一般的に「脱腸(だっちょう)」と言われる状態の ことで、脚の付け根(この部分を鼠径部(そけいぶ) と言います)がふくれ上がる状態です。 鼠径部の筋肉に生まれつき隙間があるか、力仕事や 歳を重ねることで隙間ができ、その隙間から、本来 おなかの中にあるはずの小腸や大腸などが皮膚の下 に出てくる病気です。
がんなどの悪性疾患ではないので慌てることはないですが
自然には治りません。 手術で治す必要があります。
鼠径部がふくらんでも、寝転がるだけで戻ったり、手で押し戻すとふくらみが元に戻ることがありますが、筋肉の隙間自体はそのままなので、またすぐに膨らんでしまいます。
鼠径部がふくらんだままで元に戻らない、ひどく痛い、吐き気が続く、というような状態は要注意です。腸が筋肉の隙間から外に出たままで、筋肉に 締め付けられて悲鳴を上げている状態です。
このような状態を「嵌頓(かんとん)」と言い、 この場合はすぐに医療機関を受診していただく必要 があります。緊急手術が(場合によっては腸切除も)必要になる可能性があります。
ですので、そのような緊急事態になる前に、予定を立てて
手術を受けていただくことをお勧めします。
○立っているときやお風呂に入っているときに、脚の付け根がふくらんでいる
○自分の下腹を見下ろしたときに、脚の付け根あたりに左右で差がある
など、鼠径部ヘルニアかな?と思うようなことがあれば、気軽に受診してください。
人工網(メッシュ)を入れる方法は、大きく分けて2通りの方法を行っております。
まだ体の小さなお子様の場合、今後成長に伴い体が大きくなり、筋肉も発達していくことが予想されます。 そのため、小さなお子様に関しては、次のような治療法を行っております。
妊娠適齢期の若年女性の場合は、『人工網(メッシュ)が妊娠に何らかの影響を及ぼさないか』という不安があります。しかし今のところ『妊娠に有害な影響があるかどうか』に関して結論は出ていません。 そのため若年女性に関しては、次のような治療法を選択させていただくことがあります。
上記のように、鼠径部ヘルニアの治療と言ってもいろいろな手術方法があります。
患者様の状態により、どのような方法が良いかをご相談させていただき、ご納得いただいた上で手術を行わせていただきます。
入院期間は、手術前日入院・手術当日・手術翌日退院という2泊3日を基本にしています。
患者様の状態や内服されているお薬の関係で入院期間が延びる場合もあります。
・手術翌日からシャワーを浴びていただいて構いません。退院後から入浴も可能です。
・皮膚の下で傷を縫い合わせているので、皮膚表面に糸などはありません。
そのため抜糸も不要です。
・退院後から、重い荷物を提げたりしない日常生活(散歩や庭いじり、座っての仕事など
を含む)をしていただいて構いません。
・おなかに力を入れる必要がある作業や運動は、手術後2週間は避けてください。
・まれに、手術の傷口が化膿したり、ヘルニアが再発することがあります。
傷口がひどく痛んだり、赤くはれあがったり、何か気になることがあれば放置せず
再受診してください。
時間/曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
午後 1時30分 ~3時30分 |
北原 |
※鼠径部ヘルニア外来の診療日でなくても、可能な限りご対応させていただきます。
お気軽にご連絡ください。