのリスクは1995年以降に生まれた子どもでやや低いようであり、これは近年の登録が熱性けいれんの重症度の低い症例を捕らえたという事実を反映している可能性があります。しかし精神障害の累積リスクは高かった。これは精神科中央研究登録に外来患者の接触が同時に含まれることと、診断傾向の増加によって説明される可能性が高い。熱性けいれんによる入院率は時間とともに増加することがわかりました。これは、米国などの他の集団で見られる発達とは対照的です。ただし、入院患者の入院のみに基づいた診断にデータを制限する場合、1990年から2016年まで入院率は変化しませんでした。
結論
再発性の熱性けいれんは、てんかんおよび精神医学的罹患率のリスクを高めるように見えますが、後にてんかんを発症する個人でのみ死亡率を増加させる可能性があります。したがって、両親や医療者は、熱性けいれんの既往のある子ども、特に再発性熱性けいれんのある子どもにおけるてんかんと精神障害の初期兆候と症状を認識し、これらの障害の早期発見と治療を確保する必要があります。

2019年11月20日

症例検討会 1例
腰痛と貧血で他院を受診。L3の圧迫骨折と溶骨所見を認めた。FDGPET、MRIでも骨の破壊を認めた。IgG、IgA,IgMは全て低値、尿BJ-P陰性。骨髄穿刺で形質細胞の軽度増加を認めた。形質はk/lがkに偏りを認めた。
非分泌型多発性骨髄腫と診断された。

2019年11月15日抄読会

PCI Strategies in Patients with Acute Myocardial Infarction and Cardiogenic Shock.
N Engl J Med. 2017 Dec 21;377(25):2419-2432.

2019年11月13日

症例検討会
 高血圧、前立腺肥大のある患者が飲酒後10分間の意識消失で来院。
心電図
症例1-1
エルゴ負荷前
ergo-
エルゴ負荷後
ergo

 動悸を主訴に来院した。ECGでwideQRSのRUNとAfによる洞調律のQRSが混在した。
有症状の心電図
症例2-1
動悸が収まった心電図
症例2-2
WPW症候群と診断されてアブレーションの予定。

 汎血球減少を主訴に受診した骨髄に芽球が増加 アウエル陰性、末梢白血球数710、RBC 237、Hb 8.1、MCV 97.5、Plt 2.3万、網状赤血球 1.10%、血液像 (seg 28/100、Lym64/100、Mono 1/100、eos 2/100、Blast 5/100、正染性赤芽球3/100)、フェリチン411.5ng/mL、TSH 1.012uIU/mLFT4 1.65ng/dL、エリスロポエチン 112mIU/mL、BNP 203、…WT1mRNA 90000copy
心電図
症例4
胸部x-p
症例4-2
心エコー拡張障害なし。AMLあるいはRAEB 診断中。

 汎血球減少 末梢血に芽球増加あり。芽球はCD10,CD13,CD22陽性,Ph+。 Ph+ALL(mixed lineage) CHOP療法~CD22抗体。

2019年11月8日抄読会

Vitamin D Supplementation and Prevention of Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2019 Aug 8;381(6):520-530

2019年11月6日

症例検討会 2例
1 多発性骨髄腫 造血幹細胞移植を併用した大量化学療法後のf/u中に好中球が600まで減少し、しばらく時を経てIgGが上昇した。 MM再増悪
2 甲状腺機能亢進症、ITPとすでに診断されていた。プロパジール投与中に好中球減少、貧血進行し血小板減少も認めた。精査中。

2019年11月1日抄読会

Antithrombotic Therapy for Atrial Fibrillation with Stable Coronary Disease.
N Engl J Med. 2019 Sep 19;381(12):1103-1113.
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の2剤併用抗血小板療法(P2Y12阻害剤とアスピリン)の使用により、ステント血栓症、再発性心筋梗塞、心血管死などの虚血性またはアテローム血栓性イベントのリスクが低下する。PCIを受けている冠動脈疾患患者の約5~7%は、長期経口抗凝固療法の適応症を持っている。抗血小板薬と抗凝固薬を併用すると、デンマークの全国コホート研究で最近示されているように、出血イベントのリスクが高まる。結果として、心房細動と安定した冠動脈疾患の患者に最も効果的な抗血栓治療に何を選択するかは、虚血のリスクと出血のリスクを患者ごとに注意深く評価しなければならない戦いでもある。過去数年間の研究はPCI後12か月間の心房細動の治療に集中していた。これらの研究に基づいて、現在のガイドラインでは、PCIを受けた心房細動患者は虚血性疾患のリスクが出血のリスクを上回っているため、即時の抗血栓治療を可能な限り短い期間にトリプル療法(経口抗凝固薬とアスピリンおよびP2Y12阻害薬)で行うことを推奨している。このような治療の後に、4から6週間または一部の患者で最大12か月間の経口抗凝固薬とP2Y12阻害剤を組み合わせた併用療法が行われる。現在のガイドラインは、12か月間の組み合わせ併用療法後のPCIを必要としない安定した冠動脈疾患では経口抗凝固薬の単剤療法を推奨している。しかしこれは無作為化比較試験による裏付けがない。そして実際にはかなりの数の患者が併用療法で治療され続けており、ガイドラインと実診療の間にギャップがある。このAFIRE試験では、心房細動および血管再建後1年以上安定した冠動脈疾患の患者または血管造影で血行再建は必要のないと確認された冠動脈疾患のある患者を対象として、リバロキサバン(非ビタミンK拮抗薬の経口抗凝固薬)による単剤療法が、リバロキサバンと抗血小板薬の併用療法に劣らないかどうかを解析することを目的とした。
日本で実施された多施設非盲検試験である。対象は1年以上前にPCIあるいはCABGを受けた心房細動患者または血管造影で冠動脈に血行再建が必要ないと確認された冠動脈疾患の患者2236人。介入はリバロキサバン単剤療法またはリバロキサバンと単一の抗血小板薬との併用療法。主要エンドポイントは、脳卒中、全身性血栓塞栓症、心筋梗塞、血行再建を必要とする不安定狭心症、またはあらゆる原因による死亡だった。このエンドポイントは、非劣性マージンが1.46の非劣性について分析された。安全性の主要エンドポイントは国際血栓止血学会の基準に基づく大出血(major bleeding)だった。このエンドポイントは優位性を分析した。
併用療法群の死亡率が単剤群を上回ったため試験は早期に中止された。リバロキサバンの単独療法は、主要有効性エンドポイントの併用療法よりも劣らず、イベント率は患者ごとにそれぞれ4.14%および5.75%(ハザード比、0.72、95%信頼区間[CI]、0.55-0.95、P <0.001 非劣性の場合)。リバロキサバン単剤療法は、一次安全性エンドポイントの併用療法よりも優れており、イベント率はそれぞれ患者年あたり1.62%および2.76%だった(ハザード比、0.59; 95%CI、0.39-0.89、優位性についてはP = 0.01)。

2019年10月30日

症例検討会 1例
貧血の一例 全身倦怠感を主訴に受診。RBC300万、Hb7.8、Alp、G-GTP、LDH値上昇。MCV正常。網状赤血球0.39% 飲酒2合、喫煙あり、肝臓辺縁鈍、肝臓左葉萎縮、脾臓萎縮、胆石あり。薬剤性?、赤芽球癆?+肝硬変 精査中。

2019年10月25日抄読会

Long-term and recent trends in hypertension awareness, treatment, and control in 12 high-income countries: an analysis of 123 nationally representative surveys
Lancet. 2019 Aug 24;394(10199):639-651
高血圧は、脳卒中・心臓病・腎臓病の重要な危険因子であり、降圧薬はそれらのリスクを減らすために有効である。低めの血圧閾値を使用して患者の高血圧を早めに治療することに利点があることが臨床治験で示されており、低い血圧閾値を推奨する臨床ガイドラインが作られている。全国および地域の高血圧プログラムは、医療提供者と患者のエビデンスに基づくガイドラインへのコンプライアンスを改善すること、高血圧を登録すること、医師の能力を維持すること、定期的に血圧を測定すること、薬物療法を実施すること、などにより高いレベルの高血圧コントロールを達成できることが実証された。一方高血圧の認識、治療、および管理の観点から、健康管理システムと臨床ガイドラインが異なる国々をどのように比較するか、国々の比較方法が時間とともにどのように変化したか、高血圧管理を改善する必要があるのはどの国か、などに関するデータはほとんどない。40年近くの全国的なデータを12か国のデータを使用して高血圧のベンチマーク(認識、治療、管理の)を示そうとした。方法 オーストラリア、カナダ、フィンランド、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ニュージーランド、韓国、スペイン、英国、米国の12の高所得国で、1976年から2017年にかけて123の国民健康調査に参加した40-79歳の人々のデータを使用した。高血圧の参加者の割合・分布を計算した。高血圧は収縮期血圧140 mm Hg以上、または拡張期血圧90 mm Hg以上、または高血圧の薬物療法を受けているものであり、自分は高血圧を治療され抑えられてる知っている人と定義した。結果 526,336人の参加者のデータが利用できた。カナダ、韓国、オーストラリア、および英国が高血圧の有病率が最も低く、フィンランドが最も高かった。 1980年代から1990年代初期にかけて、ほとんどの国と年齢および性別で治療率は最大40%で、対照率は25%未満だった。評価期間中、12か国すべてで高血圧の意識と治療が増加し、コントロール率が改善した。韓国とドイツでは他国に比べあらゆる指標が改善した。血圧コントロールが改善したのは1990年代と2000年代半ばでありその後ほとんどの国で横ばいになった。最近の調査では、カナダ、ドイツ、韓国、米国が最も高い認識率、治療率、制御率を示し、フィンランド、アイルランド、日本、スペインが最も低くなっていた。最高の成績を収めている国でさえ、治療率はせいぜい80%であり、コントロール率は70%未満だった。

2019年10月23日

症例検討会 1例
縦隔および腹腔内リンパ節腫脹を指摘されて受診した。FDGPETでLNは弱信号 IgM 2300、骨髄生検他より原発性マクログロブリン血症と診断され治療開始。

2019年10月18日抄読会

Daratumumab plus Bortezomib, Melphalan, and Prednisone for Untreated Myeloma.
N Engl J Med. 2018 Feb 8;378(6):518-528
ダラツムマブは、CD38を標的とするヒトIgGκモノクローナル抗体であるが、その多様な作用として直接的な抗腫瘍効果、免疫抑制細胞の枯渇、細胞傷害性T細胞の増殖などがあり多発性骨髄腫の療法薬剤として期待されている。高齢患者の多発性骨髄腫ではレナリドマイドとデキサメタゾン、メルファランとプレドニゾンとサリドマイド、メルファランとプレドニゾンとボルテゾミブが最も広く支持されている治療薬の組み合わせである。 これらによるレジメンは、18ヵ月から2年の無増悪生存期間および4から5年の全生存期間と報告されている。
以前に少なくとも1つ治療ラインが試された患者に、ダラツムマブと標準治療レジメン(ボルテゾミブ-デキサメタゾン[CASTOR試験]およびレナリドマイド-デキサメタゾン[POLLUX試験])を行い無増悪生存期間を有意に延長し、反応率を高めたと報告されている。これらとダラツムマブの組み合わせは、疾患の進行または死亡のリスクを60%以上減少させることもあるという。VISTA(多発性骨髄腫の初期標準療法としてのベルケード:メルファランとプレドニゾンによる評価)治験では、幹細胞移植に適応のない多発性骨髄腫患者にボルテゾミブ、メルファラン、プレドニゾンによる期間固定治療の効果が確認された。 GIMEMA(Gruppo Italiano Malattie Ematologiche dell’Adulto)およびPETHEMA(ProgrammaEspañolde Tratamientos enHematología)試験では、投与量を改善し有効性をそのままに毒性を低減した。
自家幹細胞移植に適応のない多発性骨髄腫患者を対象に、ダラツムマブを併用または併用しないボルテゾミブ、メルファラン、およびプレドニゾン治療の比較を、無作為化して行っているが事前に指定された中間解析を報告する。
この第3相試験では、幹細胞移植の不適格である新たに診断された多発性骨髄腫患者706人を、ボルテゾミブ、メルファラン、およびプレドニゾンの単独投与(対照群)またはダラツムマブ(ダラツムマブ群)の9サイクルをランダムに割り当てた。主要エンドポイントは無増悪生存期間である。
706人の患者のうち、350人がダラツムマブ群に、356人が対照群に割り当てた。人口統計学的特性と臨床的特性は、一般に2つのグループ間でバランスが取れていた。ベースライン時の年齢の中央値は71.0歳(範囲、40〜93)であり、診断からの経過時間の中央値は0.8か月(範囲、0.1〜25.3)だった。合計700人の患者(ダラツムマブ群で346人、対照群で354人)が介入を受けた。カットオフ日(2017年6月12日)に、ダラツムマブ群の合計276人の患者(79.8%)と対照群の220人の患者(62.1%)がボルテゾミブ、メルファラン、およびプレドニゾンの9サイクルをすべて完了した。各グループの17人の患者は治療中だった。対照群のすべての患者は9サイクル後に治療を中止し、ダラツムマブ群のすべての患者は単剤療法としてダラツムマブを継続した。治療を中止した患者はダラツムマブ群は19.4%と対照群の患者(33.1%)よりも少なく、また中止の理由が疾患の進行(6.6%対13.3%)あるいは有害事象(4.9%対9.3%)である比率もダラツムマブ群が少なかった。死亡による中止は同様の比率だった。(それぞれ3.2%と2.3%)。治療期間の中央値は、ダラツムマブ群で14.7ヶ月(63.9週間)、対照群で12.0ヶ月(52.1週間)。ボルテゾミブとメルファランの相対治療強度の中央値は、両群で同じだった。ダラツムマブ群では、他のグルココルチコイドも使用されたため、プレドニゾン当量で計算した。ダラツムマブ群におけるプレドニゾンの治療強度の中央値は、1サイクル1平方メートルあたり251.8 mgであり、対照群における実際の用量強度は237.3 mgだった。ダラツムマブの平均相対治療強度は、1サイクル1キログラムあたり30.9 mgだった。ボルテゾミブの累積治療量の中央値は、ダラツムマブ群で1平方メートルあたり46.9 mg、対照群で1平方メートルあたり42.2 mgだった。無増悪生存期間はダラツムマブ群の88人の患者(25.1%)と対照群の143人の患者(40.2%)で増悪あるいは死亡の事象が発生した。ダラツムマブ群と対照群の増悪+死亡のハザード比は0.50(95%信頼区間[CI]、0.38〜0.65、P <0.001)。12か月無増悪生存率(カプラン・マイヤー推定値)は、ダラツムマブ群で86.7%(95%CI、82.6〜89.9)、対照群で76.0%(95%CI、71.0〜80.2)。18か月無増悪生存率は、ダラツムマブ群で71.6%(95%CI、65.5〜76.8)、対照群で50.2%(95%CI、43.2〜56.7)。事前に指定した二次エンドポイントは、全体的な奏効率は、ダラツムマブ群で90.9%、対照群で73.9%。微小残存病変が陰性の割合(10^5個の白血球あたり1個未満の腫瘍細胞)は、ダラツムマブ群では対照群よりも3倍以上高かった(22.3%対6.2%、P <0.001)。奏効までの時間の中央値は、ダラツムマブ群で0.79ヵ月、対照群で0.82ヵ月であり、最良の反応までの中央値は、それぞれ4.9ヵ月と4.1ヵ月だった。18ヵ月後も反応を続けた患者の推定割合は、ダラツムマブ群で77.2%、対照群で60.4%でした。あらゆるグレードの最も一般的な有害事象(いずれかの群の患者の20%以上)は、好中球減少症(ダラツムマブ群の患者の49.7%、対照群の患者の52.5%)、血小板減少症(48.8%、 53.7%)、末梢感覚神経障害(それぞれ28.3%および34.2%)、貧血(それぞれ28.0%および37.6%)、上気道感染(26.3%および13.8%)、下痢( 23.7%および24.6%)、発熱(23.1%および20.9%)、および悪心(20.8%および21.5%)。グレード3または4の有害事象は、好中球減少症(ダラツムマブ群の患者の39.9%および対照群の患者の38.7%)を含む血液学的な血小板減少症、(34.4%および37.6%)、および貧血(それぞれ15.9%および19.8%)だった。グレード3または4の感染症は、ダラツムマブ群の方が対照群よりも高かった(23.1%対14.7%)。最も一般的なグレード3または4の感染症は肺炎だった。感染による死亡は、ダラツムマブ群の5人の患者(1.4%)(肺炎で2人が死亡し、腹膜炎、敗血症性ショック、および上気道感染でそれぞれ1人が死亡)および4人の患者(1.1%)で発生し、一方対照群は(敗血症性ショック、カンジダ関連敗血症、細菌性肺炎、および敗血症で死亡した患者1人)だった。試験治療から30日以内の死亡に至る有害事象は、ダラツムマブ群の14人の患者(4.0%)および対照群の16人の患者(4.5%)で発生した。ダラツムマブ関連の注入反応(ほとんどがグレード1または2)は、患者の27.7%で発生し、その大部分は最初の注入中に発生した。グレード3の注入関連反応は患者の4.3%で発生し、グレード4の反応は0.6%で発生した。二次原発がんは、2つの群で同程度、ダラツムマブ群の8人(2.3%)と対照群の9人(2.5%)。腫瘍溶解症候群は、各群の2人の患者(0.6%)で報告された。

2019年10月16日

症例検討会
1 60代 中枢神経ML
2 60代 大動脈解離

2019年10月11日抄読会

Association between interpregnancy interval and adverse birth outcomes in women with a previous stillbirth: an international cohort study.
Lancet. 2019 Apr 13;393(10180):1527-1535
妊娠の出産のリスクを減らすために、出産後少なくとも2年、流産後少なくとも6か月待ってから妊娠することをWHOは推奨しているが死産後の次の妊娠関して推奨する間隔はない。フィンランド(1987-2016)、ノルウェー(1980-2015)、西オーストラリア(1980-2015)の出生記録のデータを使用したコホート研究。妊娠の終わり(出産日)から次の妊娠の始まり(次の妊娠の出産日から出生時の在胎齢を引いたもの)までの時間と妊娠間隔を定義した。国、妊娠期間それぞれによる死産、早産、在胎不当過小児のオッズ比(OR)を計算し、母親の年齢、出産、出産の年数、および前の妊娠の妊娠期間を調整した。固定効果モデルのメタ分析を行いプールされたORを推定した。14452人の総死産から、死産後の平均妊娠間隔(9ヶ月)、12ヶ月以内の妊娠9109人(63%)、28(2%)が死産、2532(18%)が早産、1284(9%)が在胎不当過小児の出生と解析された。24?59か月の妊娠間隔と比較して、12か月より短い間隔は、その後の死産のオッズの増加と関連してなかった。さらに、過去の死産の在胎期間による、妊娠間隔と出生結果との関連に違いは認められなかった。死産から12ヶ月以内の受胎は一般的であり、その後の妊娠におけるリスク増加と関連なかった。

2019年10月9日

症例検討会 1例
1 再生不良性貧血の1例 健康診断で貧血を指摘されて受診。MRIおよび骨髄細胞診で過形成骨髄、typeIII血球がやや多数だったが、生検で低形成骨髄過形成骨髄が偏在。造血減少により相対的にtypeIII血球の比率の変化か?
MRI

typeiiie

typeIIIg

2019年10月4日抄読会

Oral Fluoroquinolones and Risk of Mitral and Aortic Regurgitation
J Am Coll Cardiol. 2019 Sep 17;74(11):1444-1450. doi: 10.1016/j.jacc.2019.07.035

2019年10月2日

症例検討会 2例
症例1 高尿酸血症、タバコ40本 近医より心肥大、低酸素血症(SpO2 74%)にて心不全の疑いで紹介。
呼吸機能検査で混合性障害、ECG 時計方向回転、胸部xp 心陰影および肺動脈径拡張より右室肥大が疑われ心エコーも同様。シンチで陰影欠損なし。CT検査で肺気腫と間質性肺炎の合併、それらによる二次性はい高血圧症と診断。

症例2 胸背部痛で受診。既往歴T2DM。
TP 5.5、Alb 3.2、血清Ca 11、sCre上昇、頭部、骨盤、腰椎に溶骨初見。尿中BJP陽性。多発性骨髄腫と診断されて治療中。

2019年9月27日抄読会

The Benefits of Oral Rehydration on Orthostatic Intolerance in Children with Postural Tachycardia Syndrome.
J Pediatr. 2019 Aug 9. pii: S0022-3476(19)30893-5. doi: 10.1016/j.jpeds.2019.07.041. [Epub ahead of print]

2019年9月25日

症例検討会 2例

歯肉炎、歯肉出血、口内炎で紹介され受診。白血球数1760/ul、Hb 11.4g/dL、Plt 25.1、LDH 184、好中球50%
Blast 16% CD13,CD41,CD7,CD34陽性 M7型AML

原発性肺高血圧症と診断された患者(9月4日参照)、門脈圧亢進症合併あり、改めて肺肝症候群と診断された。心カテで肺動脈圧46mmHgより肝移植適応外だった。

2019年9月20日抄読会

Impact of Baseline Steroids on Efficacy of Programmed Cell Death-1 and Programmed Death-Ligand 1 Blockade in Patients With Non-Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2018 Oct 1;36(28):2872-2878
チェックポイント薬(ICB)の臨床使用経験が蓄積されるにつれ当初の臨床試験では解決できない問題が明らかになった。コルチコステロイドはコルチコステロイドは非小細胞肺がん(NSCLC)に様々な適応を持っている。コルチコステロイドの免疫抑制効果やそのT-cellに与える効果を考えるとICBの治療効果を落としてしまうかもしれないと考えるのも理解できる。そのためICBの臨床試験の登録以前にコルチコステロイド使用(患者)は除外されてきた。コルチコステロイドを使用することがICB治療にマイナスの影響を与えうるかについては現在データがない。
2施設においてPD-(L)1阻害剤で治療されたNSCLCの患者に関するコホート研究である。PD-(L)1阻害剤が開始された30日以内にコルチコステロイドが投与されているか薬局の処方データをレビューした。最善の全奏功率の差はフィッシャーの正確確率検定あるいはχ2乗検定を行った。生存曲線はKaplan-Meier方とログランクテストを比較して行った。Cox比例ハザード回帰モデルとロジスティック回帰を使用して多変数解析を実行した。
640人のPD-(L)1阻害剤で治療されたNSCLCの患者を確認しそのうち90人がPSL10mg以上を投与され、17人が(PSL換算)10mg未満の投与を受けていた。コルチコステロイドを投与された理由は呼吸器症状(33%)、倦怠感(21%)、脳転移(19%)だった。MSKCC(スロンケタリング)における全奏功率、無増悪生存期間の短縮、全生存率の短縮、はコルチコステロイド10mg以上 vs. 10mg未満でそれぞれ 6% vs. 19%、1.9month vs. 2.6month、5.4month vs. 12.1monthだった。GRCC(ギュスターヴ・ルッシー)では全奏功率でこそ有意な差はなかったものの無増悪生存期間の短縮と全生存率の短縮とを認めた。多変量解析では喫煙歴、PS、脳転移の有無いずれのグループにおいてもコルチコステロイドの投与がないかあるいは少ないかそのいずれかであればコルチコステロイドの投与が多い(10mg以上)場合よりも良好な全奏功率を得られ、無増悪生存期間と全生存率が比較的長かった。コルチコステロイドを投与するタイミングとその用量をさらに詳細に解析すると(MSKCCコホートのみ解析可能)PSl換算で20mg以上の投与では10-20mg投与患者よりも無増悪期間と全生存期間が短縮し、ICB治療のday0においてもコルチコステロイドをPSL換算10mg以上投与された患者はday-1以前に中止した患者よりも生存期間が短縮していた。PSL換算10mg以上のコルチコステロイドのベースライン使用は、PD-(L)1阻害剤で治療された非小細胞肺癌患者の予後不良と関連していた。PD-(L)1阻害剤の開始時にコルチコステロイドを慎重に使用することが推奨される。

2019年9月18日

症例検討会 2例
1 出血傾向で受診、Fbg、Plt減少。末梢血の白血球にファゴットbodyあり。APL with PML-RARA
2 腰痛、胸痛で受診。肋骨胸椎腰椎骨折。脊柱管狭窄症にて胸髄症の危険があり他院に転院。血液検査でM蛋白血症が疑われ、骨髄検査で多発性骨髄腫と診断された。

2019年9月13日抄読会

Preventing and Managing Toxicities of High-Dose Methotrexate.
Oncologist. 2016 Dec;21(12):1471-1482.
高用量MTX治療(1平方メートルあたり500mg以上と定義)は広い領域のがん治療に用いられる。大抵の治療は安全に行われるが、尿細管にMTXの結晶ができると腎臓にダメージをもたらされ急性腎傷害(AKI)が生じることもある。その対策を行った上で腎傷害が起きてしまった場合でも、補液を増量すること、高用量のロイコボリンを投与すること、そしてグルカルピダーゼ(2012年FDA承認)を投与すること、これらをすべて行うと腎機能を回復させ透析を回避できる。この記事はこのごろの高用量MTX治療に関連する文献をもとに、推奨すべき包括的な予防策を提供するものであり、必要な時にAKIと一連の毒性を下げる処置の詳細な手引書となることを意図して書かれた。

2019年9月11日

症例検討会
腰痛で他院に紹介されて恥骨病的骨折を指摘され、精査のため当院受診。血液検査結果Alp上昇、Ca正常、Igクラス正常CEA、CA19-9正常、CA125正常。造影CT(胸部〜骨盤) 腫瘤リンパ節認めず。転移性あるいは原発性の骨腫瘍疑い。原発に相当する病変は検索中。

2019年9月6日抄読会

24-Hour Blood Pressure-Lowering Effect of an SGLT-2 Inhibitor in Patients with Diabetes and Uncontrolled Nocturnal Hypertension: Results from the Randomized, Placebo-Controlled SACRA Study.
Circulation. 2019;139:2089–2097
糖尿病と無制御夜間高血圧症のある患者では心血管系疾病の危険性も、塩分(食塩)感受性高血圧の死亡率も高い。Sodium-Glucose Cotransporter2[SGLT2]インヒビターとアンギオテンシン受容体ブロッカー(ARB)の組み合わせ治療を糖尿病と無制御夜間高血圧症の患者におこなう研究(SACRA)は既存の降圧治療に付加する効果をエンパグリフロジン(empagliflozin)に認めるか調べた。多施設、ダブルブラインド、パラレル研究。ARB系降圧剤を含む薬剤で治療を受けている2型糖尿病と無制御夜間高血圧症の成人患者に対照(プラセボ)グループとエンパグリフロジンを内服するグループでそれぞれ12週間治療を受けた。エンパグリフロジンは10mg/日内服。診察室の血圧を基準として測定し、24時間血圧モニタリングを治療4,8,12週に実施した。プライマリエンドポイントは携帯血圧測定器により測定した夜間血圧の基線の変化とした。

2019年9月4日

症例検討会
アルコール性肝硬変と診断されていた。徐々に強くなる息苦しさに受診。
GOT 66 H 13~30U/L U/l , GPT 39 10~42U/L U/l , LDH 581 H 124~222U/L U/l , ALP 535 H 106~322U/L U/l , γGTP 20 13~64U/L U/l , アミラーゼ 121 44~132IU/L IU/l , CPK 197 59~248U/L U/l , T-Bil 8.06 H 0.4~1.5mg/dl mg/dl , 尿素窒素 20.9 H 8~20mg/dl mg/dl , クレアチニン 2.07 H 0.65~1.07mg/dl mg/dl
とビリルビン血症を認めた。
心電図は
81199-2
胸部レントゲンは
81199-1
など右室肥大、肺動脈径拡張など認めた。
肺血流シンチで欠損認めず、血栓も認めないことから原発性肺高血圧症と診断された。

2019年8月30日抄読会

Daratumumab plus Lenalidomide and Dexamethasone for Untreated Myeloma
N Engl J Med. 2019 May 30;380(22):2104-2115
いまや標準的な治療となったレナリドミド+デキサメサゾン療法であるがそれにダラツムマブ daratumumab (anti-CD38 monoclonal IgG)を加えることで疾患の進行や増悪を改善しうるか解析した。
この第3相の治験はランダム化オープン試験だった。対象は年齢などの理由により造血幹細胞移植に裏打ちされた大量化学療法の適応から外れた患者であり、造血機能、肝酵素、腎機能検査が一定基準をクリアした人々。ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメサゾンの治療を行った群とダラツムマブを含まない治療の対照群にWebシステムで(無作為に)1:1に分けた(lenalidomide 25mg on D1-21/28, dexamethasone 40mg on D1 8 15 21 /28 +or- daratumumab 20mg/kg 経静脈投与 1-2周回は毎週 3-6周回は隔週 その後4週ごと)。プライマリエンドポイントは無増悪生存期間。効能を評価するエンドポイントとしてCR、stringent CR、MRD(微小残存病変)のない患者が全体に占めるパーセンテージも解析した。解析はIntention-to-treat分析、ログランク検定による2群の比較、Cox回帰分析によるHR、連続的変数の記述統計、Kaplan Meier法による事象発生期間の解析、2値アウトカムのCochran-Mantel-Haenszel検定。結果 対象:ダラツムマブ群368名 vs.比較対照群369名、治療継続期間:ダラツムマブ群25.3Months vs.比較対照群21.3Months、増悪・死亡者:ダラツムマブ群97/368 vs.比較対照群143/369、30月無増悪生存患者推計(K-M):ダラツムマブ群70.6% vs.比較対照群55.6%、50%無増悪生存期間:ダラツムマブ群 到達せず vs.比較対照群31.9Months、ダラツマブ群の対称群に対するHRは0.56。肝障害の存在するサブグループを除くすべてのサブグループでダラツムマブ群は対照群に無増悪生存率で優れていた。対照群 vs. ダラツムマブ群ではCR以上に改善した比率, VGPR以上に改善した患者, 全生存患率, MRDのない患者の比率, 30月PR以上の改善を維持した患者の比率はそれぞれ24.9% vs. 47.6%, 53.1% vs. 79.3%, 81.3% vs. 92.9%, 7.3% vs. 24.2%, 65.7% vs. 80.3%だった。いずれの群も効果は1.05月で現れ、50%の患者がCR以上に到達する時間は対照群とダラツムマブ群でそれぞれ11.2月、10.4月だった。グレード3以上の有害事象は好中球減少(35.3% vs. 50.0%)、貧血(19.7% vs. 11.8%)、リンパ球減少(10.7% vs. 15.1%)、肺炎(7.9% vs. 13.7%)、白血球減少(4.9% vs. 11.0%)、感染症(23.3% vs. 32.1%)だった。重篤な有害事象の中で最も頻度の多いものは肺炎だった。(7.4% vs. 13.2%)。感染症による離脱率、それによる死亡者率、特に肺炎による死亡率はそれぞれ1.4% vs. 0.5%, 6.3% vs. 6.9%, 0.8% vs. 0.5%(対照群 vs. 介入群)。2次がんは介入群の12人の患者(3.3%)に発生し固形がんは2.7%、造血器腫瘍は0.5%。インヒュージョンリアクションは介入群の40.9%に起こり、グレード3以上は2.7%。以上より無増悪生存、奏効率(完全寛解率と部分寛解率の和?)、MRD消失の深さ、効果のある期間で3剤併用はRdより優れること、3剤併用は好中球減少と感染症は多いことが結論された。

2019年8月28日

症例検討会 1例
Primary testicular lymphoma治療後当院に紹介されてf/uされていた。咽頭違和感を訴え、MRI撮影で右咽頭に腫瘤あり。FDG-PET実施lymphoma。pet

2019年8月23日抄読会

Adjunctive Intermittent Pneumatic Compression for Venous Thromboprophylaxis.
N Engl J Med. 2019 Apr 4;380(14):1305-1315
間歇的空気圧迫法(IPC)による静脈血栓塞栓症の予防
(静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)
…深部静脈血栓症(deep venous thrombosis: DVT)と肺動脈塞栓症(pulmonary embolism: PE))

What is known
・重症患者に対して薬物療法による塞栓予防を行うことでDVTとPEの発生率が50%低下した。Crit Care Med. vol41:2088
・脳梗塞で入院した治療中の患者にIPCを使用するとDVTが30%低下した。Lancet vol382:516
・重症患者において、薬物療法による塞栓予防にIPCを追加することで、一部の外科系疾患においてDVT発生率が低下した。Cochrane database syst Rev. 2016 Sep 7;9:CD005258

What Is unknown
・重症患者で薬物療法による塞栓予防にIPCを追加した場合の効果はわかっていない。
・臨床ガイドラインでも推奨が統一されていない
・薬物療法による塞栓予防が困難な患者には、I PCが推奨されていることが多い
リサーチクエスチョン
薬物療法(未分化ヘパリンまたは低分子ヘパリン)による塞栓症予防をされている重症患者において、IPCを行うことで中枢型DVTを減少させるか。

Methods
Trial Design and Oversight
・2014年7月~2018年8月
・サウジアラビア、力ナダ、オーストラリア、インドの20施設
・研究者主導型、国際多施設RCT
Patients
・内科疾患、術後、外傷患者
・14-18歳以上の成人(成人の年齢の定義は地域による)
・体重45kg以上
・ICUに72時間以上入室していると予想される
・未分化/低分子ヘパリンの抗凝固療法に禁忌なし
・ICU入室後48時間以内に組み入れ
Randomization
・1:1
・pneumatic compression group:intermittent pneumatic compression in addition to pharmacologic thromboprophylaxis
・control group: pharmacologic thromboprophylaxisのみ
・中央コンピュータによるランダム化、層別ランダム化(siteの大きさ、ヘパリンの種類)
・患者・医療者・エコー技師はブラインドされていない。エコー画像を評価する放射線科医はブラインドされている。
Intervention
・IPCは大腿までのマルチチャンバーカフを推奨。膝までのシングルチャンバーカフでも可。
・足部のみのフツトポンプは追加可。
・デバイスは18時間/日装着、8時間毎に取り外し皮膚観察とケアを行う。
Control
・抗凝固療法中止中のみIPC使用可
Measurements
・ランダム化の48時間以内に、認定エコー技師が近位下肢静脈のエコ検査行った。その後、一週間に2回、さらにDVTが疑われたときにエコー検査を行った。
・エコー所見は盲検化された放射線科医により評価された。部分的または完全に静脈が圧縮されないときを近医DVTと定義した。
Primary outcome
近位DVT発生率
…ICU入室3日目からにICU退室・死亡・完全に動くことができる状態になる・試験開始28日のいずれかが生じるまで。
Secondary outcomes
・Prevalentの近位DVTの発生率
・proximal DVT、distal DVT、prevalent DVT、incident DVTいずれかの下肢DVTの発生率
・PE発生率
・VTE(PEおよび上記の下肢DVTいずれか)の複合アウトカム
・VTEもしくは28日死亡の複合アウトカム
・safety outcomes
Statistical Analysis
20190823-1

Results
・研究への参入評価対象 16053人
・ランダム化 2003人
・pneumatic compression group 991人、control group 1012人
・Baseline characteristicsは二群で有意な違いなし(Table 1)
・介入、その他のアドヒアランス(Table 2) …IPCの使用:IPC群 98.1%、コントロール群 10.2%
IPCの種類 膝丈スリーブ 79.4%、大腿丈スリーブ 18.7%
プロトコル違反 両群とも2.8%、プロトコル逸脱はIPC群 7.3%、コントロール群 8.6%
20190823-220190823-3

2019年8月21日

症例検討会 1例
3W前発熱で近医を受診。メイアクト処方されたが改善なく当院受診。咽頭痛を訴えLN触れず。ラボデータではIgEが少し上昇。外来でf/uしていたら徐々に前頸部のLNが大きくなった。WBC 2500、Plt 10万前後。精査中。IMの疑い。

2019年8月14日

症例検討会 2例
1 胃がん術後 呼吸症状で受診、腹部小腸ガス著しく、血液検査でDダイマー高値。CTで肺病変なく肺動脈の造影欠損なし。2日後めまい訴えあり、頭部MRIで小脳出血性梗塞と診断。呼吸症状の原因は不明。
ct

2 胸部症状で受診。中性脂肪値が高く近医でf/uされていた。受診時ECG→カテーテル検査へ

20190814-1
20190814-2

2019年8月9日抄読会

Intensive chemotherapy followed by hematopoietic stem-cell rescue for refractory and recurrent primary CNS and intraocular lymphoma: Société Française de Greffe de Moëlle Osseuse-Thérapie Cellulaire.
J Clin Oncol. 2008 May 20;26(15):2512-8.
大量MTX(methotrexate)を併用した化学療法の治療効果が乏しかったあるいは再発したPCNSL(CNS[中枢神経系]原発リンパ腫)患者およびIOL(眼球内リンパ腫)の患者に対する造血幹細胞レスキュー(HSC)を併用した強力化学療法(IC)の効果を解析した。すでにMTX治療を施された、65歳未満、HIV陰性を確認された43人の患者がエントリーされた。患者はサルベージ療法後主治医の判断でIC+HSC治療に進めた。
中央値が36ヶ月の観察期間において全生存期間は中央値18.3ヶ月、2年生存率および無増悪生存率は45%、43%だった。


多変量解析ではPS(performans status)が良好なグループ、サルベージ療法が効いたグループ、IC+HSCを実施した(できた)グループは全生存率も無増悪生存期間もよい結果だった。
PSが1のグループは全生存期間が26.9ヶ月であるのに対して2-4のグループは16.3ヶ月。
サルベージ治療が奏功したグループとしなかったグループでは全生存期間の中央値64ヶ月に対して8.7ヶ月(log-rank P = .0022) 無増悪生存期間の中央値は41ヶ月に対して6ヶ月 (log-rank P = .0016)。
IC+HSCを実施した(できた)グループとしなかったグループの全生存期間は58.6ヶ月に対して4.6ヶ月 (P < .0001)、無増悪生存期間の中央値は41.1ヶ月に対して4.8ヶ月 (P = .0001)だった。

2019年8月7日

症例検討会 2例
1 階段を登って息切れを自覚し近医を受診して貧血を指摘されて当院受診した。MCV130.6と増加し、vitB12 50未満、葉酸14.1(正常範囲)だった。同時にIgG、IgA、IgMそれぞれ2199、58、16より多発性骨髄腫を疑い精査をすすめると骨病変は局所に認められ、腸骨では形質細胞の増殖認めた。尿中BJP陽性。症候性骨髄腫と形質細胞腫との鑑別中。

2 陳旧性胸膜炎。息切れ現れ近医受診し心房細動を指摘されてでビソプロロールフマル酸処方された。その後症状の改善なく抗アレルギー剤、鎮咳剤、抗生物質、漢方薬など処方されたが改善せず来院。ビソプロロールフマル酸を中止して呼吸は改善したが心房細動が再燃しシベノール内服中。

2019年8月2日抄読会

Lower Incidence Rate of Type 1 Diabetes after Receipt of the Rotavirus Vaccine in the United States, 2001-2017.
Sci Rep. 2019 Jun 13;9(1):7727. doi: 10.1038/s41598-019-44193-4.
1型DMはHLA座との関連が報告されているが、一方β細胞の自己免疫発生の引き金になっている後天的な因子もあると推測されている。ロタウイルスワクチンの経口接種者は1型DMの発症リスクが低いという報告はその一つだ。
2001年から2017年6月30日までの米国の医療保険会社のデータを用いたコホート研究である。対象は保険加入が1歳未満で始まり、期間が365日以上である保険加入者である。対象者はロタウイルスワクチンを完全に接種された(3 doses of RotaTeq or 2 doses of Rotarix)グループ、全く摂取されなかったグループ、不完全な接種(回数が足りない)グループに分けられた。非接種者は2001–2005に生まれて未接種のグループ(Historical Comparator)と2006–2017年の期間に摂取しなかったグループ(Concurrent Comparator)の2グループにわけた(RotaTeqは2006年にRotarixは2008年から使用可能になったから)。

2006–2016における糖尿病の発生率は完全接種群 12.2/100,000 person-years、不完全接種 20.5/100,000 person-years、非接種(Concurrent Comparator) 20.6/100,000 person-yearだった。41%(95% CI: 27%, 52%)の減少が完全接種グループで認められた。2006-2011年、2012-2016年ではそれぞれ33%と54%の減少が完全接種グループで認められた。Cox 回帰分析?で2006-2016における完全接種者を非接種者と比較するHR(unadjusted、adjusted)は0.64、0.67だった。年齢と発生率を解析すると図のごとくだった。


インスリン、1型DMによる入院、2つ以上のDMコードおよびインスリン治療による糖尿病の抽出感度の違いを考慮してもそれぞれHR(adjusted)は0.71、0.70、0.70だった。

2019年7月31日

症例検討会
2例
1 高血圧で通院中だった。下腿口腔粘膜に点状出血斑が現れて当院に紹介されてきた。既往歴は高血圧。血小板数1000、Hb7.8、MCV78fL。精査中。
2 Hb7.7、MCV 124で当院に紹介されて受診。IgA、IgM低下より精査を勧めて多発性骨髄腫の診断に至った。

2019年7月26日抄読会

Tafamidis Treatment for Patients with Transthyretin Amyloid Cardiomyopathy
N Engl J Med 2018; 379:1007-1016
Tafamidisはトランスサイレチン(TTR)に結合しTTRテトラマーを安定化させることでアミロイドの形成を阻害する。Tafamidisの心アミロイドーシスに対するphase 3 trialの論文。
心臓、脂肪、消化管、唾液腺あるいは骨髄のいずれかにアミロイドの蓄積が確認された年齢18-90の成人を対象とした(TTRのmutationの有無にかかわらず)。毎日80 mg or 20 mgのtafamidisあるいはmatching placeboを30ヶ月服薬する3armの多施設によるランダマイズされた二重盲検の研究。総死亡率、心疾患による入院頻度、30ヶ月内服後の6-minute walk testによる歩行距離、Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire–Overall Summary (KCCQ-OS) scoreにおいてtafamidisの効果を評価した。
結果


2019年7月24日

症例検討会
3例
1 狭心症f/u 高血圧治療中、高脂血症あり、DMなし喫煙なし。正午過ぎ昼寝をしていて胸痛で目覚めた。診断 急性心筋梗塞

2 筋肉・関節痛 発熱。小さな頸部リンパ節腫脹あり。好中球900。診断 パルボウイルス感染

3 39度台発熱。好中球800。診断 パルボウイルス感染

2019年7月19日抄読会

Daratumumab plus lenalidomide and dexamethasone versus lenalidomide and dexamethasone in relapsed or refractory multiple myeloma: updated analysis of POLLUX.

Haematologica. 2018 Dec;103(12):2088-2096

対象 POLLUX ongoing randomized open-label phase3 study
介入 Rd (lenalidomide: 25 mg orally on Days 1-21 of each 28-day cycle; dexamethasone: 40 mg orally weekly) に対する with or without daratumumab (16 mg/kg intravenously weekly for 8 weeks, every 2 weeks for 16 weeks, and then every 4 weeks)の2アームstudy
PFS,response rate, OSで評価

2019年7月17日

症例検討会 1例
高血圧、精神疾患。デイサービス利用中に意識障害、低酸素血症で受診した。全身リンパ節腫脹、血清アンモニア117、血清カルシウム13.7mEq/L。ATLL疑いおよびHBV感染症。

2019年7月12日抄読会

Early or Delayed Cardioversion in Recent-Onset Atrial Fibrillation.
N Engl J Med. 2019 Apr 18;380(16):1499-1508

対象 2014年10月~2018年9月に、 救急外来を受診した18歳以上で、循環動態は安定し、有症状の、 recent-onset(<36時間未満)の、初回または再発の,心房細動を認めていた者。心筋梗塞の兆候はなく、難治性心房細動の既往はなし。
方法 前向き二重盲検で2arm
 ・The wait-and-see approach’ (待機的group)
 ・Early cardioversion (早期group)
介入 過去に抗凝固されていない脳卒中ハイリスク患者は、カルジオバージョン前や施行後すぐに抗凝固を開始された。長期の経口抗凝固については、CHA2DS2-VASc scaleに沿った。救急外来での治療中に合併症が起きた場合、患者は入院させた。レートコントロール、リズムコントロールの薬物開始、増量は個々の判断とした。全ての患者は4週間後に外来受診が予定された。
結果 4週間後の心電図の洞調律の割合 待機的group 193/212 (91%) 早期group 202/2巧(94%)。心血管合併症について、両群で有意差なし。滞在時間 待機的120分 早期group 158分。心房細動の初回再発までのtime to event analysisでは両群に有意差なし。Atrial Fibrillation Effect on Quality of Life (AFEQT)両群で有意差なし。
まとめ
救急外来受診したrecent-onsetの有症状の心房細動に対して、待機的groupは早期groupと比較し、4週間後の初回通院での洞調律復帰において効果は劣っていなかった。待機的groupにおいて、高頻度に自然な洞調律復帰を認め、緊急の薬物または電気的力ルジオバージョンの必要性を減じていた。救急外来でのrecent-onsetの心房細動への治療は多様で、早期の薬物または電気的力ルジオバージョンは一般的な方法である。一方で、’a wait-and-see strategy'(待機的力ルジオバージョン)の利点として・カルジオバージョンそのものを回避し合併症を防ぐ・救急外来での滞在時間の減少・一過性心房細動との判別・患者自身が自然におさまる不整脈を経験することで、治療選択について理解を深めることなどが挙げられる。

2019年7月10日

症例検討会 2例

目がかすみ飛蚊症様の症状で受診。体重70kg、FBS200以上、HbA1c10以上にて糖尿病精査中。

7食後心窩部痛で受診。ECG微妙に四肢誘導でST低下。前回と特に変わらない。FDP、TpnI異常なし。検診でLDL・TG高値。冠動脈造影で竹の節状に冠動脈が狭小化(90%)。冠攣縮性狭心症と診断された。

2019年7月5日抄読会

Targeting FLT3 mutations in AML: review of current knowledge and evidence.
Leukemia. 2019 Feb;33(2):299-312

2019年7月3日

症例検討会 1例
労作性呼吸困難にて受診した。PVC多発、II、III aVF低下、V4-6ST低下、V4-6T陰転
慢性血栓性肺高血圧症、肺動脈血栓症

2019年6月26日

症例検討会 1例

Acute Leukemia(M2)と診断され寛解となった。
4月末梢血に芽球が出現。治療前芽球約40%でFDP値も高かった。
ギルテリチニブ(FLT3阻害剤)にて末梢血の芽球は徐々に減少し1ヶ月後3%となるもFDPは依然高い。

2019年6月19日

症例検討会 1例

口渇で紹介医を受診しシェーグレン症候群の疑いにて紹介され受診。抗SS-A Ab 陰性、抗SS-B Ab 陰性、抗CCP Ab 陽性、RA陽性、ESR促進
骨レ線異常なし
診断 関節リウマチ疑い。

2019年6月12日

症例検討会 1例
SSSでペースメーカー埋込後通院。2018年8月腰痛で受診。PMRと診断されPSL内服していたが改善なく精査のため入院。NSAIDSで疼痛に対応したところ入院7日目に心停止となり蘇生処置後蘇生した。心停止は高カリウム血症によるものと判明し腎不全の進行が明らかになった。人工呼吸器から離脱して退院。CRP陽性、発熱について再精査を希望されて再入院。MRI実施できないためCTで腹部と腰椎を調べると、L2の変形が目立っており偽関節をも形成していた。骨密度の低下なく骨破壊を示す疾患を包括的に精査し、CRPと抗CCP-3抗体が同期して上昇を示すようになり関節リウマチが疑われた。

2019年6月5日

症例検討会 1例

慢性心不全で通院中に、肺炎で入院。1-2年で貧血が進行。→診断 多発性骨髄腫

2019年5月29日

失神で受診。4年前心電図で左軸変異、右脚ブロックを認め、心エコーで格闘障害を認めピロリン酸の心筋に取り込みあり。生検でアミロイドーシスと診断された。心臓超音波検査で心室壁の肥厚とgranular sparklingを確認し原疾患の進行によるものと診断した。
2178-1

2178-12工事現場で作業中に意識消失して搬送されてきた。頸静脈怒張を確認し心臓超音波で心タンポナーデを認めた。 
2178-2

2019年5月22日

症例検討会 1例

マクログロブリン血症と診断されていた。強直性痙攣で救急搬送された。血清Na111mEq/Lと著しく定値。補正に従い意識改善した。ACTH コルチゾール 遊離T4正常範囲、血清浸透圧正常範囲にて原因を精査中。

2019年5月15日

症例検討会 3例
1年前にmalignant lymphomaと診断された。外来で治療経過を観察していたところ日付がわからないと訴えた。MRIで図のような病変。
515-1

主訴 頭重感

大動脈ステント後
左下肢の麻痺で受診。

2019年5月8日

症例検討会 3例

LDL血症あり。前胸部痛 10-15分 V2-3におけるT波の陰転を認め心カテ実施。LADのAMI

突然の呼吸不全で来院。既往歴 高血圧 高尿酸血症 僧帽弁腱索の断裂。

2-3ヶ月前皮下出血斑が出現し息切れを認めた。受診日に発熱を認め末梢血液で白血球数83000、Blast 95%  AMLと診断された。

2019年4月24日

症例検討会 2例

失神で受診。心電図でtorsades de pointes。精査中。

溶連菌感染。CRP42。治療6週間で2.3mg/dL。

2019年4月17日

症例検討会 1例

下痢発熱で受診。血圧 81/58 呼吸数 20、GOT 40、GPT 56 Cre 4.39
入院2日目血小板数 2.2X10^4 FDP 上昇。

2019年4月10日

症例検討会 2例

80代女性 HBV肝硬変及びAfあり。ジギタリス内服中。食欲低下で受診。心電図変化よりジギタリス中毒と診断した。

70代男性
血小板2万にて血液内科を受診。腹部大動脈内皮に血栓が付着していた。
新規

2019年4月3日

症例検討会 2例

胸痛を主訴に受診した。体重85kg、喫煙あり、LDL-C 200超。深夜0時に受診。ECGでII、IIIのQ波、WBC、CPK、FABP、TPN-I/BNP 異常なし。帰宅後下痢。6時間後に再受診。aVfにQ波出現。診断AMI(下壁)

貧血で紹介された。RBC300、Hb 5.5、Hct 22%。消化管内視鏡検査で結腸に腫瘍。

2019年3月20日

症例検討会
息切れ、SpO2低下で受診した。 50代で心筋梗塞、脳梗塞にり患し施設入所していた。主訴により救急搬送。CTで心拡大、V1-4QS、左軸偏移、心尖部に血栓あり。腎不全、多臓器不全を併発し永眠。
検査所見でプロテインC活性低下。

2019年3月13日

症例検討会 2例

めまいと右手の力が入りにくいため受診 MRIで海綿状を呈する画像及び動脈瘤多数。多発性海綿状血管腫

共同偏視、意識障害で搬送されてきた 大動脈解離

2019年3月6日

症例検討会

筋肉痛で受診 G群溶連菌菌血症、治療中に鼠径リンパ節腫脹が明らかになった。

胸背部痛、SpO2低下 GOTGPT上昇 DPDダイマー上昇 肺動脈血栓症、肝静脈血栓症

2019年2月27日

症例検討会 2例

息切れ食欲低下で受診。WBC57000、内Mono 69%
敗血症、DICの治療後骨髄検査の方針である

2/20 症例1 リンパ節生検 腺癌 胆嚢癌リンパ節転移

2019年2月20日

症例検討会

2例

食欲不振で来院。左鎖骨上リンパ節腫脹、CTで胆嚢壁肥厚、骨盤内腫瘤あり。

胆嚢炎で入院し腹腔および縦隔リンパ節腫脹、IgG4上昇。

2019年2月13日

症例検討会 2例

男性 右下腿の疼痛、腫脹で受診。FDPDダイマー上昇。診断DVT。

不詳 息切れ倦怠感で受診した男性。下肢の浮腫、白血球数増多、好中球数減少を認めた。急性白血病の精査中

2019年2月6日

症例検討会
歯肉出血で受診した。既往歴 関節リウマチ、慢性糸球体腎炎。
汎血球減少認めた。診断 MTXによる薬剤性骨髄抑制。

2019年1月30日

症例検討会

2週間前浮腫と呼吸困難感出現、黒色便に気づいた。既往歴 DM、大動脈弁、僧帽弁置換術後

真菌性肺化膿症の疑い

2019年1月23日

症例検討会 2例
1 インフルエンザ治療後呼吸困難出現し受診した。胸部単純xpでCTR増加あり。
12b
利尿剤で改善せず循環器内科紹介、CTで胸水、心嚢水貯留あり。
123a
胸膜炎を疑い穿刺し血性胸水。診断 中皮腫

2 器質化肺炎治療中の成人。発熱と呼吸症状出現しレントゲン撮影で両側肺野にびまん性陰影。
10a
123b
CMVアンチゲネミア38/100よりCMV肺炎と診断。発症前に抹消血液のリンパ球減少を認めていた。

2019年1月16日

症例検討会
1 血清ナトリウム178mEq/L、意識障害の一例
2 深部静脈血栓症の一例

2019年1月9日

症例検討会 3例
1 糖尿病と高血圧あり。便秘腹部膨満症状で来院。膀胱に700mLの尿貯留認め、診察待合室で大便の失禁あり、膀胱直腸障害の可能性が指摘され、同日行ったCT検査で腹部大動脈瘤とその解離腔が示された。MRI検査で脊髄の虚血は認められなかった。後腹膜線維症(IgG4関連)。
AAA300

2 左下腹部痛で受診。腹部単純xpで異常なく、腹部単純CTで腸間膜静脈の石灰化を認めた。10年間加味逍遥散を内服していたことから漢方薬による腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis)と診断。
mps300
特発性腸間膜静脈硬化症は漢方薬のサンシシがその原因の一つとされ、腸間膜静脈壁が線維性肥厚・石灰化することにより腸管の血流が鬱滞し、腸管壁に浮腫、線維化、石灰化および狭窄を認めるようになると報告されている。

3 冠動脈ステント挿入後通院していた患者。外来で激しい下腹部痛を訴えておりCTでS状結腸の管外にフリーエアーを認めた。S状結腸憩室の穿孔と診断。
SCP300

2018年12月26日

症例検討会 3例

1 2018年11月14日検討会の症例3、紹介先より返書 MRIで子宮後壁漿膜面にS状結腸が癒着し子宮筋層内に膿瘍を形成。S状結腸切除と人工肛門造設術が行われた。診断、
#1 S状結腸憩室炎
#2 子宮膿瘍

2 下腹部痛で受診。既往歴 高血圧、高脂血症、糖尿病。初日 AST36 ALT21 LDH314、2日目 AST80 ALT124 LDH2491
CTで胆石を認めるのみ。2日目以降右腎が腫大、
1
3日目造影CT実施。みぎ腎動脈の造影欠損認め右腎全体の造影不良よりみぎ腎梗塞
2

3 右胸部から背中にかけての痛みで受診。徐々にしびれが上肢に出現。さらに翌日下肢にもしびれ出現。麻痺なし。胸部および頭部精査に異常認めず、脊髄の単純MRIを実施。T2強調でエンハンスされる病変がC10レベルに認められた。MS疑いで転院。
3

2018年12月19日

症例検討会

多発性骨髄腫と老人性アミロイドーシス(トランスサイレチン)の合併 低血糖を契機に予定外受診し総胆管結石と診断された。同時に肝硬変の進行も指摘された。IgG低値、HBV、HCV除外され、自己抗体も既知のものは陰性。

2018年12月12日

症例検討会 2例

1 CML、ダサチニブ治療中に頻拍出現。診断PSVT。

2 発作性心房細動治療中。左即腹部痛で来院しひだり尿管結石と診断されてNSAIDS処方されて帰宅。翌日顔色不良で受診。体温36度台、白血球数1.760/mL。血圧80台、呼吸数23 診断 腎盂腎炎 敗血症性ショック

2018年12月5日

症例検討会

1 息切れ、倦怠感、腰痛を訴えて受診。LDH 1400、RBC 168、Hb 5.6、Hct 17.2、末梢血に未熟顆粒球約10%以上、血尿も認めた。CTで前立腺腫瘍と著しい骨硬化を認め、PSA800以上、骨髄は異形上皮細胞に占拠され、前立腺がんによる骨髄機能不全と診断。

2 心臓の人工弁とペースメーカーが挿入されていた成人。湯船で失神し救急受診。頸部の回旋障害が明らかになり、CRP、PCTが高値。MRIでC3,4の化膿性脊椎炎あり、血液培養からS. aureus検出。副鼻腔、口腔および心臓を検査し侵入源、感染巣を検索中。

2018年11月28日

症例検討会 2例

1 脾腫瘍。脾臓摘出し脾臓原発MLDLBCLと診断された。このような症例の脾機能低下について。
2 検診でCLBBB p/oされていた。入浴中に失神。CRBBBに変化。VT studyでVT認められたため心筋生検実施。炎症細胞の浸潤軽度認めるのみ。拡張型心筋症、自己免疫性心筋炎等の鑑別。
2018_11_28

2018年11月21日

症例検討会

血小板数40万で推移し一時60万に上昇した際にJAK2変異の陽性が判明していた。心窩部痛にて来院し体温38度 心拍数60、CRP陽性、白血球数軽度増加・・・胸部CTで両側上葉に粒状影、索状影と胸膜の肥厚を認めた。胃液培養で抗酸菌の増殖なく、その後の治療経過(AZMとCTRXにて速やかに改善し)から気管支肺炎と診断された。
20181121
クリップボード

2018年11月14日

症例検討会

1 くすぶり型多発性骨髄腫でf/u中、Hb低下を示し症候性MMと診断。骨病変あり(胸椎)。

2 182cm、102kg、LDL-C 98 中性脂肪WNL 胸痛で受診。前胸部誘導でST上昇を認め、心カテでLAD狭窄。冠動脈エコーで線維化を認めた。 タバコと遺伝が関係しているといわれる病態。

3 80代女性 下腹部痛で受診。LDH正常範囲、CRP27、WBC 17000。腹部CTで子宮膿瘍およびS状結腸炎を認めた。2018年12月26日に関連記事あり

2018年11月7日

症例検討会
咳嗽とxpで心陰影拡大を指摘されて受診。SpO2 93% CTR 64%,ECG Af, UCG EF 20%。心筋シンチ後壁に虚血、SDS3%
拡張型心筋症疑いで精査中

浮腫を主訴に来院。体重が50kgから68kgに増加。胸部xpで右に胸水貯留。老人性アミロイドーシスと診断して治療中。

80代女性 既往歴 9年前ML治療歴あり。今回右大腿と左臀部の腫瘤を精査するため入院。左頸部、下行大動脈近傍及び左臀部に骨破壊を伴う腫瘤増大。FL再燃の治療検討中。

2018年10月31日

症例検討会 2例
1 呼吸症状と発熱で受診。白血球数40000、Hb低下、Plt低下⇒AML
2 背部痛と腹痛で受診。CT検査で胃に大量の液体あり。⇒1型DMで口渇が著しくDKAの状態。1日7000mLの水分を摂取していた。

2018年10月24日

1 貧血と腰痛を訴えて来院した症例。M蛋白血症の存在を指摘され、ZTT高値フェリチン低下。→多発性骨髄腫

2 ひとり暮らしの成人患者。股関節と肩関節の痛みを訴えて来院。CTで全身に骨病変、高カルシウム血症→転移性骨腫瘍(乳がん)

2018年10月17日

1 高血圧、鉄欠乏性貧血等で近医通院していた成人患者。ガンマグロブリン、TSH低値。

2 血糖 240、HbA1c 9。

2018年10月10日

症例検討 2例
1 発熱、関節痛で受診した成人患者、検査で汎血球減少、風疹IgM、EBVVCAIgMがともに陽性、肝脾腫を示した。血中風疹DNA陰性および過去に風疹抗体陽性の記録が見つかった。→伝染性単核球症

キャプチャ

2 発熱で受診した成人患者、手の振戦が現れるようになり、第6病日家族についての質問に返答できない症状が現れて同日髄液検査を実施し細胞数197/3より脳炎・髄膜炎の診断で大学病院に紹介。CT、MRIは異常なし。

2018年10月3日

症例検討会 1例
CNS原発リンパ腫の治療経過 MTX+HDCA 腫瘍縮小

2018年9月26日

症例検討会 1例
1 成人患者、体重減少、嚥下困難、皮疹、血便などの症状を認めた。大腸内視鏡検査を実施され広範囲の結腸に出血性の潰瘍が認められた。→ 生検で粘膜金版にアミロイドの沈着を認め、その後心臓超音波検査で心筋にアミロイドの沈着を認めた。原発性アミロイドーシス疑い

キャプチャ

2018年9月19日

症例検討会 1例
1ヶ月からという虫の刺し痕のある成人患者が汎血球減少(白血球数2000、Hb11.8、血小板数3.6万)と皮疹に気づいて受診。レ線で右上葉に結節影、ひだり肺底部にすりガラス陰影を認め、胸水貯留あり。→BALの結果間質性肺炎と診断された。

2018年9月12日

症例検討会 3例

1 頭痛、食欲不振および発熱で熱中症と診断され治療を受けた成人が、1週間後に左麻痺、傾眠で来院した。→頭部CTで脳腫瘍を指摘され生検でDLBCLと診断された。

2 健診でPCKと診断された成人。血清クレアチニンが1.5から1.7に上昇し紹介されて受診。→治療トルバプタン(サムスカ)。

3 発熱、元気がないため受診した成人。血液検査でLDH1800、LDH 1912,
ALP 406、CPK 127を指摘された。CTで心臓に接する腫瘤が増大。→心臓原発DLBCL。

ml20180912

2018年9月5日

3例
リンパ球増多で紹介されてきた成人。白血球数22000,リンパ球76%、胸水貯留。
follicular lymphoma Grade2。R-CHOP後血小板減少を認めた。→t(14,18)に付加的染色体異常あり。del(6q)

血圧左右差を訴えて受診した成人患者。右の血圧が低かった。発熱なし。
補体上昇、白血球7160、血小板40.8万、CRP1.23。
→右鎖骨下動脈閉塞

検診で高血圧が指摘された20代女性。心臓超音波検査で大動脈から肺動脈への吹込みを認めた。→造影CTでPDA開存描出。

PDA

2018年8月29日

症例 2例
操作していたトラクターとともに土手から側溝に落ちて受診した成人。心窩部に重い痛みを訴えていた。別の医師からCT画像に肝臓に淡いLDA、およびダグラス窩に液体があることを指摘され再診時の造影CTを実施。→外傷性肝損傷

上室性頻拍でf/uされていた成人患者が健康診断で白血球数増加を指摘されて受診した。以前より白血球数は10000前後。→好塩基球が若干多く、NAPスコア68、vitB12高値にてbcr-ablを細胞遺伝学的に確認しCML慢性期と診断。

2018年8月22日

症例検討会 2症例
1 Hb低値で紹介され消化管内視鏡検査で以上見られず血液内科に紹介されBJ型多発性骨髄腫の一例。
2 心房細動f/u中、黄疸とγ-GTP陽性を示して受診した成人。ERCP主膵管の狭細、総胆管の狭細を認めIgG4高値。自己免疫性膵炎と診断された。suien20180822

2018年8月15日

内科検討会
1症例
PH 内頚動脈狭窄、DMなし、高血圧なし、
2-3ヶ月前から右肩が挙がりづらかった。食思不振で受診しECGでAf、II III aVFでST上昇、V1-5 ST低下。 診断 AMI LAD99%、#1#2閉塞 ForresterI型

2018年8月9日

症例報告 2例

微熱とひだり頸部腫瘤で近医を受診した成人が抗生剤投与後高熱で紹介されてきた。ALT、AST高、白血球数(A-Ly優位)増加。 診断 伝染性単核球症(IgM VCA高)疑い

腹痛と口内炎で来院した成人、大腸内視鏡検査で潰瘍とびらんをS状結腸に認め、結節性紅斑を下肢と体幹に認めた。 診断 不全型ベーチェット病

2018年8月1日

内科検討会
2例
1 脳梗塞後遺症で胃ろうを造設された嘔吐で入院。巨大胆石、腎結石と水腎症を認め、急性腎盂腎炎治癒後左下腹部痛出現。CTで下腹部に膿瘍および腹腔内ガスを認めた。→左尿管破裂(ガスは膀胱から逆行性に腹部に到達したと推察された。
2 頚部痛と発熱で受診し、胸部雑音を認めたため入院し血液培養からMSSA検出された。→感染性心内膜炎で術後CEZで治療中。

2018年7月25日

内科検討会
症例 2例
1 全身倦怠感で紹介されHb9.0で紹介されてMCUが90台から110に上昇し。2年前骨髄検査で異常なし。手術歴なし。pernicious anemia susup
2 高血圧高尿酸血症を治療中の成人が貧血で紹介され、MCV92.9 Hb10.0 Ret3x10^4、BJP+。 診断 MGUS としてf/u

2018年7月18日

検討会 3例
1 胸苦しさで受診し、TpnI、CPK、白血球数等のラボデータに異常を示さなかった一例 AMI
2 胸痛を示した腎不全の一例 関節リウマチおよびリウマチ性心外膜炎
3 失神で救急搬送され、下肢痛と著しい貧血を示した一例 大動脈解離および大腿動脈出血

2018年7月11日

症例 3例
1 胸痛と発熱で受診した人工透析中の1例。 腎不全による心嚢水貯留とCRP 精査中 ANA陰性 MMP3高値
2 全身のリンパ節腫脹の1例。縦隔、表在、後腹膜リンパ節腫大 ML Bcell 病理結果待ち
3 神経アミロイドーシス治療中に浮腫で紹介された1例。 心アミロイドーシス。

2018年7月4日

症例検討会
2例
1 血清クレアチニン高値で腎臓内科を受診した症例 BJ型多発性骨髄腫
2 胸苦しさと過換気症候群で救急搬送された症例 異形狭心症

2018年6月20日

症例検討会 1例
5月半ば浮腫、6月13日発熱で近医を受診。 AMLに肺炎を合併

2018年6月13日

検討会 2例
1 複視を訴えた多発性骨髄腫の症例。⇒頭蓋底からの骨髄腫増殖。
2 未解決症例 発熱と胸水、CRP上昇。約8年PSLで経過観察中の患者、確定診断困難にてf/u中⇒大動脈解離発症で外科にコンサルト。確定診断を要求された。診断困難⇒ベーチェット、IgG4…、炎症の病巣はどこか?Gaシンチ

2018年6月6日

症例検討会3例
1 臍帯血移植後のALLでフォロー中の成人。咽頭痛と38度台の発熱を主訴に来院し血液検査で炎症所見陰性、経過観察中に徐脈を示した。ウイルス血症と診断されたが徐脈の原因は精査中。
2 2か月続く震戦と精神症状を訴えて来院し、入院翌日意識障害を示した成人。CT、MRI、髄液所見正常、髄液初圧高値、両側瞳孔縮瞳、項部硬直。現在他院にて辺縁系急性脳症の疑いで精査中。
3 心房細動でDOAC内服していた患者。血便を訴えて来院しCFで認めた結腸出血を止血し、その翌日喘鳴が出現。CTで両側肺野透過性低下が判明した成人。止血直後のHb評価に注意を要すると思われた。

2018年5月30日

3症例
呼吸困難、多尿を訴えたDM、DM網膜症、DM腎症の症例⇒ネフローゼ症候群、低タンパク血症、溢水に
マクログロブリン血症の一例
胸背部痛の一例、V1-4陰性T、胆石、CTで胃壁、食道壁肥厚、傍気管LN腫脹⇒GIF

2018年5月16日

検討会

ITPを契機に発見された固形がんの一例

2018年5月9日

報告 3件

1 一過性のめまいで入退院した2か月後に同様のめまいで発症した小脳梗塞

2 腹膜炎を発症した悪性リンパ腫 第2報

3 sIgKとsIgLの二つのクローンを認めた血液腫瘍の一例

2018年4月25日

2018/04/25 検討会 2例

1 心窩部不快感で救急搬送され、心電図に異常所見と、血清検査で酵素値異常を示したが、精査後ただの過食と判明した症例

2 頭痛と胃の痛みで受診し、TPnI、FABP正常だったが血管造影検査でAMIと診断された症例

2018年4月18日

1例

リンパ節腫脹と末梢血に異常細胞出現

診断 マントル細胞リンパ腫

2018年4月11日

1例

腫脹と縮小を繰り返す腹腔内リンパ節腫脹

診断 神経内分泌腫瘍grade II

2018年3月28日

1例

白血球18270とARDSを示し、門脈血栓症を合併

診断 ETからの2ndary AML

2018年3月14日

1例

デイサービスで意識消失した高血圧の成人 心電図陰性T波

診断 LMTのAML

2018年3月7日

1例

口唇自動運動が出現し意識が低下したため搬送され、肺炎と診断され治療され退院後意識障害で再受診

診断 間質性肺炎

2018年2月28日

1例

心窩部痛と背部痛が出現し救急搬送された。心超音波検査でEFは正常範囲、心電図は全般にST上昇

2018年2月21日

3例

立位で増悪する呼吸困難で受診。ALTが3桁に上昇。

診断 肺塞栓症

肺塞栓症治療中に意識障害出現。

診断 くも膜下出血

全身倦怠感と黄疸で受診。

診断 結腸膿瘍に併発した肝膿瘍