当科では消化器外科、呼吸器・乳腺外科を中心にその他一般外科の幅広い分野をカバーしております。
【消化器外科】
消化器臓器全般を対象にしています。日本人の癌死亡率で上位を占める胃癌・ 大腸癌ですが、「胃癌治療ガイドライン」および「大腸癌治療ガイドライン」に準じ、消化器病センターの医師と連携を取りながら、内視鏡的切除または外科的切除(腹腔鏡下的切除)といった、その進行度に適した治療を積極的に行っております。また、近年効果的な薬剤の出現によって、この分野の有力な武器となっている抗癌剤治療も、先進的なプロトコールをいち早く取り入れながら、専門スタッフを配置し環境設備を整えながら行っております。
肝臓、胆道系、膵臓の手術に対しては、得意分野としている3人の医師を中心に、特に力を入れております。肝臓癌に対する肝切除術、胆管癌・胆嚢癌および膵臓癌に対する拡大肝切除術や膵頭十二指腸切除術等の高度な技術を要する手術も安全に行っており、いかに進行した状態でも、根治切除可能と判断できれば、当院のスタッフのみで対応可能と自負しております。
消化管癌、胆嚢結石、鼠径ヘルニア、虫垂炎などは腹腔鏡下手術に積極的に取り組んでいます。腹腔鏡下手術とはおなかに小さな穴を複数あけ、腹腔鏡というカメラをおなかの中(腹腔内)に入れ、モニターに中の様子を映し出して手術をする方法を言います。従来の開腹手術と比較して大きくおなかを切らずに済みますので、(1) 創が小さく美容に優れる(2)創の痛みが軽い(3)手術による負担が少なく、術後在院日数を短縮出来る、等の優れた点があります。安全性はもちろん、患者様の負担を軽減することを心掛けております。特に胆嚢結石、鼠径ヘルニア、虫垂炎などの良性疾患に対しては、臍部の創1か所だけで手術を完了する“単孔式腹腔鏡手術”も積極的に導入しております。
【呼吸器外科】
肺癌など肺腫瘍、縦隔腫瘍、気胸、膿胸など呼吸器外科領域の治療全般に対応しております。肺がんはCTで早期発見できます。肺がんを心配される方、精密検査を必要とされた方は受診してください。精査します。肺がん精査は「外科」で行っています。肺がんでは胸腔鏡下手術を中心に、標準的肺葉切除や3DCTを駆使した区域切除など、患者さんの負担が少ない、精度の高い手術を行っています。縦隔腫瘍、自然気胸の手術も胸腔鏡下手術を中心に行っています。進行がんで手術では治しきれない患者さんも最新の医学的根拠に基づいて、癌薬物治療を行っています。肺がん薬物治療は進歩しており、長期に治療を継続することになります。
<全国肺癌登録業務について>
日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会は協同して肺癌登録合同委員会を設け、日本での肺癌の発生や予後にかかわる因子を明らかにし、よって肺癌の予防、診断、治療の向上に寄与することを目的とし、日本での肺癌症例の登録、解析の業務を行っております。当院でも全国肺癌登録業務に協力しております。(ただし患者さんから本登録の拒否の意思表示があった場合は登録を行いません。)
・全国肺癌登録事業についてはこちら
【乳腺外科】
乳癌は女性の癌で最も多い癌です。乳がんの診断、手術治療、薬物治療など乳癌診療全般を行っています。「乳癌が心配です」という方は、外科を受診して下さい。診察を行う医師も、検査を行う検査技師も乳がん診断専門学会の資格を持ったものが対応いたします。乳癌には性質の異なるタイプがあります。タイプにより効く薬が異なったり、癌の悪性度が変わります。がんの広がりも治療方針に影響します。精度の高い検査を行い、より治りやすい治療戦略を立て、患者さんのご納得の上で治療を行います。非浸潤癌を除く多くの乳癌では手術だけでなく薬物治療を併用する必要があります。治療が長期に及ぶことが多い疾患です。
【血管外科】
信州大学心臓血管外科と密接な連携を保っており、信大医師による血管外科外来を毎週金曜日に開いております。腹部大動脈瘤や下肢の動脈閉塞、静脈瘤などの診断・治療を行っています。
下肢静脈瘤に対しても、積極的に診断・治療を行っています。その症状にあわせて、保存的治療、硬化療法、高位結紮術、大伏在静脈抜去術(ストリッピング手術)などの治療を行っています。病状に適した術式を選択しております。
【緩和医療】
進行・再発癌患者さんに対しての緩和医療にも力を入れております。訪問看護師と担当医師が連携し、在宅医療(在宅静脈栄養、麻薬の投与、全身管理等)にも積極的に取り組んでおり、患者さんとご家族のご希望に沿うよう努めております。
● 鼠径部(そけいぶ)ヘルニア外来のご案内