診療部の活動

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2021年10月12日

症例検討会 2例

1 90歳台 喘鳴と発熱で受診。左腎盂に結石あり、急性腎盂腎炎として入院。尿培養検査でESBL陽性の大腸菌が発育。バルンカテーテルの管理不良にて発症したと考えた。MEPMに感受性あり同薬で治療していたが、退院希望にてFRPMの感受性を確認し外来でFRPM内服にて治療行った。

2 80代 男性 鉄剤内服が奏功しない貧血で紹介された。Hb 5.2g/dL、検査ではsFe 10、UIBC高値、フェリチン低値、ハプトグロビン正常、網状赤血球数低値などより鉄欠乏による貧血は確かと考えた。BUN高値、Cre少し高値、上部消化管内視鏡検査正常、大腸内視鏡検査正常にて精査中。

 

2021年10月8日抄読会

Prevalence, clinical features, and esophagogastroduodenoscopy (EGD) findings of non-Helicobacter pylori Helicobacter infection: A study of 50 cases at a single facility in Japan
Helicobacter. 2021 Aug;26(4):e12811.

2021年10月5日

症例検討会 1例 転移性肺腫瘍 喀血で受診希望あり。深夜にて喀血か吐血か判断つかないため救急車などで受診を勧めたが、自ら運転する自家用車で受診。喀血と判明し入院をおすすめしたが帰宅を強く希望。結局口論を避けて帰宅となった。ふたたび自家用車を運転して帰ろうとしたため、とどまるように諌めたがそのまま帰ってしまった。日常診療でACPが行われていない担癌患者によるトラブルの一例として討論。

2021年10月1日抄読会

Effectiveness of Covid-19 Vaccines against the B.1.617.2 (Delta) Variant
N Engl J Med. 2021 Aug 12;385(7):585-594.
BNT162b2(ファイザービオンテック) およびChAdOx1 nCoV-19(アストラゼネカ)ワクチンのデルタ株に対する効果を検証した。

2021年9月28日

症例検討会 2例
1 80歳台男性 既往 間質性肺炎(IIP)、ANCA関連血管炎、黄色靭帯骨化症
発熱・呼吸不全 全身倦怠感  受診日の胸部レントゲン撮影で間質性肺炎の増悪を認めた。受診前はANCA関連血管炎は腎臓中心に症状が現れていたが、今回血管炎病変〜肺胞出血に進展したのか、それとも間質性肺炎の再増悪なのか鑑別中。
2 70歳台女性 既往 腹部大動脈瘤術後
1年前に便秘の精査加療で入院したことがあった。大動脈瘤術後の虚血による結腸蠕動障害と診断されていた。今回も同様と思われたが、退院時尿閉を認めていた。尿閉の原因として直腸の緊張による尿道等の圧迫による尿閉と考えられた。導尿により750mLの排尿を認め、便秘の改善とともに解消した。

2021年9月24日抄読会

Obinutuzumab for the First-Line Treatment of Follicular Lymphoma
N Engl J Med. 2017 Oct 5;377(14):1331-1344.

2021年9月21日

症例検討会 2例

1 40歳台女性 2021年9月7日の1 卵巣頸捻転

2 40歳台女性 他病院で治療中だった。突然発熱あり、CTで異常なし。COVID-19検査異常なし。CTRXで治療されたが改善なく翌日SpO2 低下して当院に搬送された。CTで両側肺、気管支から胸膜に広がる基質化肺あるいは無気肺及び間質影あり。間質性肺炎、異型肺炎を疑いステロイドパルス、LVFXを実施して翌日改善した。CTを読影依頼し薬剤性肺炎、好酸球性肺炎、基質化肺炎が鑑別診断とされ、問診の結果発症2日前に人生で初めての喫煙をしたことがわかった。診断 好酸球性肺炎

2021年9月17日抄読会

Long-Term Complications in Youth-Onset Type 2 Diabetes

N Engl J Med. 2021 Jul 29;385(5):416-426. 

2021年9月14日

症例検討会80歳台女性 発熱で来院。 アルコール なし、たばこ なし。眼瞼浮腫あり。CTで膵嚢胞指摘され当院を受診。発熱の原因を通院で検査したが、発熱源明らかにならず抗生剤使用せずに軽快した。CA19-9高値にて消化器内科にコンサルト。MRI施行されてIPMNと診断された。

2021年9月10日抄読会

A phase II study of pomalidomide, daily oral cyclophosphamide, and dexamethasone in relapsed/refractory multiple myeloma

Leuk Lymphoma. 2020 Sep;61(9):2208-2215.

2021年9月7日

症例検討会 2例

1 40歳台 男性 発熱および寝ることができないほどの左上腹部痛で受診した。肝胆道系酵素上昇し、血清Amy正常だったが、尿Amy高値。造影CT検査で膵尾部に炎症あり、MRCPで胆道閉塞を認めず。急性膵炎軽症と診断された。

2 60歳台 男性 濾胞性リンパ腫で経過観察中だったがへそ付近の皮下腫瘤と左陰嚢腫脹で受診。FDGPETで左陰嚢、腸骨、腸腰筋周囲に高信号。腸骨骨髄細胞診、染色体解析よりFLからのトランスフォーメーションあり。ベンダムスチン+オビヌツズマブで治療中。

2021年9月3日抄読会

Lymphadenopathy Following COVID-19 Vaccination: Imaging Findings Review

Acad Radiol. 2021 Aug;28(8):1058-1071.

最近の臨床試験でCOVID-19ワクチンについて利点と有効性が言及されているが、同時にリンパ節腫脹などのワクチン接種後の副作用も観察されている。COVID-19ワクチン接種後のリンパ節腫脹の画像所見を提示したすべての文献をレビューした。Scopus、Medline(PubMed)、Web of Science、Embase(Elsevier)、Cochraneライブラリ、GoogleScholarなどのオンラインデータベースで文献検索を実施した。結果:COVID-19ワクチン接種後にリンパ節腫脹を呈した60人の女性と8人の男性を含む合計19件の文献(68例)をレビューした。リンパ節腫脹は、ファイザー(n = 30、44.1%)、モデルナ(n = 17、25%)、アストラゼネカ(n = 1、1.5)を含む3種類のCOVID-19ワクチンの1回目または2回目の投与後に同定された。 20(29.4%)のケースでは、ワクチンの種類は報告されていなかった、あるいはmRNAワクチンとのみ報告されたのいずれかだった。COVID-19ワクチン接種の1回目と2回目の投与後のリンパ節腫脹提示の中央値は、それぞれ12日と5日だった。COVID-19ワクチン接種に関連するリンパ節腫脹画像のほとんどは、ワクチン接種の初日から4週間後に見られた(n = 66、97%)。リンパ節はサイズが減少したもののワクチン投与の5〜6週間後も残っており、2例で皮質の肥厚が残った。ワクチンによるリンパ節腫脹により誤って原疾患の病期を評価しないように投与前かあるいは2回目のワクチンの4-6週後に定期的な画像スクリーニングを行うことを推奨する。放射線科医と診療家がワクチン接種歴と最新の情報を拠り所に、もとからある疾患の病期を見誤り治療法を変更しないようにこのレビューはガイドする。

2021年8月31日

症例検討会 2例

1 90歳代  非結核性抗酸菌症で通院中の患者、在宅酸素療法導入して間もない療養機関に発熱と肺雑音を指摘されて救急搬送された。喀痰Tb、MAはPCRで陰性。CTでは気管支拡張と分泌物で閉塞された気管支とその末梢での肺炎像。気管支拡張症(COPD)に併発した誤嚥性肺炎。 尿中のレジオネラ抗原と肺炎球菌を測定する意義は?

20210831case2CT

2 40歳代女性 右下腹部痛で受診。下痢症状あり。尿管結石の既往あり。白血球数12700にて腹部CT撮影し骨盤内に卵巣腫瘍と思われる腫瘤を認めた。伊那中央病院に紹介。

2021年8月31日症例2CT

2021年8月27日抄読会

Illness duration and symptom profile in symptomatic UK school-aged children tested for SARS-CoV-2

Lancet Child Adolesc Health.2021 Aug 3;S2352-4642(21)00198-X.

2021年8月24日

症例検討会 2例

1 70歳代女性 みぎ背部痛 1ヶ月ほど前からあり。息を吸ったときに痛みが和らいだ。血液検査でBUN Cre 上昇、CRP陰性、白血球数正常範囲。心エコー、心電図異常なし 農作業による筋痛と診断した。  予後不良疾患を除外せずに診断に至っていることに問題があると指摘。基本に忠実な診療を。

2 汎血球減少症 縦隔リンパ節腫脹と脾腫あり。LDH 730。大球性貧血、骨髄像より巨赤芽球性貧血、ビタミンB12欠乏症と診断された。MLの除外中。

2021年8月20日抄読会

Covid-19 Breakthrough Infections in Vaccinated Health Care Workers

N Engl J Med. 2021 Jul 28. doi: 10.1056/NEJMoa2109072.

ワクチン接種した医療従事者のCOVID-19打ち抜き感染 

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2に対するBNT162b2mRNAワクチンのブレイクスルー感染が報告されているが、その感染の特徴を明らかにし、ウイルスの感染力とブレイクスルー感染の関係を解析するデータはない。シェバ医療センター(イスラエル)で、症候性(軽症例を含む)または感染曝露がわかっている医療従事者を大規模に解析してブレイクスルー感染を特定した。疫学的調査、RT-PCR、抗原検出迅速検査、血清学的検査、およびゲノム配列解析を行いこの感染を評価した。ブレイクスルー感染の相関関係は、ケースコントロール分析で評価した。ブレイクスルー感染者の感染周辺期間(感染検出前1週間以内)の抗体価を4~5人の非感染対照と照合し、症例と対照の力価の幾何平均を予測した。また、中和抗体価と感染力に関するCt値との相関関係を評価した。1497人のワクチン接種(医療従事)者において、39人のブレイクスルー感染が記録された。感染周辺期間の患者の中和抗体価は、非感染対照の抗体価よりも低かった。感染周辺期間の中和抗体力価が高いことは、感染力(より高いCt値)が低いことと関連していた。ほとんどのブレイクスルー感染症例は軽度または無症候性だったが、19%には持続的な症状を認めた。B.1.1.7(アルファ)変異は、85%に認められた。患者の74%は、高いウイルス量(Ct値、<30)を示す時期があった。ただし、これらの患者のうち、同時に実施した抗原検出迅速検査で陽性だった患者はわずか17人(59%)だった。
結論:完全にワクチン接種された医療従事者の間で、SARS-CoV-2によるブレイクスルー感染の発生は、感染周辺期間中の中和抗体価と相関していた。ほとんどのブレイクスルー感染は軽度~無症候だったが、持続的な症状を発生した症例もあった。

2021年8月17日

症例検討会 1例

90歳台 女性 意識障害で搬送された。HR30-50の徐脈。血液検査で血清カリウム6.0。高カリウム血症による徐脈と診断。体外ペーシング、GI療法及び透析を実施した。

2021年8月13日抄読会

Clinical features and outcomes of adult Langerhans cell histiocytosis: a single-center experience

Int J Hematol. 2020 Aug;112(2):185-192.

2021年8月10日

症例検討会 1例

50歳台男性 上腹部痛で来院。 既往歴 高血圧 糖尿病 急性心筋梗塞。 来院日朝より心窩部痛あり受診。新株に圧痛あり。腹壁軟。血液検査でトランスアミナーゼ上昇、ビリルビン軽度上昇、血清アミラーゼ上昇。血清P型アミラーゼ著増。CTで膵頭部周囲の透過性低下領域広がっていた。肝内胆管拡張なし、胆管膵管合流部に小さな結石と思われる石灰化あり。胆石性膵炎と診断した。

2021年8月6日抄読会

Vericiguat in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction

N Engl J Med. 2020 May 14;382(20):1883-1893.